見出し画像

お菓子よりも君と話がしたかった

職場の人と趣味の話になり、私が読書が趣味だと言うと、おすすめの本があれば貸してほしいと言われました。

その人は、普段あまり本を読まないけど知っている人のおすすめなら読んでみたい、とのことでした。
ただ、もしかしたら読み切れないかもしれない…と、不安げな様子でもありました。

私は、いいですよ、好みに合わなければ無理に全部読まなくても大丈夫ですから、と返事をして、帰宅後さっそく本を選ぶことに。

あれこれ悩んだ末、まずは読みやすい短編小説とイラスト多めのエッセイ本がいいかなと思い、あまりたくさん貸してプレッシャーになってもいけないので2冊に絞って翌日職場に持って行きました。

本を渡すと、わぁ嬉しい、ありがとう!今週末にさっそく読んでみるねと喜んでもらえて、私も嬉しい気持ちになりました。
何度も読んでいる本なので急がなくて大丈夫ですよと伝えながらも、心の中では早く本の感想を聞きたくてウズウズしていました。

そして翌週、全部読んだよ!ありがとう!これ、ほんの気持ち、との言葉と共に、貸していた本と焼き菓子を手渡されました。
気遣いに感謝を伝え、本はどうでしたか?と尋ねると、うん、よかった!の一言のみ。
そして、また別の本を貸してほしいと言われたのです。

あまりに感想が簡潔だったことに少し落胆しつつ、もしかしたら好みに合わなかったのかもしれないと思い、今度は前回と異なる雰囲気の短編小説とSF小説を選びました。

そして数日後、前回と同じく貸していた本と共に焼き菓子を手渡され、今回のも面白くて一気に読んだ!と言われました。

私はお菓子のお礼を伝え、本の感想が聞きたかったので、どの辺りが面白かったですか?とか、○○のシーン感動しませんでしたか?とか、いろいろ聞いてみました。
しかし返ってきたのは、うーん全部!とか、したした!とか、そんな感じの答えでした。
そして、もうしばらく本はいいかな!と一言。
当然それ以上会話が広がることはなく、私ももう何も尋ねようとしませんでした。

何でしょうね、このガッカリ感。
別に無理に面白かったって言わなくても、借りたけど読む気がなくなったとか、ちょっと読んでみたけどあんまり好きじゃなかったとか、何でもいいからせめて正直に言ってくれればよかったのに。

いや、もしかしたら本当に全部読んだのかもしれないし、感想も本当のことなのかもしれませんよ?
だけどこれでは相手が何を考えているのかさっぱり分からんので、こちらもお手上げなわけです。

そんな感じで、今回の本を通じて職場の人と距離を縮めよう作戦(?)は失敗に終わりました。
また別の機会があれば、今度は相手の好みをしっかりリサーチするところからリベンジしたいと思います。

…いや、やっぱりもうしばらくいいかな(泣)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?