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1歳10か月 かわいさも大変さも爆発

 娘が「おばぁけだじょ、おばぁけだじょ」と言う声で目が覚めた。

 「おばけだじょ」というのは、娘が気に入っている絵本のタイトル。今娘が話せる一番長い単語かもしれない。なぜか「ば」に強めのアクセントがつく。

 夫が仕事に行ったあと、「おーたん(お父さん) バイバイ ちた」とお見送りを反芻。夫のことは"おーたん"、私のことは"ママ"と呼ぶようになった。「ママァ!」とかなりハッキリ呼んでくれる。気付けば、話せる言葉が随分増えていた。

 歌も好きで、「きらきら星」「ぞうさん」「さいた さいた」「さんぽ」「ハッピーバースデー」をよく歌っている。曖昧な歌詞と、曖昧なメロディで一生懸命歌うのがかわいい。

 朝ご飯はパンやら、フルーツやら、チーズやら。大好きなミカンがもうないと分かると、目をクチャクチャにつぶって「うああ~」と悲劇的な声を出す。無理矢理涙を出そうとしている泣き方で、最近怒るとすぐこの顔。

 お盆のある日。突然、服を全部脱いで、オムツすら履いてくれなくなった。

 なんでだろうと思っていたら、どうやらトイレでオシッコをしたかったらしい。その日からトイレでオシッコがブームになった。オシッコの出す出さないをある程度調整できるようになっていたのはビックリ。喜ばしい成長なんだけど、これが結構疲れるのだ。

 トイレでは、トイレットペーパーをからからと出し、ちぎって便器に捨てるという遊びが始まる。トイレのあとは、自分で水洗ボタンを押さないと気が済まないので、抱っこで押させる。手を洗うのを拒否する時もあれば、一度洗い出すとやめたくない、と水遊びが始まる時もある。一連の流れが終わって、じゃあオムツ履いとこうか、と言うと、「っかい!(もう1回)」っと再びトイレに戻っていったりする。フウ…。

 何度か失敗して床でしてしまったけど、最近は床ですることはなくなった。しばらくは必死に床を掃除しながら、全裸で逃げ回る娘を追いかけるというハードな日々だった。

 小さな成長も見逃さないように、じっと見ていたはずなのに、本当に気づかないうちにできることが増えていく。昨日は届かなかったはずのドアノブに手をかけられるようになっていたり。エレベーターのボタンが押せる位置まで背が伸びていたり。

 娘が目をつぶっている間に私が部屋のどこかに隠れ、探しにきた娘をワッと驚かせる、という遊びが流行っている。かくれんぼといないいないばあの合わせ技みたいな遊び。娘は突然目をつぶってニヤニヤし出すので、私は慌てて隠れる。

 まだまだ子供なので、布団の下などに隠れてしまえば全く気づかれない。最初はクスクス笑って「あれえ~?」とか言いながら洗面所とか探しに行くんだけど、しまいには「ママァ...」と不安な声になってきて、申し訳ないけどクククッと笑ってしまう。

 「バァ!」と言って飛び出すと、ギャギャギャッと笑って、広げた腕の中に飛び込んでくる。腕を広げれば、駆けてきて抱きついてくれるの、いつまでなんだろう。

 こちらの言っている言葉も大体は通じているようで、「そこに落ちてるTシャツ拾ってくれへん?」とか「そのゴミ、捨ててきて」とかお願いすると、「ハイッ!」といいお返事で応えてくれる。自分で服を選んだり、靴も靴下もズボンも自分で履けるようになった(左右逆、前後ろ逆だけど)。

 今まで、「ヤーヨォ」と言っていたのが、「イヤッ!」とハッキリキッパリ言うようになり、顔を左右にブンブン振ったり、地団太を踏んだり、拒否の表現も豊かになった。とりあえず「イヤッ」と言うのが楽しいみたいで、「パン食べる?」「イヤッ!」「じゃあ何食べるん?」「パン!」みたいなこともある。

 1歳8か月で初めての飛行機に乗り、家族で北海道に旅行した。

 空港までの1時間のバス、そして1時間半のフライト。夫とは現地集合だったため、1人で娘を連れていけるか不安だったけど、意外と大丈夫だった。早めに空港に行ってたっぷり遊ばせ、お昼も空港で食べてから飛行機に乗り込むと、離陸と同時に寝てくれた。機内持ち込みのカバンに詰め込んだおもちゃもおやつも出番なし。

 北海道では、娘のペースに合わせて観光した。娘が寝ちゃったら、私たちもカフェに入って1時間ほどダラダラしたり。子供中心で予定を組めば、案外どこへでも楽に行けるもんだなと思った。

 先週は娘と私だけで親戚の結婚式に参列した。娘はレンタルしたフワフワのドレスが気に入ったようで、終始ご機嫌だった。拍手をするシーンでは漏れなく力いっぱいの拍手。用意してもらったお子様プレートより、大人の料理がお気に召したらしく、私のお皿から鱧やら鯛やらを横取りしていた。

 シャイで人見知りなのは相変わらずだけど、少しずつ私から離れる時間が増えている。

 夫との距離も縮まっていて、なんとなく3人の関係がうまく回り出した感じ。夫が絵本を読んだり、童謡を歌ったりしていると、彼も親っぽくなったなあとシミジミしちゃう。

 保育園も楽しいみたいで、毎朝「イコカ!」と言って、玄関のほうへ歩いていく。(まだ裸だったりするけど)保育園でバイバイする時も、泣かなくなった。先生のことも好きみたいで家でも「テンテ、テンテ(先生)」と言っている。

 今年の夏は、初めての経験がたくさんできた夏だった。まあ、生まれてからずっと初めて尽くしなんだけども。

 成長したぶん、意思も力も強くなって、難しい場面も増えてきたけど、少しずつ会話ができるようになってきて楽しいし、かわいさも今がピークなんじゃないのって感じで、清々しいほど親バカになっている。

 秋が来たら2歳だ。0歳より1歳の1年のほうが早いよって言われてたけど、ほんとにその通りだったな。あっという間に大きくなっちゃって寂しい気持ちもあるけど、娘と一緒にやりたいこと、一緒に行きたい場所がたくさんあるから、これからがますます楽しみ。



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