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【KATARIを語る①】朔に【完全主観】

KATARIを語るプロジェクト第一回目は「朔に」を完全主観で感想を述べたり考察をしていきたいと思います。

【KATARI MV】朔に【神尾晋一郎/間宮丈裕】

とりあえずまずは見てほしいです。
見てからの方が共感してもらえると思います。

「朔に」はKATARIオリジナル作品

これから紹介していく作品は詩を純文学作品から引用して編纂しています。
しかしこの作品の詩は純文学作品の引用ではなく完全オリジナルです。
燦々五々の依澄アキ氏が作詞しています。
「朔に」というタイトルにふさわしく、KATARIの世界観に誘うようなしるべとなっています。

依澄氏が紡いだ詩は以下の通りです。

語る者は、語らざるべきを騙る。
人の歩みは災禍も希望も文に重ね文に重ね、人の標となった。
人の標は事実も空想も紡ぎ、人の世を照らした。
重なりゆく人の文に、語りは語らざるべきを音に重ねる。
嗚呼、新たな人の世に、旋律と言の葉を詠み、紡ぐ。
KATARI-かたり-は語り、騙る。

【KATARI MV】朔に【神尾晋一郎/間宮丈裕】概要欄より

「語り」と「騙り」

同じ「かたり」と読む二つの漢字が出てくるのでそれぞれの意味を確認してみましょう。

かたり【語り】
読み方:かたり

1 語ること。また、その話。

2 記録映画やラジオ・テレビのドラマなどで、筋や場面を説明・解説すること。ナレーション。

3 能で、事件や由緒などを節がなくて抑揚の少ない、多くは散文調の詞(ことば)で物語ること。また、その部分。主にワキが演じる。

4 狂言で、普通のせりふとは違う独白形式の改まった口調で、事件や由緒を物語ること。また、その部分。

5 歌舞伎で、看板や番付の外題(げだい)の上などに、その作の概要を掛け詞・縁語などを多用した美文調で述べたもの。立(たて)作者が書いた。

6 語り伝える事柄。話題。

「永き世の―にしつつ後人の偲(しの)ひにせむと」〈万・一八〇一〉

デジタル大辞泉

かたり【×騙り】
読み方:かたり

人をだまして金品を巻き上げること。また、その人。詐欺。詐欺師。「―を働く」

デジタル大辞泉

あえて「語り」だけではなく「騙り」を使っているのは、扱うのが純文学だからだと推測できます。

こちらの記事で純文学とは何かというのを詳しくまとめています。
踏み込んで解説すると、大衆文学が「売り物の作品」だとすると純文学は「売り物になりづらい作品」なのだと思います。(たぶんそんなことはないのですが主観です。)
自分の思いの丈を文章にしるし、それが一つの作品として成立している感じなのではないかと思います。

純文学のテーマになりやすい人間の愛憎や本音を「かたる」。そういった意味で『語らざるべきを騙る』というふうに表現されているのではないかと考えます。

まとめ

人間の良いところも醜いところもすべてエッセンスとして入っている純文学。それを音に重ねて紡ぎ、かたる。
ただ朗読するだけでは伝わらない世界観を音と語りで表現している作品たちはとっつきにくい純文学を読んでみようと思わせてくれるきっかけであり、人間の愛憎・欲というテーマを直感で感じさせてくれるものだと思っています。

たくさんの作品が創作されていますが、まずはこの作品で純文学とはどういうものなのか感じてみてはいかがでしょうか。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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