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子どもの興味をのばそうとしたら、苦手な虫を5匹も飼うことになりました

虫は好きですか?
わたしは苦手です。

正確にいうと、子どもの頃は平気だったのですが、大人になる過程で彼らとの接点が減っていき、気がついたら「苦手なもの」の代表選手になっていた、という感じです。

どのくらい苦手なのかというと、家の中で小さなクモを一匹でも見つけたら大騒ぎ。息子が赤ちゃん時代、ベビーカーにくっついて大きめなクモが家に入ってきたときは大絶叫し、急いで業者を調べてクモ一匹捕獲してもらうのに8000円を支払ったこともあります。

そんなわたしの家には、いま5匹の虫がいます。

たまたまいる訳ではありません。飼っているのです。

エサを与え、育てているのです

子育てって本当に予期せぬことが起こります。でもそれは、言い換えれば自分の世界が広がっているともいえる。(広げたいかどうかは別として)

ということで、今日は子育てしてたら虫を5匹飼育することになった話について書いてみようと思います。

子どもの「すき」を育てたい、という親ごころ

わたしは、自分の子どもに「すき」や「得意」を見つけて楽しく人生を行きていけるようになってほしいと思っています。

そのために、子どもが持っている好奇心の芽をつぶさないようにし、興味を持ったことを一緒に調べたり、深めたりすることを大切にしています。

少し前までは、息子は恐竜にハマっていて、図鑑を買ってみたり、各地の恐竜パークや博物館などに出向いて恐竜について色んな学びを深めていました。息子と一緒に恐竜かるたをやりまくったおかげで、わたしもなかなかの恐竜通…と思い始めていた矢先です。

移り変わる興味

春が来ました。花が咲き始めて、虫も沢山でてきます。毎年春になると、虫に興味がわく息子。去年までは「ちょうちょつかまえたい」といって公園で網を振り回してみたりして、かわいいな~と思っていました。

しかし、今年はひと味ちがいました。「飼いたい」と言い始めたのです。

道ばたで虫を捕まえては「これ、おうちに持ってかえってもいい?」と聞いてくる息子。「虫さんのおうちはここだから、戻してあげたら?」というわたし。どうしても虫を飼いたい息子と、飼いたくないわたしの攻防戦が始まりました。

きっかけは七夕の願いごと

息子の通う保育園では、七夕の短冊に好きな願い事を書いて飾るということをしていました。他の子が「好きなユーチューバーに会えますように」とか「おやつ沢山食べれますように」とか書いているなか、息子が書いた内容が

「おうちでたくさんむしをかえますように」でした。

保育園の先生方からも「本当に虫すきですよね~!」と言われる日々。むむむ…そんなに好きなら、一匹くらい、飼ってあげてもいいのかな。せっかく飼うなら、一番すきな虫がいいよね。ということで、息子のいちばんすきな「カブトムシ」を捕まえにいくことに。

苦労して手に入れたカブトムシ、あっさり増えたヘラクレス

カブトムシはペットショップにも売ってるけど、どうせならちゃんと苦労して(?)自分で捕まえる経験をしてほしい。その中で、自然への理解も深めてほしい。

そんな想いで、調べて調べて、なんとか近所(といってもバスで30分くらいかかる場所)でカブトムシがいそうなところを見つけ出し、夫を巻き込んで昼間に下見もして、夜8時半に家族でいざ出陣。

昼間はちょうちょやハチ、カナブンなどで溢れていた樹液のでる木は、なんと夜はゴキブリだらけという衝撃の世界が広がっていました。鳥肌をおさえながらも、必死でゴキブリの群れの中からカブトムシを探す。。。クワガタいた!!!でもカブトムシはいない…探しても探しても、見つからない。

心が折れそうになっていたとき、同じようにカブトムシ探しをしていた別家族の小学生ぐらいの男の子が「おれ2匹捕まえたから、あげる」といって息子にいっぴき、譲ってくれました。なんてできた子なんだ…!と夫とふたりで感動しながら、ありがたく受け取って、息子はカブトムシの入った虫かごを抱きしめながら、帰路につきました。

これで、息子も満足したはず…!!!

と思っていたら。実家に帰省したタイミングで、妹と母(ふたりとも虫いけるタイプ)と一緒に昆虫展にいき、ヘラクレスオオカブトの幼虫と成虫2匹を持って帰宅。なんでも、100円のゲームで見事1等のヘラクレスオオカブトのオス・メス(一匹3万円相当)を当ててしまったそうな…(幼虫は、幼虫堀り体験をしてゲットしたそう)

ということで、一匹ですむと思っていたのに気づいたらあっという間に家の中がカブトムシだらけに。ついでに道端にいたイモムシもなぜか飼うことになって、いま5匹の虫が家の中にいます。

子育てで広がる世界

とにかく虫をみつけたら家に持って帰りたがる息子。先日はセミの幼虫を見つけて家に持ち帰り、自宅の虫かごの中で羽化の様子を見届けました。なんとも神秘的で、おおお~!と思わず声が。(翌朝元気に空へ飛び立っていきました)

羽化したてのセミ

子どもがいなかったら、こんな経験をすることなんてきっと一生なかっただろうな。そう思うと、彼に新しい世界をたくさん見せてもらっているな、と感じます。

カブトムシが夜中に動き回ってカサカサうるさいことも、ちゃんと対策しないとコバエが湧いたりすることも、数週間ごとに土を入れ替えてお手入れする必要があることも、ぜんぶ知らなかった。

母に「なんか新しい世界みてる気分」と言ったら、「子育ての醍醐味だよね」と言われました。

たしかに、そうかも。子どもが生まれてから、初めての育児、ママ友との付き合い、児童館、保育園、子連れの遊び場。新しい経験を、たくさんたくさん、させてもらっている。

息子と一緒にいることで、人生に新しいスパイスが加わって、世界が広がっていく。これが、子育ての醍醐味なのだとしたら。

虫は相変わらず苦手だけど、もうちょっとだけ、息子の虫好きに付き合ってみてもいいかな?と、そんな気持ちになってきている今日このごろです。

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