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父の夢

朝、運動するとその日一日の仕事が捗る気がするので、朝から大文字を登ってきた。

登りながら、今朝見た夢のことを思い出した。久しぶりに父が出てきた夢だった。

父のお葬式の帰り、母と姉と3人で実家へ帰ると、二階からお葬式で見送ったはずの父が平然と下りてくるのだ。とても健康そうな姿で。よく来ていたワインレッドのベストを着ていた。それを見て「やっぱり!死んでなかったんやね!」と大喜びする私たち。母は父に抱きついて、「やっぱり、生きてると思った!先生にもっかい見てもらおう」と言う。でも父は、「いやいや、もうええねん。もう行かなあかんねん」と笑っていた。

父は最期、せん妄症状が出ていた。そのため、父が亡くなったあとも、もしかして父は自分が亡くなったことに気付いていないんじゃないだろうか… と私は心配していたのだ。でも、今朝の夢を見て、父自身も自分の死を分かってるんだろうなと納得できた。もう四十九日も初盆も済んでるんだから、変な話だけど。

火床からの景色は曇っていた。つぶれた銀杏や、金木犀の匂いがして、歩くだけで楽しい季節。

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