見出し画像

積年の夢

シャイニング、ペットセメタリー、スタンド・バイ・ミー、グリーンマイル、ショーシャンクの空に、IT…スティーヴン・キング原作の映画が好きでたくさん見てきたけど、その原作を読んだことがなかった。

モダンホラーの帝王と呼ばれ、世界で最も面白い作品を書く作家の一人と崇め称されているのに、海外文学の翻訳された独特の文章が苦手で読み始める勇気が出ない。何回か途中で挫折したこともある。

それでもどうしてもキングの長編が読みたくて、周到に準備を重ねることにした。

まず、村上春樹が訳した作品を何冊か読んで翻訳文章の抵抗感を減らし、新訳が出た「老人と海」を読み、カズオ・イシグロの長編を読み、2年くらいかかってそろそろ行けるかなと自信をつけて本命スティーヴン・キングの最新長編に挑むことにした。

「アウトサイダー」上下巻。

画像1

1ページ上下2段組のボリュームで読んでも読んでもページが進まない、読み終わるのに1ヶ月かかった…

事件が起こってすぐに容疑者が逮捕されるところから物語が始まり、アリバイがあって冤罪の色濃くなる、犯人探しのミステリー風の上巻。

じわじわとストーリーが捻れてきて、得体の知れない怪物の影がチラつき始め、銃撃戦あり洞窟での死闘ありのサバイバルホラーに突入する下巻。

本当に面白くて、これでもかとストーリーが疾走して、これがスティーヴン・キングかと感服した。もうお腹いっぱい。

2年を準備に費やして挑戦した価値があった。

たぶん海外文学の翻訳文章アレルギーも克服できただろうから、これからは躊躇なくどんどん読んでいきたい。

読書の幅が広がり、とても嬉しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?