お寺で映画を観た日のこと
お盆のころ。
足利市のお寺でメキシコン祭りというイベントがあると言うので、猛暑の昼下がりに出かけてみた。
メキシカンではなく、メキシコン。
お盆の時期に死者の日と融合したイベントをお寺でやろうという企画。
以前よりなんとなく行こうと思っていて、よく調べたら、知り合いの住職のお寺だった。
住職としばらく会っていなかったのと、最近彼のことをよく思い出していたので、イベントはもとよりお話して来ようと思った。
天台宗のお寺で、地元ではあじさい寺として有名。
今はあじさいの時期ではないけれど、池に映った木がきれいだった。
覗きこんだら落ちそうになったところで、鯉が泳いできた。
受付を済ませるとちょうど本堂では、リメンバー・ミーを上映していた。
お釈迦さまの前に大きなスクリーンがかかっていて、涼しく暗い室内に入ると後ろの席に住職がいた。
久しぶりと軽い挨拶をして、後半の山場に入った映画を一緒に見る。
今年の私の誕生日のすぐ後に大好きなおばあちゃんを亡くしたばかりだったので、込み上げるものを隠しながら、静かにみんなで観た。
映画の後の空き時間に住職に本堂の写真を撮らせて欲しいとお願いしたら、人が写らなければいいよ!どんどん宣伝してねってことで、しばし撮影させてもらう。
ひとしきり撮らせてもらった後に住職に気になったことを質問してみる。
というのも、私は高校生の頃からなぜかヒンドゥー教やインドに心惹かれるものがとてもあり、仏教についても知りたかったからだ。
曼荼羅の絵図の意味やお釈迦様のポーズの由来、青い文字のサンスクリット語の意味や発音まで。
忙しい中、丁寧に説明してくれた。
最後に私のおばあちゃんが亡くなったことを話したらゆっくり聞いてくれた。
もともと知人のお坊さんということもあるけれど(お坊さんとしての姿は初めて見た)、
優しい人だなと思った。
せっかくなので、メキシコのイベントも覗いて帰って来た。
大事な人を想う気持ちに宗教は関係ないんだよって教えてくれた住職、ありがとね。
また一緒に飲める機会があるといいね。
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