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熱性痙攣で救急車に乗り込み、思い知らされた「当たり前」のこと

5児の母、shiiimoです。

9歳女子(不登校)、7歳女子(ASD・ADHD)、
5歳双子男子(双子兄はADHD疑惑)、1歳の三男(重い)を絶賛子育て中です。


子どもが5人いるとはいえ。
まだまだ長女も9歳。
つまり、shiiimoの母歴は9年。
母としてはまだまだ……と思いながらも、振り回されつつ。
なんとか今日もこうして無事にみんなを生かすことができた。

この日々のなんと尊く、素晴らしいことか。
改めて実感しながら、これを書いている。


今夜も暴れ終わりスヤスヤと眠る三男を見ても、
まだ私は心が落ち着かない。


真っ青な唇で泡を吹いていた……三男の様子が頭を離れない。

でも、これは忘れてはいけない。


どうか、タイトルからしてトラウマが発生しそうな可能性のある方は、ここまでにしてほしい。
平和なはずの日曜日にあったハプニングを、私は自戒としてここに記そうと思う。


いつものようにそれは始まった


先日の日曜日。
家族そろって、久しぶりにバドミントンの練習に行けるねと話していた矢先、朝方に目を覚まして少し甘えた泣き方をしている三男に触れた。


あ………………(察し)


熱あるやん。。。
もう、触るだけでわかるその温度。
すべすべの白い肌の奥には、確実にいつも以上の熱がこめられていた。

この感じは38は超えてるな……
こういうときの母の勘はしっかり当たる。
体温計は38.5度を示した。

「三男、だめだわ。熱だね…………。あたし、留守番するわ」

夫は来週、シングルスの試合を控えていた。
シングルスは絶対やりたくないマンのshiiimoには関係のない話なので、
今回の練習は夫に譲った。

その前の土曜日の夜は、2年前に卒業した元生徒たちと飲み会だった私。
その間は1人で5人を見ていてくれたので、まあ当然といえば当然の役割分担だ。


次女「ぼくは一緒にバドミントン、いく~」
双子兄「双子兄くんも!!! ついてく!!!」
長女「え~~~。ぼくはママといっしょにいたいから……」
双子弟「もう~~~着替えなきゃいけないのオオ?!(朝激よわマンなので不機嫌)」

それぞれのご意見を頂戴しました


ということで、
次女と双子兄は夫についていき、
長女と双子弟は三男、母と留守番となった。


三男は熱は高いものの、とても機嫌はよかった。
いつもの流れだな、と思っていた。
週末になるとやたらと体調崩しがち。
最近も、突発性発疹とRSウイルスに同じような流れでかかっていた。

「今日は日曜だし。様子をみて、明日小児科にいくかあ」

熱なのに機嫌がいいのが一番困っちゃうぜ。
なんて、ぜいたくな文句を言いながら、
私は留守番組の3人とだらだらすごしていた。


元気だった三男の痙攣は突然に


午後になると、遊び疲れたのか、三男は広げていたマットレスにコロンと横たわり、寝息をたてていた。
これもいつもの流れ。
寝かしつけをこちらがするまでもなく、勝手に自分のエリアに行って眠る。
(当然ながら、そうはいかない日もある)

けれど、熱が上がったのだろうか。
30分もしないうちに、三男は不機嫌そうな泣き声で目を覚ました。
体温計を差し込むと、ギュンと数字が上がって39.2度。

「これはつらかったね。座薬を入れよう」

RSウイルスのときに処方された、解熱鎮痛剤の座薬が残っていた。
機嫌がよかったので使っていなかったけれど、
今回はつらそうだから使うのがいいだろう。

手慣れたものだった。
流れるようにオムツをさっとずらして、座薬を差し込む。

当然ながらその違和感にびっくりして、まだ泣いている。
「最初だけよ~ごめんね~もう終わったよ~」

あっという間に差し込んだ。
はずだった。


「あ、あれ?……三男くん?」


全身がこわばった三男は
息ができていなかった。

みるみるうちに、唇が紫色になった。
その間、10秒もたっていない。

ぶるぶると小刻みに揺れていた身体が
そのうち、ビク! ビク!と大きく痙攣しだした。


熱性痙攣だ……!


これまで姉兄の4人とも、経験したことはなかった。
けれど、ママ友が経験していた話を聞いてから、
いつか急になったら大変だと思い、
調べていた対策を懸命に思い出す。


スマホで時間を確認。
14時5分。
まだ痙攣は続いてる……
呼吸が止まってしまっているようなので、
三男くん、と声をかけつつ、少し身体を横にする。
舌で喉が詰まるかもしれない。


三男の様子を見ながら、
#7119に電話をかける。

救急相談センター。
緊急や、判断がつかないときにかける電話だ。
これは何度も利用してきた。


最初に音声案内が入る。
気持ちを落ち着かせるためなのか、ものすごくゆっくりと説明される。
早く終われ終われ…!と気持ちを急かされながら待っているうち、三男の意識が戻りだした。

その唇の色が生気をおびた色に戻ったことに少し安堵しながら、
私はその後繋がった救急相談員の方に症状を説明した。

【救急相談センターからの痙攣の確認事項】

・熱はいつからあったか
・痙攣の経過時間
・どのように痙攣したか
・目線は合うか
・呼びかけると反応するか
・家族に熱性痙攣を経験した人はいるか

記憶にたよって記した限りだが…

上記に回答している間は、三男は意識が戻り始めた段階。
呼びかけてもイマイチ反応がハッキリせず、目線も合ってるのかどうか不明だと伝えた。
そしてふと、義母から、夫が過去に熱性痙攣を起したときの話を聞いたのを思い出した。

