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コロナをきっかけに新しい働き方の実現に奔走した話

この記事はGozalの高谷さんにお声がけいただき、
労務 Advent Calendar 2020の一部として発信しています。


改めて自己紹介

アドベントカレンダーから来られた方もいる(たぶん)ので改めて。

経理をメインに総務労務採用法務何でも屋としてスタートアップや中小企業中心に四半世紀以上お仕事をしています。
実は今年の11月から転職し今は経理にどっぷり浸かっていますが、10月末までの1年間は某スタートアップで総務労務人事採用をやっていました。
当時は苦しかったですが、なかなかないタイミングで労務総務をやらせてもらったので、今となってはよい経験になったなあと思っています。

新型感染症がやってきた!

今年の1月、世間的にコロナについて囁かれ始め、GMOのリリースが出た時点では個人的にはまだまだ他人事感は強かったように思います。
2月に指定感染症になった時点で会社として対応方針を策定するべきではないかと上司を通じて経営陣に伝え、うがい手洗いの励行、中国への出張禁止などを含めた内容をいくつか経営で決議してもらって社内外にリリース。
その後緊急事態宣言発令、解除後もこの会社方針については定期的に見直しをし強度を変えながら運用しています。

そして4月の緊急事態宣言発令のタイミングでは、
・それまでの「週2日までリモートOK」の運用を日数上限撤廃
・フレックスのコアタイムの撤廃
・4月分給与から最大3か月間リモート手当(1万円/月)支給
とすることを取り決め、東京オフィスは原則出勤停止、九州の拠点は原則リモートの運用として暫定的に新しい働き方が始まりました。

新しい働き方を実現したい!

とりいそぎ緊急事態宣言に対応した働き方が始まると、経営陣から
「アフターコロナ・ウィズコロナでも生産性の高い自由な働き方を実現しよう」
というミッションが課せられました。
自由な働き方=働く場所も時間も各人に委ねる、ということを前提に、リモートやフルフレックスに会社としてちゃんと対応できるように整えないといけないということですね。

いわゆるリアルテックの企業だったので、物理的にモノが動くこともありフルリモートで働けない部署や拠点もあったり、リモートになることによって通勤手当をどうするか、リモート手当は持続して支給するのかなどを含め、全社的に不公平感が出ないやり方を模索することになりました。

労務として考えなくてはならなかったこと

■在宅勤務規程の整備
これまでも週2リモートOKといいながら規程の整備がなかったのでまずはこちらに着手。
ネットからひな形を探してアレンジし、法務担当者と社労士にレビューを受けて完成しました。

■フルフレックスへの移行
こちらも今までコアタイムありフレックスといいながら、実質運用は所定労働の運用をしており、時間での精算をしていなかったことからどこかできちんとしようと考えていたので、この機会にきちんと時間で精算をするべく整備し社内に周知しました。

■通勤手当の変更
公共交通機関利用者は上限を設けて実費としたものの、九州の拠点はマイカー通勤をしているスタッフが大半で、しかも駐車場をオフィスに用意しておらず各自で借りていることから、出勤日数に基づいた支給が実質困難だったため、マイカー通勤についてはそのまま月額の支給継続としました。
また、実費となるスタッフは不利益変更となるため、説明のうえ承諾書を提出してもらうなどもしました。

■自転車通勤規程の整備
東京でも通勤に公共交通機関を利用したくないという要望が出たことから、こちらも整備することにしました。
とはいえ都の条例で、自転車通勤の場合は駐輪場の用意がマストであるにも関わらず、オフィスが入居しているビルが駐輪禁止であることや、東京都の自転車保険加入が4月から義務化したことにより利用のハードルは上がった形になってしまい、結局わたしの在職中の申請はなかったです。

■手当の支給
在宅で増える光熱費や通信環境の整備に対する補助の要望、とはいえ出社比率の高いスタッフとの公平感をどうするべきかなど議論の末、辿り着いた結果は「通信補助手当」としての支給でした。
こちらは出社比率や雇用形態に関係なく一律4,000円を支給することで決着。同時にスマホを会社から貸与しているスタッフについては、申請ベースでアップしていたテザリング容量をデフォルトに戻すなども実施しました。

運用開始直後はいろいろある

という感じで短期間で最低限整えて新しい働き方がスタートしたわけですが、フルフレックスでリモートだと「出勤の定義ってなんですか」とか手当が出ても「テザリング容量下がるのは納得できない」とか「そもそもウチは家庭環境的に在宅できないんだ!」とかいろいろ質問やご意見が寄せられます。「みんなの見てるところで聞くのってちょっと…」とSlackのDMで来ることが多かったのですが、個人的な内容以外はgeneralで公開質問の形でいただけるよう都度お願いし、気軽に質問できる雰囲気づくりや情報の共有、回答側の工数の削減(同じ内容の質問が複数人から来ることもある)に努めるとともにKibela(ナレッジ共有ツール)にFAQの作成も行いました。

新しい働き方と人事・労務の重要性

こういった働き方が出来るようになると、勤務地を気にせず自社にフィットする人材の採用が出来るようになるのは非常に企業側にとってもメリットだなと思う反面、勤怠管理の問題やコミュニケーション、メンタルケアもそうですし、どのように評価制度を構築していくかなど人事労務としてはチャレンジングな環境になっていっていると思います。特に今までなかなか日の当たることのなかった労務というポジションの重要性が増していくだろうなとも考えています(最近エージェントの方から労務の求人が増えているという話も聞きました)。
新しい働き方がスタンダードな世界でも楽しく健康に仕事ができるよう時にはスタッフをケアしながら、経営陣に提言していける労務が増えるといいなと思います。

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