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「どう生きるか」より「どう生き残れるか」だろおぉ! タイトル『君たちはどう生きるか』と”塔”がもたらす意味がわかる5つの視点

映画『君たちはどう生きるか』の、大叔父様が伝えたかったこと、タイトルへのアンサー、本作においてどれだけ”塔”が重要なのかを解説して、明日も仕事にイヤイヤ行こうと思います。

あらすじ

太平洋戦争末期。母を空襲で亡くし父と疎開したものの、新生活を受け入れられずにいた少年。ある日、彼は大叔父が建てたという洋館を発見し、謎のアオサギに導かれながら洋館に足を踏み入れる。

引退スルスル詐欺の宮崎駿さん、
今回もどうせ詐欺なんだろうな〜って思って行ったら、
あんなにセルフオマージュ入れてくるなんて!
行った友達が、もれなく全員「宮崎駿の集大成だったよ」って言っていて、ふーん。って思ってたけどね、
行って分かるわ。確かに「ザ 集大成&引退作!」って感じした。

宮崎駿→宮﨑駿
「﨑」の字が変わった事で、自分も生き方を考えたということが、引退スルスル詐欺に終止符を打ったということか? 詐欺してたもんな〜。
これでまた出てきたら、、まあ大歓迎だよ。

①眞人が読んでいた本について

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

さて、前置きはこの辺にして、考察をしてみようか。
そして今作は原作小説を読んでから行ったのだが、小説自体の内容は一切出てこないのね!笑
映画見てから読むべきだったかも!
お母さんからもらった本が、”君たちはどう生きるか”だったからね。
でも結構な分量あったから、半日で読んだ眞人はすごい、、自分よりうんと年下なのに、、

そしてこの本を読んでから、夏子への受け入れ方が尋常ではない!もはや違和感!
父親が妻の妹と再婚して、妊娠だなんて、、
時代背景があったとしても、、いや、尚更戦時中にそんな思考になることに嫌悪感丸出すわ。

だからお見舞いに行った時も、あんなにどうでも良さそうだった眞人に、とっても気持ち分かる!って思ってたけど、
本読んだ瞬間に、急に心配して探し始めて、自分の母親として受け入れて。
本に影響受けすぎだろ!!と思ってしまった。

それが母親から貰ったモノだろうと、「影響を受けない」っていう“生き方”も大人になる上で必要だぞ眞人!

②今にも倒れそうな”塔”が意味するものとは?

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

さて、塔の外観の話をしよう。
外から見ると今にも崩れそうな廃墟だったね。足を踏み入れただけで崩れそうな。
しかし、中は驚くほど広く、豪華絢爛で、本棚だらけで…

これこそが、 「君たちはどう生きるか」の”生きた証”だ。

上手く積めているのか分からない、ぐらぐらと不安定なところがあるが、知識や経験(本たち)があれば、不安定なところも補うことができ、
中身がしっかり詰まって、崩れることはないモノを創り上げることができる。というような解釈に至った。

③”ワラワラ”と”サギ”の関係性について

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

次に、あの異世界の話をしよう。

あそこは死後の世界だったんでしょうな。
”ワラワラ”たちが必死に産まれようとしている時に、”サギ”の軍団が食べる。それを咄嗟には止める。
しかし、後になって、瀕死の”サギ”から「これをしないとこの地獄な世界から抜け出せない。しかしいつまで終わりはない。」的なことを聞く。(はっきりとは覚えてないけど)

彼らは前世で、悪い行いをした者達で、死後の世界で苦しんでいるのだろうか。”ワラワラ”は、善人として輪廻転生できる存在であり、生まれ変わることができるのだろうか…

④ヒサコが1年間行方不明だったワケ

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

さて、最後に、私が一番テンションが上がった設定をしよう。
眞人の母親であるヒサコも少女時代に、あの塔で行方不明になっていたという話だ。

眞人の母親も眞人と同じ歳の頃、塔で行方不明となり、1年後に何ひとつ変わらぬ姿で、戻ってきたという話を老婆達から聞く。
異世界で会ったヒミが眞人の母親だとは、すぐにわかるが、

彼女こそが、1年間行方不明になった時のヒサコなのだ。

あの異世界は、過去、現在、未来と繋がっているということだ。

⑤大叔父様が伝えたかった『君たちはどう生きるか』

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

このことから考察できることがあるとすれば、
大叔父様は、別の次元の子孫を同時に集めて、選択をさせていたのだ。

「若くしてこの世を去ることになるが、それでも現世に戻るか?」

これから世界がどうなるか分からない(戦争や大災害など)が、
それでも現世を生きたいと思うか? と。

そして、「もし、そうなっても自分の塔を創りなさい」と教えた。

現世を生きること選んだ彼らの答えが、タイトル『君たちはどう生きるか』への答えなのだろう。

でもな、宮崎さん…有吉さんのラジオでリスナーさんが言ってたのはな、
「「どう生きるか」より「どう生き残れるか」だろぉぉぉお!
俺たちは手遅れ、選択肢なんてねーんだよ!」
だそうですって。

まあ今までの宮崎作品は全部、これから未来を担う存在に対して制作されたと思いますが、
未来もクソもない、明日に怯える大人達にも何か分かりやすい助言くださいませんかね?

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