「違」
◇「違和感」
情報化社会の最も弱い所は相手が“対自然”である場合。その理由は自然は予測不可能であるから。
いやそんな事はない!そう思う人もあるかもしれない。それなら過去に起きた大地震での被害は最小化できた筈で、絶滅危惧種になる動物も居らず、作物の不作に悩む必要はなく、パンデミックなんて絶対に起きない。
大体にして昨今のゲリラ豪雨だって事前に正確な予測ができたのか考えれば自然が予測可能だなんて思わない筈だが多くの人はそう思わない。
◇しかしそう思ってしまうのもある意味当然で、それは現代では多くの人が普段自然を排除した世界で過ごしているから。
蛇口から水が出るのも、電気が常時通って灯りが灯るのも、ガスで火がつくのも、道路が舗装され平らで土なんて無く、建物内では快適な気温で年中過ごせて、電車は時刻通りくる。
全てが予測可能な世界でありソレは「自然が排除」された社会だから。
そういう事が潜在意識に深く根付いているから「南海トラフ地震がくる可能性は何%ですか?」なんて質問をキャスターはする。
正確にはキャスターが、というより報道を見ている“一般人”がソレを求めてしまうから質問をしている。
つまり“予測可能だと信じている”のでそういう答えを求める。また、求めているものを差し出すのが「商売の基本」でもある。
◇そういえば緊急地震“速報”を“予報”だと思っている人も多い。これはただの国語力の低下かもしれない。
昔は「○○みたいなぁ〜」と言う曖昧表現が流行り、今ならそれに責任回避の意味が加わったハイブリッドな「知らんけど」が流行った。
ただの若者言葉と侮る事なかれ。若者は大人の写鏡だ。まさに政治家が同じ事をやっているではないか。
◇「科学は万能」そう思っている可能性もある。
元より科学が専門の人から言わせれば「万能じゃないから日々研究している」と言われるだろう。万能だと思ってしまう人の多さは文系の多さかもしれない。
長々とした記者会見を見れば結論は
・いつ大地震が来ても不思議はない
・予測はできないから日頃から備えが大切
という事を言っているに過ぎない。それはそう言うしかないのでしょうがない。
◇周期的に現代の関東大震災が起きる可能性が極めて高いと言われもう何年経ったのか?東京への一極集中は止まる事を知らない。それは人が心の中では「大地震は起きない」そう信じているからに他ならないと思う。
だから自分が病気になるとは思わないし、死ぬなんてもっと思わない。
自然を排除した環境に居ればそう思うのが普通。そういえば、今回の地震で「次回のアイドルのライブが心配」なんてアホな事を言ってる人もあった。自分が死ぬ可能性がゼロで計算されている。
スーパーでは未だに買い占めなんて事も起きる。根本的に日本人の考え方が変わるタイミングは、おそらく首都直下型の大地震が起きた時になると思う。それしか有り得ない。
それには良いも悪いもない。自然には良いも悪いもないから。
唯一出来ることは“地震は来る”と割り切る事、その時にどう振る舞うかを考え、その日を備えておく事。
それ以外にない。
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