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101.読書日記/文春ミステリーに騙された…ほか、イギリスの違った印象

海外ミステリを読むのに、最近は文春のミステリーレビューや12月に発表される年間のベスト10を参考にすることが多い。
2021年の年間ランキング2位のホリー・ジャクソンの「自由研究には向かない殺人」、高校生の女の子ピップが殺人事件を解決するお話で、それなりに面白く読んだ。2022年ベスト10に続編の「優等生は探偵に向かない」が入っていたけど、続編はもういいか、とスルーしていた。だけど2023年にそのまた続編の「卒業生には向かない真実」が1位になっていたので、これは読まねばならないだろう、と今年のお正月に続編2冊を買った。2冊で三千円ほどで私にしては大出費だったので、なるべくゆっくり楽しもうと温存していたのを昨日と一昨日の二日かけて読んで、大いに落胆した。面白くなかったのだ。
ミステリランキングの中では(なぜか)文春のを信頼していて、それでも盲信しているわけでなく、書評を読んでから興味を引かれたものを選んでいて、「1位だから読む」と言うことはしていなかったのに、今年に限ってそんなことをして失敗した。私が悪いのだけど、タイトルに「文春に騙された…」としたのは、なんでコレが1位やねん、と言う恨み節。読み終わってからも解せず、書評サイトなど見てみると「後半ダレた」「冗長」などと書いている人が多く、やっぱりどうしてコレが1位になったのか不思議。主人公に全然感情移入できなかったし、解決(?)もスッキリするものではなかった。

それで続編を読んでいて、物語の町の信頼できない警察が「テムズバレー警察」となっていて、「え?え?これってモース警部のいたとこじゃない?」と驚いた。パラレルワールドのテムズバレー警察にはポンコツ刑事しかいなかったのか。「自由研究…」を読んだのは数年前ですっかり忘れていた。我が道をいく女探偵が出てくるのはアメリカミステリのイメージ。アメリカが舞台のイメージで途中まで読んでいた。
よくよく考えると、イギリスには行ったことないし(てか、海外には殆ど行ったことがない)アガサ・クリスティー作品は上流社会が舞台で、ポワロは第一次大戦後にイギリスに亡命してくる設定だから時代的には明智小五郎?モース警部は1965年には警官だったからウチの親世代。私が本やドラマでよく親しんでいるイギリスは過去のお話の中のものばかり。私のイギリスのイメージは間違いだらけなんだろう。

この間イギリスで生活しているブレイディみかこさんのエッセイ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んだら、そこは私の知らないイギリス、貧しさや人種差別、移民、ジェンダー教育などの現実と誠実に向き合う母と息子の暮らしが書かれていた。本の中では特に貧しさに驚いた。イギリス人はステキな庭を持ち、壁紙はウイリアムモリスで、お茶の時間にはポットで熱い紅茶をいれ、スコーンにクリームやジャムをたっぷりつけて食べ、フェアアイルのセーター着て、タータンチェックのスカート履いてるのかと思ってたからw 

この本は面白く興味深かった。話題になってた時、「ブレイディみかこ」の名前で「ブルゾンちえみ」みたいな感じの人の本なのかしら?とスルーしていたのが、斎藤美奈子さんと高橋源一郎さんの「この30年の小説、ぜんぶ」で紹介されてたのを見て図書館で借りたのだ。ピップのいる世界はブレイディみかこさんの書いてる世界に近いんだろうな(ピップの方は面白くなかったけど)。
オススメを素直に信じて失敗する時もあるし、感覚で面白い本をスルーしてしまう時もあると言うことですね。

このところ天皇皇后両陛下がイギリス(UKと記した方がいいのかな?)を訪問されているニュースをよく目にした。コスプレ?と思うような服装の方々がたくさん登場して、晩餐会や馬車でのパレードの写真なども興味深かった。キューガーデンやオックスフォードに行っておられたのが羨ましかったです。
そういえばEテレで時々見ていた「ブリティッシュベイクオフ」や「ソーイングビー」もイギリス制作ですね。一般人の出場者のプロフィールは様々で、いろんな思いから出演し、挑戦する姿が人気なのだろうと思う。


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