見出し画像

現代アートと推し活 #3

こんにちは。コンチのXでは自身のファンアートをコンチワートと名付け、ファンから随時受け付けています。私も先日、Xにてコンチワートを公開しました。

私が今回ポストしたコンチワートはコンリスをメインに、私が大好きな現代アートをテーマで仕上げました。それがこちらです。

メインのコンリスは、コンチの実際の私服を参考にしました。左のキツネはよく見ると左右の靴が若干違うのにお気づきでしょうか。これには面白い裏話があります。

コンチが会社の飲み会に出かける際、急ぎすぎて靴を履き違えたまま飲み会に出席するというポンコツエピソードを反映しています。また右のリスはオレンジベルトをびよ〜んと伸ばしているのがポイントです。

今回はインスピレーションとなった現代アートについて、簡単にですが取り上げたいと思います。



美術史についてざっくり説明


はじめに、みなさんは現代アートと聞いてなにかピンときますか。これが結構難しい問いですよね…でもアンティークの精巧に描かれた作品に比べて、これが芸術?というイメージの人はいるのではないでしょうか。

美術史を超ざっくりと説明すると、中世は主に宗教に関してパトロンからの依頼を受けて絵を描いており、技法も美術学校で教えられるスタイルが正統派とされていました。それから時代が経つにつれてそのようなアカデミックスタイルへの反発が広がります。自分の目で見た瞬間や自然の様子を光や色彩を用いて、屋内ではなく屋外で描くように。これがモネやルノワールで代表される印象派の時代です。

宗教、自然ときて、絵は自分の目に映るものから次第に自分の心に映るもの、つまり内面を表現することへと発展します。それからさらに進化して点や線で描く抽象的な技法も誕生。この間芸術の拠点はヨーロッパ、主にフランスからアメリカへと移行していきます。

自己表現が自由にできる現在の私たちの感覚からすると、例えば青い肌の人間や線画も一種のアートとして受け入れられます。しかしこのような歴史の観点から振り返ると、当時の人たちにとっては大きな衝撃だったでしょうし、美術史の転換点だったわけです。

では現代アートの世界に少し触れてみましょう。

アンリ・マティス(Henri Matisse)

フランス: 1869-1954
20世紀を代表する画家の1人で、国立新美術館でつい最近までマティス展が開催されていました。マティスは「色彩の魔術師」と謳われ、私もその豊かな色づかいのファンです。その中でも『赤のハーモニー』が特にお気に入りで、一目惚れした作品の1つです(これは私が赤色が好きだからなのかもしれません…)

『赤のハーモニー 』
1908年

この大胆でちょっと荒々しい色づかいで美術界に新たな風を吹き込みました。赤というとすごく奇抜で使い方によっては攻撃的な印象を与えてしまいますが、この作品での赤はパッと目を惹きつけ、部屋の中の装飾やそして奥の自然と溶け込んでいます。この絶妙な色の使い方こそ魔術師と呼ばれる所以なのかなと思います。

ちなみにマティスの部屋は、上の絵のように赤ではありませんでしたが真っ赤に染めています。このように自分の心に浮かんだ景色や色を好きなようにキャンバスに乗せていく。写実主義の時代から美術史が大きく進歩していることが分かります。

一見単純な絵のようにも見えますが、現実には存在せず心のなかにあるものを形として表現することは、とても大きな苦労と努力、そして才能が必要だと思います。

ピート・モンドリアン(Piet Mondrian)

オランダ: 1872-1944
モンドリアンは”現代的な”デザインに大きく貢献したのではないかと考えます。モンドリアンの代表作『コンポジション』は、何も知らずに見るとこれがアート?と疑問に思うかもしれません。

 『赤・青・黄のコンポジション』
1930年

しかし彼のアートに対する哲学を詳しく見てみると、なぜこのようなスタイルが生まれたのかが分かります。

モンドリアンは直線や水平線、そして原色(赤.青.黄.黒)を用いて極限まで芸術を単純化させました。これには普遍的で抽象的なものこそ調和が取れていると考えていたからです。このように主観を排除し客観的な視点を追求することに美しさを見出しました。

このモンドリアンの技術は新造形主義と呼ばれ『デ・スタイル』を創刊し、そのメンバーとして活動していました(後に脱退してしまいますが)。彼のスタイルは工業デザインや広告デザイン、レイアウト、タイポグラフィーなどに影響を及ぼし、大きなムーブメントを呼びます。それはファッション界にも波及し、イブ・サン・ローランは1965年にモンドリアンルックを発表しています。実際に私はサンローランのこのワンピースからモンドリアンの名前を知りました。

ちなみにサンローランのワンピース以外にも、多くのファッションデザインやプロダクトデザイン、インテリアデザインがモンドリアン柄にインスピレーションを得た作品を発表しています。

『モンドリアンルック』
1965年

モンドリアンの時代から100年近く経とうとしています。現在私たちがよく目にする装飾を排除したシンプルで機能的なデザインも、このモンドリアンが草分け的存在になったと考えると、表現力はもちろん時代を読み取る才能を感じざるおえません。


私は現代アートやデザインが大好きなので、自分が好きなものを通してコンチを表現したいと思い、約1年前からコラージュやオリジナルデザインなどをちびちびと作成していました。しかし最近はYouTuberコンチを通してアートやデザインを身近に感じて欲しいとも思うようになってきました。

アート・デザイン⇔コンチ

結局自分の核となるものは変わらないんだなと感じています。自分の好きなものはバラバラに点在するのではなくて、1つに集約していくのだと今とても実感しています。きっと私の中では”そこ”に収束している最中なのでしょう。

両者の良さを広めて興味を持ってくれる人が少しでも増えたら、私のこの個人的な活動は大成功だと考えています。今回のコンチワートもそんな想いを込めて作りました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。心より感謝します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?