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Netflixオリジナル「チアの女王」

他人には理解できないだろうことに、脇目も振らず、全てを注げられることが青春なのかもしれない。このドキュメンタリーを見て、そんなことを考えました。

チアリーディングの本場 アメリカで、頂点を極めたテキサス州片田舎にある短大のチアチームが、年に1度の大会での優勝を目指すため、厳しい練習を繰り返す日々を追うドキュメンタリー。

まず、何よりも部員たちの身体能力がすさまじい。男子が女子を信じられないほど高く放り投げ、放り投げられた女子は空中をぐるぐると回り、男子が空に掲げた手の平の上にぴたっと着地してポーズを決めたりする。見ているだけでこっちの目が回るほどバク転し、一糸乱れぬ動きで完璧なピラミッドを作り上げる。この演技シーンを見るだけでも、価値があります。

海外ドラマでよく見かけるチアリーダーといえば、クラスのヒエラルキーの頂点にいる人気者の女子たちのイメージ。でも、このドキュメンタリーを見てチアリーディングという競技の概念を覆されました。

完璧な笑顔と演技の裏側にある、壮絶な努力と精神力。それぞれのポジションで全力を尽くす選手たちの過去、家族との関係、悩みなども描きながら過酷な練習の日々を見せるので、チームの誰をも応援したくなります。

チアリーディングは学生の間しかできない競技です。社会人になれば、競技としてチアリーディングを続ける道はないのです。そんな競技特性ゆえ、選手たちにとっては、この数年だけが残されたチャンス。10代の不安定な悩みや欠点を抱えながらも、チアリーダーとしての人生をこの数年に懸け、言葉どおりチアに全てを捧げる彼らの姿に心を打たれます。

見るだけでチアアップされるドキュメンタリーでした。最近見たドキュメンタリーの中で一番のオススメ。


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