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シカク運営振り返り記 第25回 Bとの結婚(たけしげみゆき)

 2015年6月、私と初代店長Bは結婚した。

 と書いた今、この連載を毎回楽しみにしてますと声をかけてくれたことのある10人くらいの人たちが「いや結婚したんかい!!!」とずっこけているところが想像できる。結婚、しちゃったんです……。

 今はBから離れて2年ほど経ち、かつての生活を振り返ることができるようになったし、モラハラ加害者だったBのヤバさも認識できている。だけど当時の私は自己肯定感が低すぎて、自分は生ゴミに命が宿ったぐらいの存在で、そんな自分と付き合ってくれるBは唯一無二のありがた~い存在だと思っていた。だからどんなに人格を否定されても生活を制限されても別れる選択肢はなかったし、Bが病気で仕事ができなくても「私が支え続けるから無問題!」とある意味ポジティブに割り切っていた。(当時の暮らしぶりについては第18回を参照のこと)
 そして特にきっかけがないから籍を入れていなかったが、何かきっかけがあれば結婚したらええわいなと思いながら暮らしていた。

 そんなある日、私の親戚のおじさんが病気で倒れ、奇跡的に一命は取り留めたものの今後いつどうなるかわからないという状況になった。
 私は物心つく前に祖父母がみな他界しており、母方の祖父母(母にとっての両親)に至っては母が幼少の頃に事故で亡くなっている。そんな私たち一家に大変よくしてくれたおじさん夫婦は、母にとっては親代わり、私にとっては祖父母代わりのような存在だった。だからおじさんにもしものことがある前に花嫁姿を見せたくなり、まあこのままきっかけもなくボンヤリ同棲を続けるのもアレだしこのタイミングに結婚でもしときますか、と考えたのだ。

 ところがその事情を話してみると、Bは結婚に消極的だった。
 私からすると既に同棲して店までやってるんだから、今更籍を入れても入れなくても同じ、だったら入れたっていいじゃんという気持ちだったが、Bは入れても入れなくても同じなら入れなくていいじゃんという意見だった。このあたりの感覚は男女差もあるかもしれないし、Bからすると赤の他人であるおじさんが死にかけようが「知らんがな」という気持ちもあったかもしれない。そしてその気持ちはわからないでもない。

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