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ある夏の西荻窪での1日

ガストが大好きです。最近は知らない街のガストに行っています。この前は西荻窪に行ってきました。

まず自転車を停めるところを探さなければなりませんでした。駅前は無料で置くこともできず自転車放置禁止区域ギリギリまで退いて適当に標識の棒にチェーンロックで繋ぎ止めました。

西荻窪自体は初めてだったのでおしゃれとされている雰囲気を醸し出す店が馬鹿みたいに並んでいるなあと思いながらその光景を目に焼き付けて駅まで向かいました。

それから階段を登りいざガストへ。お昼過ぎだったのでかなり混んでいて店員さんも中々やって来ず。こういう時は勝手に座っていいのかわからず内心あたふたしていたのですが猫の配膳ロボットを目で追いながら気長に待っているとようやく来てくださり僕をカウンター席に案内してくれました。

日差しが窓際にぶち刺さる時間帯だったのでかなり暑かったですが貯金が絶滅しかけていたのでドリンクバーは頼まずに水だけで乗り切る覚悟を決めました。それから電子パッドで山盛りポテトフライを注文しておもむろに後ろを振り返くと校庭くらいだだっぴろい無駄に奥行きのあるスペースがあり、その隅々にはおしゃれな絵が飾られていて落ち着いた雰囲気を醸し出そうとしているのが嫌でも伝わってくる内装でした。

どうせポテトは味が薄いのでセルフで水を取りに行くとき、調味料がまとめておいてあるゾーンから塩瓶を奪い去りました。それから席に戻ろうとしたのですが配膳ロボットが前をのろのろと進んでおり通路もゴリラの肩幅ほどしかなかったので抜かそうにも抜かせずヒートアップしてる風に見せる八百長マラソンみたくロボットと接戦を繰り広げていました。

そんなこんなで席に着き、月の使者に想いを馳せて月を見上げるかぐや姫の如くポテトフライを待っていると配膳ロボットがたいそう賑やかな音楽と共に鈍い歩みでこちらに近づき、目の前で止まりました。着席した状態からその姿を見ると天まで高くそびえ立つバベルの塔ほどの迫力があり「ここまでやってきたんだから、皿はお前が取れ」と言わんばかりの圧に押し潰され僕はしぶしぶポテトと伝票をコソドロのようにくすね取りました。

塩瓶の蓋を開け山盛りポテトの皿の上で縦に振るも白粉は出てこず。どうやら中で固まっているらしく、家ならば机に叩きつけるところでしたが、騒音青年として周りの客に迷惑をかけ多くの人に被害者面をさせてしまうのが申し訳なかったので仕方なく自分の愛しい手のひらに何度も瓶を打ち付けなんとか白い雨を降らすことができました。もしあれで降らなかったらやったことないですが塩の雨乞いをするところでした。わからないですが、両手でワカメを左右に振り塩分の神様に祈りを捧げることでどこからともなくパラパラ塩が落ちてくるのを待つというやつです。

それからあれこれと考え事をしていたのですが、途中で異様に偏差値が低い大学生かまだ分別のついていない高校生かのどちらかだと思われる若い男3人組が大音量でyoutubeを見始めたので僕は危機を察知したゴキブリのように素早く退散させていただきました。その、ノーイヤホン爆音動画テロが勃発する前、彼らの1人が配膳ロボットに「このパフェ、もう少しチョコかけてもらえます?」という、ロボットは一方的にしかコミュニケーションが取れないのに客側から話しかけるというボケをやり、他の1人が大声でツッコんでおり、芸人になってくれよと思いましたが、僕にもきっと彼らみたいなおふざけをしている時代があったのだろうと考えを改めて許すことにしました。しかし冷静になり思い返してみれば僕には一緒にファミレスに行く友達がいなかったので、彼らには芸人になって地獄を味わい新卒扱いではなくなったところで辞めてただのフリーターになり少ない給料で社会に貢献してもらいたいです。

階段を降りると街はすっかり暗くなり「カラオケ館」のネオンの文字が浮かび上がっていました。駅前には美味しそうなパン屋があり誘惑に負けそうになりましたが僕には目指すべき店があったので一瞬で感情を無にしてお目当てのラーメン屋に向かいました。名前は忘れましたがひごなんちゃらという熊本ラーメンの店です。以前歌舞伎町で働いてた時ド深夜の3時くらいまでやってるクソ安くてウマい博多ラーメンの店があり(550円で替え玉無料!)ふとそのことを思いだし九州のラーメンが食べたくなったのでした。

店内は人が少なく居心地は良かったです。得がしたい気分だったので丸得ラーメン(確か770円)と呼ばれるおそらく一番お得なラーメンを注文しました。トロットロの煮卵やトロットロの角煮が入っていてめちゃくちゃ美味しかったです。無料の高菜もたくさん食べて大満足で帰りました。

自転車を停めた青空駐輪場まで歩いていると途中でDSの戻らなくなったYボタンくらい壁に埋まってるドアを発見し勝手にツボに入ってつい動画を撮ってしまいました。


ドアの下部が地面についていないところがポイント


本当に店の入り口か?

今見るとなにが面白いのか全くわかりませんけれども。

自転車は元停めた場所に残っており誰の手にも渡ってないことに安心しそのまま夜道をのらりくらり帰宅です。ちょろっと見かけたのですがアート展などもやっておりまだまだ西荻窪には惚れる要素がいっぱいありそうだと思いました。

最後に、ガストさん、
本当に大好きです。




小さい頃からお金をもらうことが好きでした