【詩・ポエム】『焚き木の一生』

『焚き木の一生』

はじめはなかなか火がつかない
周りの炎にあたためられて
だんだんだんだん熱くなる

そのうち中まであたたまる
いらない水気が蒸気となって
しゅんしゅんしゅんしゅんあふれ出す

いきなりぼっと火がついた
みるみるうちに広がって
メラメラメラメラ燃えていく

熱は周りに伝わっていく
炎は大きくなっていき
どんどんどんどん燃え盛る

やがて形は崩れ出す
熾火となって役立ちながら
チロチロチロチロ燃え続ける

そして最後は灰となった
周りの熱さを味わいながら
フワフワフワフワ風にのる

~詩人ぐらし~

【解説】
なかなか煮えきらずくすぶり続けている自分を励ます意味を込めて作った詩。少し湿気が残った自分が徐々に温められ、水気が抜けていく感覚を感じつつ、近い将来来る発火の瞬間を待ち望んでいる。
湿気た木に火をつけるのはなかなか時間がかかるものなのだが。

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