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プリキュア5を生まれて初めて観たアラサー男は泣いた【第1話 「希望のプリキュア誕生!」】

正月が始まって、終わった。

人生で初めて、プリキュア5を見た。

おもしろかった。

2022年に新作『デリシャスパーティ♡プリキュア』で19年目になるプリキュアシリーズ。犬ならぼちぼち寿命が尽きている頃だ。

栃木の交差点はいつもより冷えていた。私はすっかり日朝アニメから離れてしまっていた。

おジャ魔女どれみがあった。ゼロ年代前半の日朝アニメ。
これを観てたアラサーは多い。それを最後にした人も多い。私もそれだった。その後を追うには歳を取りすぎていた。

びっくりした!アラサーになった私は初めてプリキュア5を観た。

夢原のぞみだ。

彼女は平凡だった。
モブと言っても、過言ではない。


人気の高い初代プリキュア。これはアントニオ・ホドリコ・ノゲイラななつきとMITに飛び級進学しそうななほのかの二人の天才。これが主人公。

ところがプリキュア5の主人公 夢原のぞみは特技もなくこれといった趣味もない。

それを強調するようにのぞみは話の輪に入れない。親友の夏木りんは運動部から囲まれる。親友は学校で一目置かれるスターだった。

「私もやりたい事を見つけるもん!」
(一話:夢原のぞみ)

夏木りんに先行ってるね!と言って別れた離れたとき初めて寂しげな表情を見せる。

のぞみは手芸部や吹奏楽に入るものの続かなかった。それを夏木りんに指摘されてしまい、「ぐぬぬ…」と上手く返せない。

「見つからないんだもん。これがやりたいってものが・・・」
「見つかるまで探すんだもん」
 (一話:夢原のぞみ)

ノーベル文学賞の安倍公房「砂の女」にこうある。皆は自分を乗り越えていくのに、その流れの中で自分は深く埋もれた石のように、いつも取り残されていなければならない。

そんな鬱々とした日々。彼女はたまたま図書館でドリームコレットを見つける。

すると妙に美声のカマキリ男がウォーキングデッドばりにストーキングしてくる。ここら辺は声優の芝居がガチすぎてサイコホラー。


「あなたはココの夢をバカにした」
「夢はとっても大事なものなんだよ」
 (一話:夢原のぞみ)

彼女の言葉には妙な説得力があった。天才でもなく夢を持っているわけでもない。だからこそ彼女の言葉は観ている者の胸に太くツララがぶっ刺さる

夢は叶えることが勝利ではない。夢を持つことそれ自体で大勝利なのだ。彼女は夢ってものをそうとらえている。そうに決まってる。そうとしか思えない。

だからこそカマキリ男が「夢なんて叶わないんだよー!」と言ったときにYAZAWAにもなる。

この背負い投げは今後の彼女の必殺技なんでしょうか



今回、プリキュア5を見て分かった。

夢原のぞみはプリキュア総選挙で初代プリキュアの天才二人から次いで三位の人気だそう。

一話の時点だけどその理由を感じた。

彼女は「みんなも夢を持とうよ!」とはぜったい言わないのだ。夢を持ってる人と夢を持とうとしている人をバカにするな。そんな奴はたとえ神だろうが仏だろうが許さねえ!といった感じである。

つまり、何も持ってなくたってあなたは愛される権利がある。それを私が保証する。だからもし辛くなったら私の背中を見ろ。

夢原のぞみは戦う女の子というより、戦うことすらできなかった女の子の事を忘れず守り抜くこと。

勝つために戦うのではなく絶対に負けないために戦う。そんな神がかったプリキュアが夢原のぞみでありキュアドリームである。





と、これ私一話しか観てないのでね。色々とハズしてるところもあるでしょうけど。ご勘弁を・・・

彼女がこの先、自分の夢を見つけるのか。見つけたときの葛藤も描かれるのか。とにかく全49話をマグナムトルネードのように駆け抜けます。

(どうやら26話、31話、36話は約束された神回のようなので楽しみです)

「人の夢をバカにする奴に絶対負けないもん」
 (一話:夢原のぞみ)



第 1 話 『希望のプリキュア誕生!』 2007/02/04
脚本:成田良美  演出:小村敏明  作画:川村敏江

【あらすじ】
『夢原のぞみ』はサンクルミエール学園の二年生。何か夢中になれるものを探しているけれど、なかなか見つからずにいる。そんな彼女が出逢ったのは、不思議な魅力をたたえたステキな男の人。
のぞみの周囲には、先輩にも後輩にも魅力的な子ばかり!!女優志望のアイドル『春日野うらら』、生徒会長の『水無月かれん』や、その親友『秋元こまち』。特に親友の『夏木りん』は、色々なクラブから誘いが来るほど。
それに引き換え、自分は何をしても失敗ばかり…。手芸部では、糸が針に入らなくて退部。演劇部にいた事もあるが、転んだ拍子にセットを破壊して出入り禁止。吹奏楽部では、演奏の気持ちよさに居眠り。いまだにクラブを決められずにいた。
教室に残されたのぞみは、図書館に駆け込む。あの男の子と再会、だが彼は、目の前で突然不思議な小動物に姿を変える。
小動物の名前は『ココ』。『ドリームコレット』なるアイテム探して、この図書館にやって来た。
不気味な紳士風の男は、その「どんな望みでも叶える」というドリームコレットを奪いに現れた『ナイトメア』という組織の一員。ココは、故郷を復活させるために、このドリームコレットが絶対に必要…。
その必死な願いに共感したのぞみは、再び現れた桃色の蝶に導かれるようにして、伝説の戦士『プリキュア』に変身。怪人に変身した紳士風の男と、その男が出現させた怪物『コワイナー』を撃破する。

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