【クックパッド-サマーインターンシップ】参加して学んだこと
こんにちは。夏休み前半皆様いかがお過ごしですか?
今年Cookpad Summer Internship 2021の3 Day Product Design コースに参加させていただきました。クックパッド様と言えば、皆さんご存知レシピ検索アプリ、クックパッド。私も毎回料理の際は助けられております🍽
自身が利用しているサービスの開発側を知ることができるというのはまたとない機会で、学びのある三日間でした。
今後自身がプロダクト開発で躓いた時の助けになるよう、今回はこの三日間で学んだことを記述したいと思います。今回は6000字弱のnoteということで長いです!が!よろしければ最後までお楽しみください〜👋
こちらに記述しておりますのはあくまでも私個人の考え・感想です。御理解の方よろしくお願いいたします。
概要
まずは簡単にこのインターンシップの目的と三日間の流れについてお伝えします。
【Cookpad Summer Internship 2021|3 Day Product Design コース】
Cookpad Summer Internship 2021では、 実践で求められる高い技術力/デザイン力とサービス開発ノウハウについて、最前線で活躍する社員が講義を行い、後半でそれを実践に落とし込みます。(特設サイトより引用)
このように三日間で現場デザイナーが実際に行っているデザインプロセスを体験します。今回12名の学生が参加しました。
🥚1日目
1日目が始まりました。オンラインではあるものの緊張で変な汗が出ていました💦
🥚1日目のアジェンダ
午前
・企業説明
・レクチャー(サービスデザイン開発とは)
午後
・ミニレクチャー(ユーザーインタビューのすすめ)
・ユーザーインタビュー に挑戦!
・価値仮説を立ててみよう
・いざプロトタイプ作成へ!
私たちインターン生は講義編と実践編の二つを行い、クックパッドの開発ノウハウを学ぶだけでなく実際に手を動かして実践力を身につけます。
そしてこのインターンシップでは三つの目標が掲げられています。
述語には「つくる」「取り組む」「考える」などが入りそうですね。あらゆる物事に対してこのように行動できるよう三日間頑張りましょう。
実践編では学生にテーマが与えられます。
実践編のテーマ
ひとり暮らしの人が毎日料理したくなるスマホアプリ
講義を受けつつ実践で理解を深めていきます。また、実践編のテーマでは最も優れたアプリを考えた学生に優秀賞が与えられます。(軽いコンペのようですね)以下は参加者に公開された審査ポイントです。
審査ポイント
・完成度の高いものである(体験設計・UIデザイン)
・利用シーンがありありと浮かぶ(サービスのヒットは狙っていなくて良い)
・プロダクトができるまでの過程
さて続いては講義の時間です。講師のデザイナーさんより講義が行われました。わかりやすくまとめられた資料を見ながら学生は理解を深めていきます。
今回のnoteでは講義内容の中から印象に残ったことや個人的に大事だと思ったことを載せます。
サービスデザイン開発 (講義)
【サービス開発=他人へのプレゼント🎁】
この言葉は実際に講義で出てきた言葉だったのですが、開発のイメージを一言で表すのにぴったりだと思いました。
ユーザーの属性やインタビューの情報をそのまま受け取るのではなく、そこに隠れている無意識の情報やインサイト、ユーザーの気持ちの背景を探ることでユーザーが本当に求めていることが何なのか発見することができます。
ユーザーインタビュー (講義・実践)
初めての実践はユーザーインタビュー。4人で1組になり予め用意された質問シートに沿って1人のユーザーさんにインタビューをします。私はメインインタビュアーを担当しました。
【ユーザーインタビューでは過去について聞いてみよう】
ついついインタビューにて「普段は〜」とか「いつも〜」と言う言葉を使いがちですが、実は大きな落とし穴だったことを知りました。
「日常」こそ抽象的な言葉でユーザーが無意識下にいる時間。「普段」や「いつも」のような大雑把な言葉を使った質問はユーザーにとって答えるのが難しいのだそうです。確かに「最近どう?」って聞かれると答える内容に困ってしまう…🤭
インタビュー本番では「今日は」「今朝は」のような限定的な言葉に置き換えることを意識しました。インタビューがスムーズになりユーザーも話しやすくなることを実感しました。
【自分と異なる環境の人のことをどこまで理解できるか】
第一の壁がやってきました。普段自主制作でアプリを考えるときはどうしても身近な人をターゲットにしたサービスをつくりがちです。なので自分と異なる環境の方にインタビューする際、回答してくださったことに対しての理解が遅れてしまいました。頭の中は「何を質問したらいいんだ…」と若干混乱。他の学生さんが追加で質問しているときに頭をフル回転してまだ質問していないことや気になることを考えていました。
【インタビューは会話】
そもそもユーザーインタビューをする意味はユーザーの属性からはわからない、ユーザーの行動や気持ちの背景を探ること。したがってユーザーが気楽に話しやすい環境を作ることが大切なのです。一聞本題から離れた回答を得たとしても、そのユーザーの生活環境や思考、無意識の癖など得られる情報はたくさんあります。「なぜ?」を意識した会話をしているつもりで話すと良いそうです。
価値仮説設定 (講義・実践)
ユーザーインタビューから得たユーザーと料理との関係を整理し、今回の実践編テーマに合うユーザー・欲求・課題を考えます。
【価値仮説設定が意外と難しい😣】
第二の壁が。三日間の中で最も頭を悩ませた部分になります。価値仮説シート作成です。これはサービスを考える上で肝となる部分です。サービスの内容をサービスを知らない人に伝えるためのシートとなっています。記載する部分は少ないのですが、言葉の選び方が重要になります。サービスの説明にならないように記載をし筋の通った価値仮説になるようにします。最初に記入した時はしっくりこなくてしばらく手が止まってしまいました。
価値仮説を書いたら…
・サービスを一言で説明できるか?
