もものうえのたねまろ

母が戴き物のおすそ分けで桃をくれました。

「桃は食べ時が難しいから、ちゃんと見極めてね。毎日匂いを嗅いで確かめてね」と、口酸っぱく言われたのですが、まだ青そうだったので机の上に置いておいたら、今日仕事中に母からLINEで「もう十分甘かったから食べてみて!」と、指示が来ました。

家に帰って、少しだけ冷やしてから剥いてみると、手でするっと皮が剥けるほどに熟していました。

桃を食べるたびに、「もものうえのたねまろ」という絵本を思い出します。
多分、幼稚園ぐらいの時から読んでいた絵本で、女の子が家の庭に大きな桃の実を見つけるところから物語は始まります。その桃には小さな扉がついていて、そこから中に入ってみると、「もものうえのたねまろ」というおじいさんが住んでいて、女の子に桃づくしの食事を振る舞ってくれます。たねまろは、桃の種の形の顔に、着物を来たおじいさん。

最後に、たねまろは大きな桃をお土産にくれます。家に帰った女の子は、その桃を口いっぱいに頬張るのです。大きな口を開けて、汁をたらしながら桃にかぶりつくその様子が、とにかくおいしそうで、ずっと記憶に残っています。あの大きな桃を、いつか食べてみたいとずっと思っていました。

あの絵本は、まだ実家にあるかな?

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