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『contact展』


9月に入り、暑さも落ち着くかと思いきや、度重なる台風の影響か、夏が戻ってきたような日が続いていますね。早く秋になってほしいと願うばかり。

さて、月1美術館という目標。
今回は京都で開催されたcontact展に行ってきました。

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  会場は京都の清水寺。私の通っていた大学のすぐ近くにあり、初めてのアルバイトをした思い出の地です。そして期間は9/1~9/10までの10日間!

こういう期間限定に弱い私。美容室で髪を染めている時に見ていた雑誌で知り、すぐに行くことを決めました。本当は初日に行く予定だったけれど、前売り券が必要ということで、1週間待ち、9月9日に行ってまいりました。

  入場規制がかかっており、7−9時、9時ー12時…と3時間区切りでチケットが販売されていて、まずそこにびっくり。成就院という和室での展示のため、大人数が入るような場所ではないからでしょう。

15時から英会話に行く予定があったため、やむ終えず9ー12時のチケットを購入。本当は、トークショーやコンサートがお昼からあったので、そちらに行きたかったのですが…。ちなみに私が行く日にやるのは、「CONTACT BIZ.. アートビズの時代 ビジネス リーダーは美術館にいる」という、タイトルだけで面白そうなイベントでした。

さてさて、それは置いといて。

  張り切って朝6時に起きて、身支度を済ませ、7時には家を出発。今は引越しをして大阪に住んでいるため、阪急電車に乗って河原町まで向かいます。京都を離れて早5ヶ月が経とうとしていますが、鴨川を見るたびに、「あー、帰ってきたなあ」と思います。地元は北海道ですが、大学時代を過ごした京都はもはや第2の故郷。

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さて、懐かしの市バス207号に乗って、清水寺へ。

  受付でQRコードを見せ、紙のチケットと交換します。スタッフの方から、成就院の茶室での展示を見るには、整理券が必要のため、入り口で貰ってくださいとのアナウンスがあったため、早速成就院の方へ。通常非公開の場所らしく、そこに行けるだけでも価値あり。京都ではよく秋になると、非公開の場所を特別拝観ということで期間限定で公開していて、学生の時はよく足を運びました。

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成就院

  展示作品が、見事に成就院に溶け込んでいます。美術館に行って展示品を見るとき、立ったまま、その作品と向かい合って見るのが一般的。ですが、今回は作品が机の上に乗っていたり、映像作品を映し出すテレビが、畳の上にそのまま置かれていたり等、じっくりと鑑賞するには、どうしても足を折らなければならないという、今までにない体験。しかしなんだか落ち着くのは、日本人としての何かがあるのか‥?

年々外国人観光客が増す京都。特に清水寺は日本人よりも多いのでは?と思うくらい溢れかえっていましたが、この展示会は、事前に展示会の情報を知り、前売り券を手に入れているお客さんがほとんどだったため、室内にいるのは日本人が大半。その光景が、私にはかえって新鮮に感じられました。また、撮影禁止のため、カメラで作品を収めるのではなく、じっくりと眺め味わう人々の姿もまた新鮮でした。

  さて、世界各国から様々な作品が集まる中、私が一番心引かれたのは、ジャコメッティの胸像。以前、大阪美術館で近代芸術を見に行った際、別の企画展でジャコメッティの作品が置かれていたので、知っていました。その時は、人物の彫刻というには、異様に縦長に作られた作品に、なんだこれ?と首を傾げていましたが、再び再開し、久しぶりに友人と会ったような感覚になりました。「うわあ!こんなとこになぜ!?」

この作品の横に、成就院のメインであろうお庭(別名「月の庭」)があるのですが、そっちに気を取られ、最初、ここに作品があるなど気づきませんでした。障子から刺すわずかな光に照らされた立体的な胸像が、まるで切り絵のように平面に見えた時は、よくこの場所を見つけたな、と感心するとともにじっと見入ってしまいました。

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(芸術新潮のinstagramより)


展示も見終え、本当は買う予定のなかった、小説家・原田マハさん書き下ろしの小説「20 CONTACTS 消えない星々との短い接触」を買ってしまいました。(だってサイン本なんだもん)

今回、この展示に行きたいと思ったのも、マハさんがそもそも好きだったから。2、3年前に京都で行われたゴッホ展の時に買った、「たゆたえども沈まず」から始まり、今年、各社夏の文庫本フェスで紹介されていた「リーチ先生」「ジヴェルニーの食卓」まで。どの作品も面白く、スラスラと読めてしまう。去年の夏に、吉本ばななの本を一気に20冊くらい読んだように、今年はマハさんの本を読み漁りたい。残り少ない2019年の野望の一つ。マハさんの生き方も好きなんだよな…、その話はまた今度。



今回みたいな展示が増えると面白いだろうなー、と思いながら、思い出の土地京都を後にしたのでした。

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(これ、なんも知らない観光客はびっくりしただろうな…)

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