・ユーザーの利用シーンが具体的に思い浮かぶか?
を考えてみよう
メンターさんからこの二つのアドバイスを頂き、シートを見直して自分の納得が行くまでアイデアを考えました。価値仮説シートはアイデアが詰まってしまった時の回帰ポイントにもなります。
プロトタイプ作成
ここからはひたすらプロトタイプの作成に勤しみました。ユーザーストーリを考えどんな画面が必要か書き出しながら何パターンかの画面を作り試行錯誤しました。
🐣2日目の学び
2日目のメインイベントは何といってもユーザーテスト。ユーザーさんが自分の意図した通りに操作してくれるのか、また、画面を見でどう思ったのか気になるところ…!
🐣2日目のアジェンダ
午前
・ミニレクチャー(ユーザーテストの仕方)
・プロトタイプ作成
午後
・ユーザーテスト実践
・メンターさんに相談
・プロトタイプ作成
・人事面談
ラッキーなことに運営スタッフさんの手が空いていたのでユーザーテストをお願いし、本番と合わせて2人の方にユーザーテストをしていただくことができました。
【もしかして自分のプロトタイプ、穴だらけなのでは!?】
昨日に引き続きプロトタイプを作成し続け、大枠ができた頃。少しづつ形になってきたことに安堵しながらユーザーテストに挑みました。が、正直ツッコミ要素の多さに白目を向きそうになりました。(頭の中では既になっていた)
明確な意図を持ったデザインが求められていると感じました。ユーザーテストの後、これはサービスの根本から見直す必要があると考え、頂いたフィードバックをまとめて改善する画面の優先度を決めました。作り手の思い込みだけで完成しないように、ユーザーテストの実施はサービス作りで要になることがわかりました。
ユーザーテスト (講義・実践)
【ユーザーテストで分かった課題】
ユーザーテストから以下の課題が見つかりました。
・価値仮説の見直し
・画面で使われている言葉、言い回しをユーザーに分かりやすい言葉に変える
・価値仮説とプロトタイプの内容が合致していない
・基本的なUIの規則に従う(検索欄の多さやボタンの意味)
・誘導しすぎなUI、ユーザーに意思決定があるUIを考える
まだまだ指摘されたところはたくさんありますが、主にこの5つが大きな課題かなと思いました。
プロトタイプ作成
制作を進めていましたが納得行かず。迷いに迷いましたが…今まで考えていたアイデアやプロトタイプを全て壊すことを決心。時刻は日付を跨ぎ成果発表まで12時間を切った時でした。
🐔3日目の学び
いよいよラスト日!プロトタイプ作りも大詰めを迎えます。
🐔3日目のアジェンダ
午前
・メンターさんに相談
・プロトタイプ作成大詰め
午後
・プレゼン資料作成
・成果発表
・講評
午前中はメンターさんに進捗報告をしアドバイスをもらいました。メンターさんに励まされながら完成へと手を動かします。
成果発表
ついに成果発表の時間。デザインに関わるマネージャーさん3名が審査員を務めてくださいました。ここで再び審査ポイントを確認してみましょう。
審査ポイント
・完成度の高いものである(体験設計・UIデザイン)
・利用シーンがありありと浮かぶ(サービスのヒットは狙っていなくて良い)
・プロダクトができるまでの過程
1日目のユーザーインタビューで同じチームだった学生さん等がそれぞれ異なるアプローチでプロダクトを作成しており、面白かったです。またどの学生さんもUIが洗練されており、衝撃を受けました。同世代の学生さんがどのくらいの力を持っているのか知ることができて、より自分も頑張らないとなと思いました。
講評タイム
講評全体では審査員の皆さんは以下について注目している印象がありました。
・出来上がったプロダクトの表面的部分・ビジュアル
・継続的な利用・発展させたらどうなるのか
・ユーザーの利用シーン
その他提案されたプロダクトの主題が課題テーマになっているか、ポジティブに解決ができているのかどうかなど細部まで審査していただきました。
【発表は他者とのコミュニケーションの第一歩】
いよいよ私のターンだ…緊張しつつも発表ではアプリのコンセプトに合うようとにかく笑顔で楽しさが伝わるようにしました。皆さんが少しでも自分のサービスの世界観に入ってくれることを願いながらプレゼンをしました。
こちらから発表の資料を見ることができます。(新規タブが開きます)
私の課題
全員の発表後、優秀賞のプロダクトが2つ発表されました。残念ながら私は届かずに終わってしまいましたが、優秀賞のプロダクトには以下の共通点がありました。
