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「あなたもやりなさいよ」ではなくて「私はやっていて楽しいよ」でいこう!


2月に出した初めての単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』も発売開始から2か月が経ちました。

SNSやAmazonでいろいろなレビューを拝見するのですが、先日拙著の中の「公務員だからって地域に飛び出さなくたっていい」というテーマが心に残ったというコメントをたまたま見つけました。この言葉は、個人的に思い入れが強いのですが、拙著の42項目の中でも感想をコメントしてくれる人がなかなかいなかったので嬉しくなりました。


「公務員だからって地域に飛び出さなくたっていい」


これだけだとどういうことか分からないかもしれません。これは『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』のCHAPTER4の06『公務員に特有の窮屈さは正しい理解で軽減させる』という項目に書いたキーフレーズです。

この項目では、特に業務時間外に感じることのある公務員特有の窮屈さ、NPOでの活動が禁止される副業に該当するのか否かとか、政治への関与について何が許されて何が禁じられているのかとか、そういう窮屈さとどのように向き合うのかをお伝えしています。

その中で私が業務時間外に感じる公務員特有の窮屈さの一つの例として、地方公務員であれば地域に飛び出すべき地域に飛び出す公務員は偉いといった空気があること、そしてそれが窮屈に感じられることをご紹介しています。


冒頭でご紹介した感想を持った方も、恐らくはこの空気に何らかの違和感を感じているのだと思います。


私は声を大にして言いますが、「公務員だからって地域に飛び出さなくたっていい」と本気で思っています。

だって、そんなの本人の勝手ですよね。


仕事に加え、地域に積極的にかかわろうとする職員がいることは、確かに本人にとっても地域にとってもプラスだと思います。

でも、そういうことに取り組まない公務員がいたっていいんです。

地域に飛び出さないその人は、もしかしたら家族の時間をとても大切にしていて、子育ての問題意識から福祉の業務を頑張っているかもしれない。
地域に飛び出さないその人は、もしかしたら何かの学びに打ち込んでいて、その経験から市民の生涯学習の事業で力を発揮するかもしれない。
地域に飛び出さないその人は、もしかしたら身体的に何か困難を抱えていて、毎日仕事ができることが既に尊い時間かもしれない。


その人が時間を、つまりはその命を何に費やすかは、本人が決めること


もちろん信用失墜行為や守秘義務違反、許可なき営利企業従事は許されませんが、公務員だからこういう行いをすべき(すべきではない)という過剰に制約しようとする社会の空気を「窮屈だな~」と感じることがままあります。

「公務員だから地域に飛び出す」というメッセージからも、私は同じにおいを感じるのです。飛び出す人を称賛することは、飛び出さない人を「称賛されない人」という立場に置くことになります。

そのことに私たちはもっと敏感になってもいいのではないでしょうか。

「公務員だから」とか「地域のため、社会のため」なんていう価値観は、一方的に押し付けるものではありません。


もちろん、私もそうですが、2枚目の名刺を持って地域で活動することが楽しいなら、それは大いに取り組めばいいと思います。

でも、やりたくてやろうとする人を妨げるのも、やりたくないのに無理に背中を押したり圧力を感じるようなメッセージを示すのも、同じように意味のないこと。


どうせ伝えるなら、「あなたもやりなさいよ」ではなくて「私はやっていて楽しいよ」でいいんじゃないかな。YouメッセージではなくⅠメッセージ。

その結果として、私と同じように楽しくて取り組むようになる人がいたら、とても嬉しいです。




★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。


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