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妥協なき姿勢は本来必要のない原稿から学んだ。

妥協なき姿勢って、それを持つ人から伝染するものだと思っています。見せつけられることで、「妥協なき」の具体的な基準値を知るというか。

僕の場合、なさすぎて呆れるほど妥協なき姿勢を示してくれたのは、社会人になって最初の上司、Iさん。

当時、出版関係の制作会社にいて、Iさんのもとフリーペーパーなど企業案件の獲得を狙う部署にいました。プレゼン、プレゼン、プレゼン、隙あらばプレゼンの連続。

ちなみに他には、エンタメ雑誌の制作を請け負っている部隊、書籍制作がメインの部隊、女性誌関係を手がけている部隊などがあり、さまざまなスペシャリストがいました。

本当はエンタメ系をやりたかったのだけれど、Iさんは社内でも3本の指に入るプランナーということで、仕事の姿勢を本当に尊敬していました。

自分の原型みたいなものがあるとすれば、ほとんどこの人が形成してくれたようなものです。

話を戻します。プレゼンって何をするのかというと、クライアントさんから与えられたお題に沿って、企画書と「カンプ」と呼ばれるサンプルを作るんです。フリーペーパーの場合、本物に近い冊子のサンプルを作ります。

たった1週間やそこらの短期間で。

この企画ならこんなコンセプトで、こんな企画・コーナーがあって、コラムの想定人選はこうで、どんなビジュアルで…などなど、サンプルといってもいっさい手を抜きません。

特に、我が上司・Iさんは…! 他部署のプレゼンスタッフもしたことがあるけれど、妥協なき姿勢がずば抜けていました。

あくまでサンプルなので、冊子のビジュアル(写真)はフリー素材を拾ってきます。この素材探し1枚だけで、一晩かけるなんてザラでした。

ダメ。この企画の意図と違う。
人物の角度がイマイチ。
なんちゃらかんちゃら。

まじで、明るくなるまで探させられました。空が白けてくると、もう頭なんて働いていません(笑)。それでもOKは出ません。

この男はなぜここまで、鬼のような執念を持てるのか? 不思議に思うことしばしばでした。

「神は細部に宿る」といいますが、極め付けは、サンプルに本来なら必要のない原稿をみっちり入れること。

あくまで「こんなイメージですよ〜」と伝えることが冊子サンプルの役割なので、せいぜい見出しの文字が入っていればいいんです。普通なら。

他部署も他社のプレゼンでも、そうでした。決して手を抜いているわけじゃない。ただ、あくまでイメージなのだから、原稿まではいらないでしょう? という理由です。

しかし妥協なきIさん。すべてとはいわないまでも、原稿があった方が“より”イメージが伝わるものは、必ず入れる。合格基準点の120%を目指す。

そもそもサンプルなんだから完全に架空の創作原稿です。当時の未熟な僕には、何を書けばいいのか分からない。「想像しろ」とIさんはいいます。クライアントにとってどんな文章が入っていれば、発刊後の未来の姿が見えるのか、と。

お前は書くプロだろう? と。

素材1枚探すのに夜が開けるまでかけ、帰宅して2時間だけ寝てまた出社して創作原稿を作る。プレゼンの期間に入るとそんな感じ。

「なんでこんなに、大して見てもいないところまでこだわるのか?」と嫌になったこともあります。

でも今になって思えば、Iさんの持つ妥協なき姿勢・妥協なき基準値に触れていなければ、僕はずっと妥協する・しないの間にある曖昧なラインに線引きができていなかったはず。

あの頃のIさんに、今の僕が自信を持って妥協しない男として誇れるかというと、まだ微妙ですが(汗)。あの背中を見て学んだ僕は、ずっと追いかけているのだと思います。

あなたにとって、妥協なき姿勢を見せてくれたのはどんな人ですか?

どこまで追いつきましたか?

折に触れて思い出してみれば、ゆるんでいた身が引き締まることになるかもしれませんね。


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