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2024/02/26 思い出して少し泣いた
対面での打ち合わせには、目の前に人がいる。当たり前のことなんだが、すっかり当たり前ではなくなっているぐらいには、ほとんどがオンラインでの打ち合わせの日々を生きている。きょうは珍しくオフィスに招かれたので青山一丁目に向かった。
対面での打ち合わせは、目の前に人がいる。ディスプレイの中の切り取られた枠のなかではなく、表情の変化にラグもなく、つまり、会話のラリーの解像度が違う。そんなことを思いながら、久々の環境にすこしテンションがあがったのか、わりと張り切って商談してしまった。わたしは張り切ると、すこし声が高くなり、とても早口になる。あと、アイスブレイクのときに絶妙な冗談をいって、すこしスベる。
「いろいろ可能性があるのはわかったのですが、いったん持ち帰ります」と先方の社長からのコメントをもって、オフィスを離れた。決定的にやっちまった、とはまではいかないが、彼の表情は思い出す限りやや引いていた。というか「なんかちょっとノリが違うな」っていう雰囲気ではあった。つまり、ほどほどにはやっちまったわけである。
まあ、こればかりは場数である。
脳内反省会をしながら、青山一丁目の「いわしや」でうどんを啜り、外苑あたりを歩く。冬と春の、ちょうど真ん中みたいな昼下がりで、うれしくなった。この季節がいちばん好きかもしれない。別れと出会い、みたいな。ベタすぎるけれど。
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さて、退職と起業のことをいろんな方に喧伝して回っているのだけれど、思いがけない言葉をかけてもらって、思い出してすこし泣きそうになったりする。
「じゃあ、いますぐ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(いま所属している企業)と△△さん(わたしの名前)の業務委託契約しないとね」
「AWSエンジニアが必要なときは、声かけてください」
「なんかいっしょにつくろうよ、成果報酬でいいからさ」
「まあ、会社に入ってない方がいろいろ身軽そうだよね」
「ロゴならつくりますよ、お金はいらないんで、わたしのこと宣伝してください」
「別に会社にいながらでも、起業準備できるじゃん。勇み足じゃね?」
「実はわたしもこんなことを考えていて、いっしょにできることないですかね?」
「そっち側にいくんだったら、もう帰ってきちゃダメですよ」
こんなに熱をもった言葉をもらうなんて、想像していなかったのである。自分のなかに住む加藤浩次が「こんな状況、当たり前じゃねえからな」と叫ぶ。わたしはこれから、この言葉たちに報いることができるのだろうか。まあ、やるしかないんだけど。
思い出してすこし泣きそうになったし、なんなら少し泣いた。
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