「いただいた状況からの判断を申し上げます。救急搬送が必要です。このまま、119にお繋ぎしますから、そのままお待ちください」

相談員の方は、そのまま救急車に繋いでくれた。

過去に2度、この家から救急車を呼んだ経験がある私。
そこからは救急隊員の方にスピーカーで状況と住所を説明しながら、スムーズに準備を進めた。


「…………ママ? 三男くん、どうしたの……」


リビングの端っこで、その事件は起こっていた。

その反対側で、それぞれswitchとYoutubeに夢中だった長女と双子弟は、
ようやくこの母の動揺を察知したようだった。

それもそうだ。
本当は叫びたいほどの不安だったが、
私はこの緊急事態を察知されないよう、努めて静かに物事を進めていた。


「ちょっと、熱が高くって…………
相談の電話したら、救急車を呼んでくれたんだよ。
だからママ、いってくるからね。ちょっと待っていてね」


長女はただでさえ心が繊細。
痙攣発作を見られなくて済んだのは不幸中の幸いだった。
この状況で長女もパニックになったら。
私一人ではどうにもできない。


「大丈夫だよね?」
長女は不安そうに言った。

「大丈夫。ほら、もう起きたから……」
私は自分に言い聞かせるように伝えた。

近くのスシローでお昼を食べている写真が送られていた夫からのLINEの返信に、私は起こった状況を手短に入力した。
すぐに、夫もこちらに向かう準備を始めてくれたようだ。


少し意識を取り戻した三男が、すがるように母を求めてきた。


遠くに、かすかにサイレンの音が聞こえはじめていた。




当たり前のことに気づかされた日曜日


搬送されたのは、双子を出産した総合病院だった。
ここで双子を帝王切開したな。
休日には、長女と次女が会いにきてくれたっけ。


診察を終えて、迎えに来てくれた車に乗り込んだときには
時刻は夕方になっていた。


痙攣止めの座薬を挿入され、
泣きつかれた三男は私の腕の中でぐったりと眠っていた。
深い眠りに、ただでさえ重くなるその体重を、
私は全力で受け止めていた。


これが、今、生きている重さなのだ。


夫の乗る車を見かけたとき、
心がほう、とため息をつくのがわかった。


お疲れ様。
夫はそう言って、私の荷物を受け取った。

私は経過の報告と、
8時間後に再度、痙攣防止の座薬を入れることを重要事項として共有した。

夫はうんうん、と頷いた。


「怖かったね。
守ってくれてありがとう」


三男の頭を大切そうになでながら。
夫にそう言われて、
私はその瞬間までひとりで張りつめていたものが、
ふと溶け出すのを感じた。

よかった。
ああ、こうして一緒に帰ってくることができて。よかった。


夫が私からの連絡を受けてすぐに、義母にも連絡を入れてくれたおかげで、
その夜は少し怖い気持ちも緩和された。


「怖かったわね。よかった。本当によかったね」


仕事終わりにすぐの連絡にも関わらず、義母は電車を乗り継いで駆けつけてくれた。
そして開口一番、そう言ってくれた。

熱性痙攣の経験者の話を聞きながら、私は「当たり前」のことを思い知った。



今、健康な身体で生きている。
それがけして「当たり前ではない」こと。

いつものようにと過ごしていても、
なにが起こるかはわからない。

これは子育てに限った話ではなく。
人間としては誰しもが知っているはずのこと。

けれど、忙しい日常の中で、
「健康」で「生きている」は「当たり前」になって
心のどこか遠くに置いてけぼりになってしまうこと。


今あらためて、この命の尊さを知る。


それに身体を張って気づかせてくれた三男は、今日ようやく熱が上がらずに元気に過ごせた。
私も夫も、仕事を調節しながら、交代したりでどうにかやりくりしたりして。
やっぱり三男ついでに一緒に保育園をお休みする双子に、
「なんだよ~」と言いながら、
元気に学校に行ってくれた次女に感謝して。
不登校の長女には、担任の先生が下駄箱にこっそりとシールセットを作ってくれて。
そのシールを、本当にたまーにだけど、いっしょに貼りにいくこともできてきた。

我が家の日常は、またあわただしく元にもどっていきつつある。


この日常の忙しさや、子どもに心を添わせている時間の中で。
私はまた、もしかしたらこの日々を「当たり前」だと勘違いするかもしれない。


でも。
「この奇跡は当たり前じゃない」ということこそが、
「当たり前」に胸に刻んでおくべきことなのだ。

こんな私への、これは戒めとして記録する。



最後に


その後かかりつけ医に再度かかって知った話。

熱性痙攣は遺伝性があり、家族の中に経験している人がいれば、かかる可能性はあるそうだ。
5歳程度くらいまでの間に12、3人中1人程度は見られる、珍しくはない疾患。
1回で終わる人もいれば、繰り返す人もいる。

だから今後、三男の発熱には注意をしなくてはならない。


もし今後、経験するかもしれないあなたへの、
これは共有事項として残します。
あくまでも医師からの聞いた話ですけど……ね。


あなたが今日もこうして、noteを読めていることに感謝します。


どうぞ明日も、元気で🍀





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