見出し画像

2,000円の自分と20万円の自分

「軌道に乗るまでまずは小さく始めてみます」

と相談者は言った。私はヤバいと思った。

おはようございます。大鹿です。

先日、起業を考えている方から相談を受けていて、終盤に「小さく始める」という話題になりました。

この言葉を聞いたとたん、ボタンの掛け違いを感じて。普段は相手を否定するようなことは言わないけれど、老婆心ながらアドバイスをした。

「始め方は小さくてもいいですが、あなたが提供するものまで小さくしてはダメですよ」

と。キョトンとした表情を見せる相談者の方。

その日の相談では「まずは無料で、仲間うちや交流のあるフォロワーさんからサービスを~」といった言葉が繰り返されるものだから、私の中に疑念が生まれました。

スモールスタートの定義を致命的に間違えているんじゃないか?

どういうことか。

SNSを見ていると「まずは手に取ってもらいやすい無料/安価なサービスで自分のことを知ってもらおう」だかなんだかとよく発信されているんですね。

相談者はそういった情報の表層の部分しか見ていませんでした。つまり「無料/安価なサービスを作ればいい」という技術的な部分だけを。

もう数えきれないほど同じような相談に乗ってきたから言えることだけど、この言葉に惑わされると本当にヤバい。

9割以上の人が無料/安価にふさわしいサービスを作ってしまう。

でもさ、よくよく考えれば分かるんだけど、無料のために作られた無料のサービスって欲しいか? ってことなんですよね。

反対のことを考えれば分かりやすいと思う。

100円ショップのダイソーの商品を思い浮かべてみれば分かると思うんだけど、ダイソーの商品って「これが100円?」と驚かせる仕掛けや機能があるからつい買っちゃうんだよね。

ダイソーのもの作りに関わる人は100円で分相応なものを作ろうと思って商売をしていない。1,000円、2,000円の価値を本気で100円に込めようとしている。

相談者の話に戻すと、この方には8か月後までに20万円を稼がなければいけないという事情がありました。

20万円を稼ぐって本当に大変です。私も手痛い経験ばかりしているから言えたんだけど、無料のための無料サービスを延々と提供し続けても20万円どころか1万円にも届かない。

なおも「無料で集客をして次に2,000円のサービスを~」という話になるもんだから、

「2,000円で20万円稼ぐには月に何人集めることになりますか? めっちゃ大変ですけど」

と、これも余計なお世話かと思ったけどアドバイスを。でも、相談者もだんだん分かってきていましたね。

つまり、20万円分の価値があるサービスがキャンペーンで特別に2,000円になっている、というつもりでやらないと誰も欲しがらない。

そのためには20万円のマインドセットも20万円分の身だしなみも必要…なんだけど、まずは20万円分のサービス価値を掘り下げないといけない。

自信を持って「これは20万円の価値がある」と言えるのか?

私自身も自分の価値を安売りしたあげく「収入が上がらない」と困ってきたものだから、伝えたかったんですよね。

私も無料ための無料をたたき売りしてきた。でも、ぜんぜんうまく行かなかった。

苦労して苦労して分かったのは、技術ウンヌンの前に「知る」ことが大事だということ。

自信を持って伝えられる自分の価値とは何か?
どういうものなら欲しがってもらえるのか? 相手の価値になるのか?
価値を感じてもらうためにどういう立ち居振る舞いをすればいいのか?

この辺のことは自分1人で見つけるのは難しいかもしれないから、人の手を借りるといいです。正確だし、なにより早いから。迷わなくていい。

別に私を推しているわけではなくて、客観的にあなたのことを見てくれる人だったらいいと思います。自分のことほど自分には分からないものだから。

ちなみに2,000円を20万円にするといった、目標を10~100倍に膨らませる考え方は思考の枠を取っ払うのにオススメです。

前例や思い込みを破壊して物事の本質を考えるときにすごく向いている。迷い事があるときにぜひ自分に問いかけてみてもらいたいです。


<関連リンクリスト>
最初に読むのはこの記事「価値という言葉を言語化できる?」
価値創造マガジン『付加価値の魔導書』
ビジネスコーチングのご相談はこちら
全国10支店・20名以上の専門家でマーケティング支援「ISY」
地元FM番組をポッドキャスト化『かがわコミックラジオ』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?