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凸凹だからこそ、チームはうまくいく


あの人が得意なことが、私は苦手。

「だから私はあの人よりも劣っている」
ではなくて
「だから苦手なことはあの人に任せて、私は私が得意なことを頑張ろう」

そう教えてくれる人も書籍も世の中には溢れています。

私たちは多くの場合チームで動いているので、私の本業である市役所の仕事であっても、企業での仕事でも、本業以外のNPOなどの活動でも「苦手なことはあの人に任せる」は共通の真理なのかもしれません。
かのドラッカーも「不得手なものを並みの水準にするには、得意なものを一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」(P.F.ドラッカー『経営者の条件』)と言っていますし、苦手なことに着目するより、得意なことに着目する方がいいのは感覚的には分かります。


チームの中で、ある業務が得意なメンバーと、また別の業務が得意なメンバーをうまく組み合わせて、チームとして成果を出していく。

聴こえはいいですよね。
確かに正論で、ぐうの音も出ません。


ただ、この考え方を聴くたびに「ちょっと待てよ」と思うのです。

なんで、チームの中で互いに得意なことや苦手なことを分かり合えている前提なんだろう?


皆さんは、
職場で一緒に働いているメンバーの得意なことって、よく知っていますか? それって、そんなに当たり前のことですか?
そして、そもそも自分の得意なことって、自覚がありますか?

この記事はこういうタイトルですし、それを自分の時間を使って読もうとしてくださっているくらいなので、もしかしたら皆さんにとっては普通のことなのかもしれません。

でも、私が働いている市役所の世界では、自分の強みや同じ職場の職員の強みなんて、普通に働いていたら言葉に出して相互に理解することなんてほとんどありません。


チームの中で、ある業務が得意なメンバーと、また別の業務が得意なメンバーをうまく組み合わせて、チームとして成果を出していく。
むしろ、凸凹だからこそ、チームはうまくいく。

それはそのとおりですが、形の分かっていないパズルのピースを組み合わせることはできません。


だから、
まず私たちがやることは、
パズルのピースの形を知ること
なのでは。


自分の得意なことは息を吸うみたいに当たり前にできてしまいます。だから、自覚する機会はあまりありません。
「私、息を吸えてる、すごい!」とは思いませんよね。
だから、そこは落ち着いて自分のこれまでのことを振り返ってみること、そして他者の視点も借りて客観視することが必要です。

自分の得意なことが自覚できたら、今度は周りの人が得意なことを探します。

他の人の得意なことは自分の得意なことより見えやすいものです。しっかり観察していると、多くの人が苦労する仕事なのにその人はイキイキと楽しそうに取り組んでいる仕事が1つや2つ見つかるのではないでしょうか。
自分自身が苦手な仕事を得意にしている人がいたら、さらに簡単に見つかりそうです。
あえて他の人の得意なことを見つけるときのポイントをあげるとしたら、それは「他人の得意なことを見つけようと能動的に観察すること」かもしれません。

こうして一人ひとりの得意不得意を知ることができたら、ようやくパズルのピースの組み合わせの話ができるようになるのです。

日々の業務に追われていると、どうしても職員の特性の把握なんか後回しにして、今日の17時が〆切の調書の作成と決裁を急ぐことになります。

つい重要だけど緊急ではない業務だと勘違いしがちですが、チームのメンバー(自分も含め)のことを互いに知ることは、本当は重要かつ緊急の業務であるはずです。それを怠ったまま日々の業務をこなせばこなすほど、本来発揮できるはずの能力と比較したときに、もったいない状態を積み重ねてしまうのですから。


凸凹だからこそ、チームはうまくいく。
但し、まず私たちがやることは、パズルのピースの形を知ること


皆さんには、自分と周りの人のパズルのピースの形が見えていますか?

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