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ゆめみ:まなびファンディング制度をつかってみたら、マイノリティのリーダーシップの学びが深かった

Co-leadersのJunjiです!今回は、自分が取締役(ウェルビーイング担当)として、また、組織内コーチとしてコーチングやコーチングスキルをトレーニングする場を提供するような活動をしている株式会社ゆめみで学んだことをシェアできたらと思います。


ゆめみという会社、そのユニークな制度について

ゆめみという会社は、オープンハンドブックから代表されるように独特な制度と透明性高い組織運営で、知る人ぞ知る企業というイメージが個人的にはあります。
その中の一つとして、勉強し放題制度という”会社の成長はメンバーの成長であり、そのメンバーの成長環境を応援する”という制度があったのですが、2024年1月後半に見直され、アウトカムカルチャー醸成のため、新たにまなびファンディング制度が新設されました。有限なリソースをどう配分していくか、経営視点が問われる形となり、全員CEOを謳う組織に属する我々一人ひとりにとっての在り方が揺さぶられるアップデートだったと思います。

この制度について簡単に説明すると・・・

  1. プロポーザル(意思決定)に対し、10名以上の「投資決定」の反応がある

  2. 売上に寄与する根拠がある

  3. 経営方針に則した学びがある

この3つの条件のうち1つ以上を満たし、プロポーザル内で宣言したアウトカムに即した行動を約束することで、プロポーザル実現にかかる費用が会社負担になる、というものです。
※プロポーザルについては”書籍:ティール組織”などで紹介される「助言プロセス」をゆめみ流に仕組み化した意思決定プロセスとして登場します。説明はとても複雑ですが、シンプルかつパワフルな仕組みなので興味ある方はこちらを読んでみてください。[リンク]

はじまりは自分の出したプロポーザル

・・・そして、今回、このまなびファンディングを利用して「自分自身へのコーチング(マイコーチをつける)」というプロポーザルを出しました。
正確には、以前から”勉強し放題制度”の一環としてコーチングを受けていたのですが、継続して残り数ヶ月受け続けるという契約更新を目的としたプロポーザル。

代表からのNO・・・「NGTM」

プロポーザルを社内のSlackチャネルに出すわけですが、早速代表から反応がありました。NO、という意味を持つ下記スタンプがついてました。

NGTM(Not Good To Me)

・・・いくつかコメントもついており、
 今このアクションを進めるタイミングではないのではないか(もっと別のことに時間を使ってほしい)
 アウトカムとの繋がりが見えづらい
といったメッセージを個人的に受け取りました。

フラットな人間関係の組織ではあるんですが、やはり、権威性あるメンバーからの声はとても重みがあります。その中でも代表からの声は、もっとも大きな権威からの声だと感じました。

この反応を見た時、会社の代表がNOということなので、経営方針としてもNOなのだろう、、と、かなり心が折れました。
そう感じた自分は「いかに代表を説得できるのだろうか」という思考が一瞬で頭を占めたように思います。

なんのための意思決定で、だれのためのお金か

そんなモヤモヤもあり、どうしたもんだろうかと、妻と対話する中で湧いてきたいくつかの問いかけがありました。
「そもそもなぜこのプロポーザル(意思決定)をしたいと思ったのか」
「なぜこのプロポーザルを進めるために会社のお金を使いたいと思ったか」
これらの”問い”がグルグルと自分の中を巡って、一通り味わい尽くした後、残ったのは「やはりこのプロポーザルは自分が組織でやりたいこととつながっていて必要だし、組織貢献に繋がる」という感覚でした。

とはいえ、組織への貢献やアウトカムとの繋がりはまだうまく説明できない自分がいる。(自分はそういうのが下手なのも知ってる。。うむむどうしよう・・)

・・・だったら、自分がやりたいことに触れている組織の中の人たちを中心に、このプロポーザルを通じてどんな世界を創りたいか、ひとりひとりとちゃんとFace To Face で話をしていこう、と思いつきました。

幸いにも、この制度の仕組み上、10名の賛同者を得ることで実現ができる。
今月中、自分がやれるだけのことはやってみて、いけたらいけたでだめならだめで、結果はすべて受け止める覚悟でやってみよう。
10名の仲間集め、そしてこのプロポーザルへの素直なフィードバックを求め、気になるメンバーに声をかけてみました。

マイコーチへの連絡、家族との合意

継続してコーチングを受けられない可能性もあったので、マイコーチにも連絡しました。もし会社からの費用が捻出できない場合、プライベートな支出にすることにしていたので、妻とも話をしました。

