大学受験、「志望理由書」の攻略MAPと考え方
非常勤講師として大学生に中国語を教えながら、個別指導塾の講師として高校生に小論文や志望理由書の書き方を教えています。
前回、前々回と、非常勤講師としての立場から、教科書を出版したい!というお話をお届けいたしました。
今日は、小論文の先生としての立場から、お送りさせてください。
「志望理由書」の攻略法
のっけから役に立ちそうな話。
僕は昨年度まで私立大学の専任教員で、入試業務も勤めていたので、採点者側の勘所がなんとなくわかります。
まず「志望理由書」を書くにあたって、考えなければならないのは、以下3点。
・受験する大学は、どういう大学なのか
・自分は、どういう経験をもち、何をしてきたのか
・自分は、どういう目標を目指し、何がしたいのか
具体的に、いまとある高校生の指導で使っている図解で説明すると、こんな感じ(その子、APU志望です)。
この3つの整合性が取れているか、というところが大きなポイントです。
それぞれ、ちょっとずつ解説します。
一つ目、大学が公表している情報は、できる限り目を通しましょう。
私立大学ならば「建学の精神」や、特別に掲げているビジョン、アドミッションポリシー(入学者の受け入れ方針)、カリキュラムはみておきましょう。
実は、アドミッションポリシー(AP)はカリキュラムポリシー(CP)、ディプロマポリシー(DP)とセットになって作成されている文書なので、それらの繋がりにも目を通しておくと、AP単独で見るよりも、その位置づけがよくわかります。
大学が出している情報なんて、難しくてよくわからないよーという方、大丈夫です。わかりやすく図解したりして解説してくれる人を探せば大丈夫です。
二つ目、自分の経験については、自分史を書いて振り返ってみましょう。
なんだかんだ、頭の中でぼんやり考えているよりも、言葉にして紙に書き出していく方が、はっきりと認識できます。
無心になって書き出してみてから、字面を目で追うと、なんとなく繋がりが線になって見えてくることがあります。
進学指導の先生など第三者にみてもらうと、より効果があると思います。
(注意点としては、なんでも受容してくれる人や、些細なことでも褒めてくれる、プラスを探すのが上手な人にみてもらうと、より良いです)
三つ目、自分の将来については…何と言っても、高校生の段階で定まっている人は少ないです。
だからこそ、ここをしっかり定めて、軸がブレない高校生になれたら、希少価値が高いです。
おすすめとしては、10年後の自分が何をしているか、どのように社会と接続されているか、誰をサポート・応援する人になっているのか…といったことをいくつか思い浮かべてみて、その中から一つを選び、現在から10年後へと向かう「未来史」を書いてみるという方法。
(ちょっと何をいってるのかわからないという人、大丈夫です。世の中は広いので、きっとどこかにサポートしてくれる人が必ずいます。)
簡略化してみるとこんな感じになる
まだ、なんだか難しそうというイメージが抜けないかもしれません。
こんな風にしてみたらどうでしょう。
ビジネス界隈では結構有名な3つの円が登場しました。
・できること(can)
・したいこと(will)
・求められていること(must)
そこだけ取り出したらこれです。
この3つの円が重なるところを上手に見つけてあげれば良いわけですね。
軸を作る上でもっとも重要なのは、「したいこと(will)」です。
自分の意志によって作られるものだから、大学側もそれを知りたい。
しかしながら、何が辛いって、「したいこと」だけを考えていても、なんだかピントが合わないというか、どこにピントを合わせれば良いのかわからなくなりがち。
そこで、まずは「できること」をはっきり定めてあげるのが良いと思います。
上でも述べたように、「自分史」を振り返ってみて、複数の点が繋がって線になりそうな組み合わせを見つけてあげる。
そして大事なのは
\ 僕の、私の能力は「〇〇」です! /
と言い切ってしまうこと。
そうしてアイデンティティの軸を太くしてあげつつ、いく通りかの「未来史」から、自分がもっとも「したいこと」を1つ選ぶ。
で、それが大学から「求められていること」と矛盾しなければ、それがアナタの生きる道。
健闘を祈ります。
今回は、志望理由書の攻略法にも触れましたが、本当に伝えたいのは…
\ 個性のない子なんていないよ /
です。
迷った時は、相談できる人を探してみてください。
(小論文・志望理由書の授業はZoomで行なっているので、どこからでも受講していただけます。)
サポートは、すべて教科書の制作に使わせていただきます。