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マチに出てムラレイヤーでマチをムラに生かす。

圧倒的情報量。

と感じたのが、先日の東京出張だ。滞在9時間。それもほぼ移動。

仕事の要件を済ませてフリーで使えた2時間〜2時間半程度で、事前に巡ろうと思っていた場所を回ってみた。(もちろん仕事に関わることでね)

千葉の海浜幕張から、東京駅。東京駅から御徒町。その後、銀座まで。

御徒町では、あるショッピングビルの地下街を訪れた。面白いものでその地下街にはなぜか「お菓子」を扱うショップばかりが入っていて、一部駄菓子屋もあったが多くが「自然派」をテーマにしていた。

お菓子ばかりというわけではないけれど、これはバッティングしないのか?

よく目を凝らしてショップを巡ってみると、自然派は自然派でも、品の良さをウリにしているところもあれば「自然の豊かさ・大地の恵みをそのままお届けする」みたいなコンセプトの場所もあって、微妙に狙いが異なるんですね。

そっか、これはこれで共存が成り立つんだ。統一的テーマのなかにある、微妙な差分を楽しむということか?

僕はかつて10年以上、東京で暮らしていたのだけれど、それだけ住んでいれば生活圏はある程度固定される。「何かを見て得よう」という感覚は、終盤にはもうなくなっていた。

だから「見て・得る」というレイヤーに切り替えて東京というマチを眺めてみれば、インプットされる情報の質が違ってくる。

ちなみに、地元・高松では目にするのに1ヶ月くらいかかりそうな人の量を、たった1日で目にした。

東京メトロ銀座線・上野広小路駅から銀座へ。以前、お隣の新橋で勤めていたけれど、たった1kmやそこらの距離なのに別世界だったから、用がなければ行かなかった場所だ。

そんな絵に描いたような“元・新橋のサラリーマン”である僕が、今度はハイブランドや最先端のショップが集まるGINZA SIXへ行く。

ウイスキーがまるで高級時計のように陳列されたお店(しかもお隣のバーで飲める)。凛とした女性コンシェルジュが流暢にワインを勧めるお店。宝石のような果物がきらめく高級スイーツのお店。

広尾発というフライドポテトの専門店だかがあって、都会的で粋なパッケージに包まれ、1袋500円という結構なお値段で商品が売られている。

僕が新橋のサラリーマン時代、菓子商社で販売していたのは100円のフライドポテトです。「この400円の差はなんだ?。そんな目線でお店のつくりやセールスメッセージ、ストーリーを見ていくとまた面白くて。

「マチに出てムラに持ち帰りムラで生かす」みたいな言葉をどこかで聞いたことがあるのだけれど(要は都会に出ていた人がその感覚を地方に持ち帰るということ)、厳密にはこれは成り立たないということが分かった。

正しくは「マチに出てムラレイヤーでマチをムラに生かす」だろう。もう何を言いたいのか分からないけど(笑)。

僕のように地方に戻った人は、「戻る」(ないし「移る」)と決めたタイミングではマチとムラのレイヤーが混ざり合っているわけだ。あまりマチの目新しさに感度が立っていない状態ですね。

けれど、またムラに自分を馴染ませてムラのレイヤーでマチを眺めれば、マチにいた頃とはまるっきり違った印象で目に映る。「マチに出る目的」も、明確にあるわけだし。

たまにはマチの情報量を、シャワーのように浴びなければいけない。

じゃあ、地方で500円のフライドポテトを売るには? そんな示唆に富んだ数時間の東京滞在。

幸いなことにマチに出る機会は増えそうなので、「ムラレイヤーでマチをムラに生かす」を実践していきたいと思う。


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