「夕暮れ」【しまさんの読むRadio】
こんにちは。「しまさんの読むRadio」、久方ぶりの更新です。気が付いたら1か月くらい更新できてなかったですね汗
さてさて、日がだんだんと短くなっていく、9月も下旬ですね。気が付いたら22日は秋分の日で、昼と夜が同じ時間、翌日からは夜長になります。また、秋のお彼岸もあり、暑さも一段落、という時期ですね。
そんな秋の時期ですが、秋といえば「夕暮れ」だと個人的に思ってます。なので、「夕暮れ」の曲について書こうと思います。
とはいっても、1曲だけですが。
「夕暮れが僕のドアをノックする頃に」
今回取り上げる曲は、度々登場するTHE BLUE HEARTS(以下ブルーハーツ)の「夕暮れ」。
実は、結構前から下書きに入れていた(空のnoteの下書きとして)のだけど、結局手付かずだったんだよね笑
まあいいんだけど。
全歌詞を読むと、各フレーズが2段落ずつで一区切りになっている。まるで都都逸のように。
冒頭からまるで何かを悟りきったかのような、そんな言葉が入っている。
はっきりさせなくてもいい あやふやなまんまでいい
僕たちは何となく幸せになるんだ
よくよく、「幸せを定義して、それを叶えに行く」っていうのが(まるで)王道だぞ、って教えられる。
けどね、かれは「はっきりさせなくてもいい、僕たちは何となく幸せになるんだ」って言ってるんだ。
幸せって言葉が本当に独り歩きしている時代だなって結構思うんだけど、結局幸せって「いまどんな状態か?」と「いまどう感じてるか?」だけだと思う。数値化してその数値を達成すれば幸せ度が高い、なんて僕はあんまり思わない。
幸せなんて、「いまの状態に対して、どう感じているか」、からしかわからないんだし、GNHとか世界幸福度ランキングとか、比較にはなるとは思うんだけど、結局(あくまで結局だが)、その人がいまの状態に対してどう感じているか、につきる。
数値化して評価して、次どうする?ということを否定しているのではないが。SDGsも「地球規模の下限の幸せの引き上げ」のために絶対必要だと思うし。
「人生は夢じゃない」
一方、「じゃあどうすればいいんだよ?」という問いにも
幻なんかじゃない 人生は夢じゃない
僕たちははっきりと生きているんだ
と答えている。え?答えてないだろって?
はっきりさせなくてもいい、僕たちは何となく幸せになるんだ。だって、僕たちの人生は夢じゃないし、はっきりとここで生きているということが幸せだから、と。
人生は幻でも夢でもないんだから、はっきりとそこに生きているんだから、心がけることなんて、「特にはっきりさせなくていいから、何となく幸せになる(感じれる)こと」でいいんじゃないの?と。
改めて歌詞を全部読み直して、なるほどなあ・・・と勝手にぼやいてしまったんだけど、たった4分弱の曲にいろいろ埋め込んでるなあと。
生きている、で思い出されたこと
そういえば、この曲の歌詞を見なおして、思い出したことがある。
夕焼け空は赤い 炎のように赤い
この星の半分を真っ赤に染めた
それよりももっと赤い血が
体中を流れてるんだぜ
というのが、
手のひらを太陽に すかしてみれば
真っ赤に流れる 僕の血潮
と歌われた「手のひらを太陽に」を想起させられた。そちらの歌詞を書いたのは『それいけ!アンパンマン』の作者である故やなせたかし氏である。
もっといえば、ブルーハーツの
幻なんかじゃない 人生は夢じゃない
僕たちははっきりと生きてるんだ
は「手のひらを太陽に」では
僕らはみんな生きている
生きているから歌うんだ
(以下、「悲しいんだ」「笑うんだ」「うれしいんだ」と続く)
が掛かってくる。偶然というにはちょっと無理がある気がするくらい、一致する部分がある。
もしかしたら、彼ら(ブルーハーツ)なりの「手のひらを太陽に」だったのかもしれないな、と思った。ブルーハーツ然たる「生きているから歌うんだ」であるし、アンパンマンのマーチで言うところでは
何のために生まれて 何をして生きるのか
何が君の幸せ 何をして喜ぶ
なんだろうな。
やなせさんの思いについては、本でもつづられているので、そっちも読んでみると意味が分かるかもしれない。もう一回読もうかな。
なぜ彼らは空中分解前にこの曲をだしたのか?
ブルーハーツの「夕暮れ」は、ブルーハーツ活動休止(実質解散)前最後のシングルで、リリースは1993年10月25日。売上も(それまで飛ばしていたシングルに比べても)パッとしない曲ではある。
多分、いやホントに多分でもないんだけど、彼らにとってももう「夕暮れ」だったんだと思うし、作詞した甲本ヒロト氏も、何か悟ってもう夕暮れの空のような感覚だったのかもしれない。
毎回聞くたびに、モヤモヤするんだけど、それでいいんだとも思った。「はっきりさせなくてもいい」んだから。
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