13年分の思い出との別れ
何か大きな節目となる日を忘れないでおこうと思っていても、いつか思い出す事もなく1日を終えてしまう日は必ず来る。それに怯えていたら何も手につかず、自分を見失ってしまうから気楽に過ごしたいと思っている。それでも忘れていくことは怖いものだ。大切なものほど失いたくない。
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学生時代に約束をした「何があっても友達としてそばに居続ける」。その言葉がお互いを強く縛りすぎてしまっていたのかもしれない。楽な関係が心地良く気があい、だから友で居続けたいと提案・賛成しあって成り立っていた関係は、どちらかが手綱を緩めれば壊れていくことは目に見えていた。
私は友のことを知っているようで何も知らなかった。友の気持ちを知り、受け止める事が出来ない私なのに、手を離しきれない中途半端な私の一面を知ってしまい自分が憎い。
二人で笑っていた日々が嘘かのように感じてしまう。酔っ払いながら肩を組んで歩いた帰り道や、途中でアイスを買うために必ず立ち寄るコンビニ、苦しい日に励ましてくれた手や、昔の二人の制服姿、教室ではいつも隣の席だった。
この約13年間の思い出がなくなってしまいそうで、怖い。
人は思い通りにならない。分かっているけれど幕が閉じるのは唐突すぎて。いや、その宣告をされていたとしても、結局は今と同じように唐突と感じ、悲しくなりふと、孤独を思い知るのだろう。
本当に大切にしたい人ほど、するりと手元から落ちてしまう。大切だから大切にしていたのに、やりきれない思いだ。
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