コーチは、今後の可能性を受け止め、必要あればいっしょに対話しようと言ってくれました。
妻は、お金のことは気にするな、ドンとしてたらいいのよ、と言ってくれました。

様々な反応と結果

自分からのメッセージを受け取ったメンバーはみなさんとても真摯に自分の話を聴いてくれました。

  • 話をしている最中、(スタンプなどで)肯定的な反応を行うメンバー

  • 個人的には応援したいけど、代表があのような反応をとったので、表立って応援できない、という声

  • 一旦、態度を保留した上で、肯定的な反応/否定的な反応を行うメンバー

  • 代表を説得するにはこういうアウトカムにしてみてはどうか、と提案してくれるメンバー

  • 自分の声を代弁し、プロポーザル自体を校正案を提示してくれるメンバー

さまざまでした。

そして、その反応ひとつひとつを自分なりに咀嚼していく時間にもなり、とてもありがたいことに、背景が追加されたり、アウトカムを練り直すことで、なんどもアップデートがなされ、最初は簡素だったプロポーザルが数倍の文字量のプロポーザルへと変化しました。

もちろん、最終的なアウトカムに対しても「事業への貢献がよくわからない」という声もあったのですが、結果、22名のメンバーに声をかけ直接話をし、13名の「投資決定」の反応をもらうことができました。

さまざまな反応

何を学んだか

マイノリティの声を活かす仕組みが組織にあることの有り難さ

400名の組織で、10名の仲間を得ることで意思決定ができる仕組みに、すごい可能性を感じています。10名というと簡単な数字であるようにも感じます。同時にマイノリティな声であればあるほど、この10という数字ですら重みを感じることもあると思います。それでも地道に10名の仲間を集めることができれば、「夢」の実現に向けて一歩が踏み出せる仕組みが組織にあるって、チャンスだと思いませんか?
(補足:今回挙げた、まなびファンディングの制度設計的には、制度が担保する予算を設定した上で細かなバージョンアップを繰り返すことで、組織にフィットした制度になるような運用をしています)

マイノリティのリーダーシップの発揮の仕方とは

自分がやりたいこと、それが周りに全く理解されないと苦しんでいる人はたくさんいると思います。自分もよく悩みます。そんな時の第一歩は何か・・・

共感してくれそうな人に声をかけて、仲間になる

シンプルですが、これに尽きるな、と感じました。
キーマンや多くの人が納得するようなプレゼンやロジックって何だろう・・・と最初は頭を捻っていた自分ですが、今回、仲間に想いを伝えることから始めました。自分の力では多くの人を納得させられるような文章にできない、と痛感し降参したので。
そうしたら、仲間の中からいろんなアイデアが生まれ、プロポーザルがどんどんアップデートされていき、その内容をみて、さらに納得する仲間が増えました。

正直、今回肯定的な反応が目標の数集まらなかったとしても、「仲間からのフィードバック」があることは大きな収穫になったと思います。話した後、仲間からもらえるたくさんの問いは自分にたくさんの学びを想起させ、結果的にプロポーザルのブラッシュアップに繋がりましたし、自分が会社にコミットすることに対する自信にも繋がりました。

ジョンさん(会社の中でのあだ名)は『助けてください』が下手です。もっと言ってくださいよ。

すーさんからの言葉

上記言葉をすーさん、というメンバーから言われた時、涙が出てきました。
味方がいなくて、孤独を感じた時にできることは、自分のそのままをさらけ出して「たすけてほしい」って言える自分であるかどうか・・・が、現状を打開するキーになるんだなと改めて感じました。言うは易く行うは難しですが。

みなさんありがとう

プロポーザルにLGTM(Looks Good To Me)の反応をくれた
 keeth、飛田さん、おかやまん、杉元さん、すーさん、大竹さん、内藤さん、れなおっぴ、のぶさん、よーたん、川井(Mr.K)さん、かわりく、無職やめたろう(本名)
本当に、ありがとうございます!みなさんのひとつひとつのコメントやアクションからのすごく勇気づけられました。(元気玉みたいな感覚)

そして、今回の話を一番たくさん聴いてくれた妻。当事者であり、同時にドンとした在り方で聴いてくれたマイコーチ。
いちばん身近な応援者がいたからこそ、今回の動き、そしてこの記事を書こうと思えたと思います。感謝。

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