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あの頃を取り戻した、新卒2年目の話。【4月・台湾編】

少し遅くなってしまったが、
社会人2年目の振り返りをしてみたいと思う。

1年目も変化が目まぐるしくあったが、2年目もあっという間に終わった。
久しぶりに日本の外に出たり、職場の人と沢山ごはんにいったり、
コロナで失われた大学4年生を取り戻すように生きた1年間。

ひとかけらに満たない記憶を頼りに。
私の物語を記していきたいと思う。

2023年春

・4月:台湾

高校の時のチームメイトと、2年ぶりの海外へ向かった。
辿り着いた先は、台湾・台北。

久しぶりの海外にも関わらず、前日までパッキングしない自分に呆れつつ、
一つだけ成長したことがあった。
それは、SIMロックを解除したことである。
もう一度言う、SIMロック解除をして台湾へ向かえたのだ。

なぜここまで強調しているかというと、チェコへ留学をした際にロック解除のことなど知らず海を越えてしまい、約半年Wi-Fiを求めて日々生活をしていたからだ。

こんな些細な変化が自分が少しだけ成長したような気がして嬉しかった。
改めて振り返ると、とんでもなく間抜けだが。

台湾は、鼻の奥をつつくような独特な香りが印象的だった。
あとは地下鉄で飲食をすると罰金になること。
夜中に市場で子供たちが、何かをミックスしたようなドラえもんのぬいぐるみを獲得するために、ゲームをしていたこと。
どこで買っても小籠包は美味しいこと。

その中でも覚えていることは、ランタンを飛ばす体験をする為に、
電車に一番後ろの車両で乗った時のことだ。
大学生くらいの男の子4名が目の前にいた。
そのうちの1人が、一生懸命後ろの景色を撮影しているが、
中々トンネルに邪魔をされて納得いく動画が撮れていない様子だった。
言語が違う彼らだったが、あまりにもそのトンネルボーイ(と勝手に命名)に運がなく、トンネルが来るたびにいじって慰めて笑ってを繰り返して楽しんでいることが分かった。

私の友達はそういった日常の些細な出来事のキャッチアップが速いため、
「ねえ、見て。めっちゃ面白いんだけど」と上記の光景を教えてくれた。
そのあとは、トンネルが来るたびに私も友人も彼らと一緒に「ああ~」と残念がる。お互いに共通の言語が無いけど、同じものを面白いと思い、同じ目的地まで繰り返す。

時折目を合わせながら笑う瞬間は、久しぶりに海外に来ることが出来たという体感を上げてくれた。
目的地の駅に着く。そのあとの彼の物語は知らないが、
無事に納得のいく動画が撮れているといいなと心から思ったのだった。

その後は友人とランタンに願い事を書いて、
手慣れた手つきで操作するスタッフに携帯を預け、
空へ向かうように手を放した。
観光地ということもあり、見上げればそこら中に、各々の願いが飛び立っている。地上に目線を戻すと、激戦区でいかに観光客を自分のお店に連れ込むのか、さまざまな言語が飛び交っていた。

ふと、思った。

このランタンは空へ放たれた後、どこへ向かうのだろうかと。
正直自然に土に還るとは思えない。
これでご飯を食べている現地の人がいる中で、
ランタンの行方が気になってしまった。

気になったら調べられずにはいられない。
その場で検索をすると、どうやら地上に落ちたランタンを拾う仕事があるらしい。1つのランタンを拾うといくらか貰うことができ、それで生計を立てる人もいるんだとか。
また、やはり環境への懸念はあると記していた。

それを知ったあとは、多少の後悔の念もあったが、
飛ばしてしまったものは取り戻せない。
だから、私はこの事実を通じて、これから観光をするときは、
娯楽の先にある課題なども調べていきたいと感じた。

旅も後半になるにつれて、
当時ソフトボールを毎日やっていた体力があるわけでもなく、
2人とも移動中は無言に。

千と千尋の神隠しのモデル地も勿論美しかったが、なんせ眠い。
無言でも居心地のよい関係性な友人が居て良かったと思いながら、
小籠包をたらふく頬張っていた。
友人は中国語・台湾語を話せるため、タクシーの移動も安心安全。
「私の友人、すごいでしょ」と、
謎に私が鼻を伸ばしながら過ごした3日間だった。

「まだ帰りたくない。次はどこ行く?」なんてお決まりの文言を
つぶやきつつ、成田空港まで戻っていった私たち。

今、彼女は4年目、私は3年目の社会人生活を歩んでいる。
15歳で出会った私たち。
次はどこにいこうかな?


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