27歳まで続く日記vol.225『17年ぶりの水道橋』

まだ水道橋という地名を知らないくらい小さかった頃の話。両親がいて車もあって毎年ディズニーランドに行くような家庭だった。東京ドームシティのCMをよく覚えている。戦隊ショーをよく見に行った。帰りの車では疲れていつも眠りかけ。暗い道の中で信号が光っていた。同じラーメン屋の前を通って帰っていた気がする。そんなことを急に思い出した。17年ぶりに水道橋に行ったのだった。知人2人と、今日初めて会った知人の友人と一緒に歩いてやってきた。ここに来るのは初めてだと思った。しかし、あの壁からはみ出して見える観覧車やジェットコースターの線路、ゆっくり上昇してから急降下するアトラクションを見て一気に記憶がよみがえった。俺は一度ここに来たことがある。もう15年以上も前。まだ幼くて純で何も悩みもなかった、幸せだったあの頃に来た場所。偶然たどり着いた。感慨深くて、1人浸っていた。その日はほとんど寝られていなくてとても体調が悪かったが、その後の知らない人との会話はなんだかうまくいった。

途中、花見の良さがわからないという話になった。そこで知人がこんなことを言った。「花見は積み重ね。桜を見て昔のことを思い出すんだ。入学式とか、卒業式とか、ああ、去年の今頃はこんなことあったな、一昨年の春はこんなことあったなみたいな。花見はその積み重ねを感じるためにある。桜を見る度にその積み重ねを思い出すんだ」良い考え方だと思った。そうだ、人は何かを見る度に思い出す。あの観覧車は僕にとって桜の木だったんだ。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした