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経済的に破綻した翌月に子供が生まれた夫婦の話し。(その16)子持ちのオーラ

子持ち鮎

この物語は私達夫婦が13年前から今までに経験した実話を基に、登場人物などは架空の設定で書いております。
また内容も一部脚色しておりますので全て正しく記載されているわけではありません。

 私達夫婦はこの物語を通じてたどり着いた心境をお伝えし、皆様のお役に立てればと考え、二人で相談をしながら書いております。

浮かれたまま金川へ
「ではまた、まず金川へ行ってきて」と言い黒塗りの車の後部座席の窓を開け手を挙げ去っていく村下会長。
北野社長も「一回この話はちゃんと検討してみてくれ」と一言のこしてベンツに乗って去っていきました。

 彼れらを見送り車のエンジンをかけながら、自分でもなんだか心がウキウキしていると感じていました。
地元の有名な経営者との遭遇。
UFO好きな私には未知との遭遇的な感覚でした。
正直、私は浮かれていました。
とりあえず金川に行ってみよう、そこから色々と考えようと決めてしまったのです。
そして一人でいくのも寂しいと思い妻に電話をしました。

主人からの電話
 「金川に行ってくけど一緒にいける?」との主人からの突然の電話をもらい妻として一瞬戸惑いました。

 私は母と営む秘湯の温泉で本日お客様を迎える準備に追われていたので
その時は「えっ今から、それは無理」と返事をしてしまったのでした。
あの時、もしも一緒に行っていれば、この話は終了していたのかもしれません。
主人は川魚料理の知識はありせん。
そんな人が金川さんに行っても正しく物事が見えるはずもありません。

素人がわくわくしながら金川に行く

 私は妻に一緒には行けないと言われました。
でも一人いくのは嫌でした。
そこで数人の友人を電話で誘いました。

すると鑑賞用の熱帯魚を販売するウォックス代表 ミズ君だけが一緒に行くと言ってくれました。

ジャンルは違いますが水君は魚の専門家。
そんな水君が一緒に行ってくれるのはありがたかったです。

私は水君と合流し車中でこれまでの経緯は話しながら運転していました。
金川までは車で約1時間の道のりでしたが、目標物がほとんどない田舎道が多く私達は道に迷ってしまいました。
(ナビが当たり前ではない当時ならではエピソードです)

そこで金川さんに電話で道を尋ねるついでに、予約をしようと二人で相談し私が電話をかけました。
金川さんは丁寧に道を教えてくれました。
そして「今から予約2名おねがいします」とお願いをしました。
すると「すみません、ご予約はできません。すでに沢山の方がお並びなので、順番にご案内しております。」
「子持ち鮎の時期なので、最近はずーと満席なのです。ご理解ください。」
私はそんなに流行っているのかと期待が膨らみました。
子持ち鮎ってなんだ?ししゃもみたなやつか?そんな事を考えながら、教わった道順のとおり車は走らせました。

″ここは庄川鮎の里″ そと書かれた看板を目印に町中へ入ると、
「鮎」の一文字を看板や暖簾に掲げているお店がいくつも目につきました。
しかし今のところ、どのお店も流行っているようには見えません。
駐車場に車は入ってますが、まだまだ余裕があります。
私が「まぁまぁかな?」というと 水君が「時間でしょう。」という。
確かにアイドルタイムです。

そしてついに金川さんに到着。
「おー!人がいっぱい」と水君が言いました。
お店の駐車場は満車です。
しかもお店の入口には人が並んでいました。

「子持ち鮎はじめました」
書初めの紙に、達筆な筆さばきの手書き文字がお店の玄関に大きく張り出してありました。

金川さんオーラが凄い

そう感じました。

つづく


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