・事前に公開された評価ポイントを満たしていた
・価値仮説が誰がみても理解できる内容であった
・新規性
・ユーザーの心に働きかけるプロダクトであった
また、審査員の方からいただいたフィードバックを含め今回の私の成果は以下のような結果でした
良かった点
・人に伝わる発表であった
・使い続けることを想定したプロダクトであった
・総合的なクオリティは高い印象だった
惜しかった点
・プロダクト制作の過程がわからなかった
・価値仮説に違和感があった
・既存サービスの組み合わせの印象があった(新規性が弱い)
・コンセプトがぼやけていた
今回はデザイナーに対する発表であったため、筋の通った価値仮説とデザインの過程は押さえておきたいポイントでした。一見クオリティの高いプロダクトであっても何のためのプロダクトなのか、それをユーザーが使うことでどうなるのかが伝わっていなければ良いプロダクトとは言い切れないということです。一般ユーザーの視点でプロダクトを見るのとデザイナーの視点でプロダクトを見るのではまた少し変わってくることがわかりました。
コンセプトが明確になれば自然とプロダクトに顔ができてくる
以前大学で教授から教えられた言葉です。当時は「何を言っているんだ?」となっていましたが(教授さんごめんなさい😅)今回のインターンシップでその答えを知りました。よく「デザインを考えたけれどいまいちパッとしない」といった悩みがあると思いますが、その原因の一つがこれなのかなと。
三日間を通して
【ミッションコンプリート🔥】
と言っても主観なので根拠はないですが…😅そのくらい三日間よく頑張った!!!!!さて最後に、このインターンシップの当初の目的であった三つの目標は達成できたのでしょうか?
デザイン的に良いと思えるプロダクトが作れなかったのが惜しいですが、総合的に達成したといったところでしょうか。(自分に甘い🍭)
【ユーザーに寄り添うって?】
「ユーザーに寄り添う」ってデザインする上で大切なことだと思うのですが少し抽象的な言葉ですよね。講評の中でデザイナーさんがおっしゃていた言葉が印象的だったので記載させていただきます。
多くのユーザーから要望があってもいずれ使われなくなる機能もある。だからあえてその機能をつけないようにしている。
最初、「え?ユーザーが必要だと言っているのに?」と思ってしまったのですが、そこにはプロのデザイナーだからこそわかるユーザーの未来の行動が関係していました。ユーザーが欲しいと思った機能をもし搭載したら本当に使ってくれるのか、利用シーンとユーザーの行動を考え長期的にみたときに必要でなくなると判断しているのです。一時的な需要の声ではなく長期的に真の需要に答えるためデザイナーは日々ユーザーインタビューやユーザーテストを行なっているそうです。これがいわゆる「本質的価値を発見し最適な形でユーザーに届ける」デザイナーの役割なのかなと思いました。
【クックパッドのデザイナーは未来を見ている】
世の中にはたくさんの事業会社がありますが、それぞれの会社が考える「良いデザイン」は異なります。今回クックパッドのデザイナーさんとお話をさせていただき、クックパッドでは「良いデザイン」とは一つの事業に対して長い目で見たときに課題を達成できるか、価値を提供できるかどうかが一つの判断基準になっていると伺いました。長期で考えるということはそれだけ結果が出るのも遅くなり地道な研究と開発の繰り返しになるということです。結果がすぐに出ないのはもどかしいですが、その分長く人に愛されるプロダクトが生まれた時の喜びは大きいのではないのでしょうか。「食」という、人とは切っても切り離せないものをテーマに扱っている会社だからこそ、ユーザーが無意識で抱えている課題に真摯に向き合うことが求められているのかなと思いました。わずか三日間、されど三日間。こうしてプロダクトへの向き合い方だけでなくデザイナーさんの本音?やデザインに向ける熱を知ることができたのは大きな学びとなりました。
三日間、運営チームやメンターさん、審査員の方などサマーインターンシップに携わってくださった全ての皆様本当にありがとうございました。
最後にクックパッドのデザイナーさんが本インターンシップについてnoteを綴っておりますのでそちらも掲載させていただきます。(許可は頂いております)
それでは〜🙋♀️
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