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猫ちゃんは共感力が高いと言われていますが、こちらの猫様もそうのようです。
「あのね、ねぇ、ねぇってば、聞いてる?」
「え、何か?」

「あのね、遠足ってあったじゃない?あれってお菓子300円まで買って持っていけたんだよね。」
「そうそう。そうだったよね。」
「何年生だったか忘れちゃったけど、遠足って年に3回くらいあったから。」
「にゃるほどに。」
「で、その時は、観光にみんなも必死で、お弁当の時間があまりとれなかったのよね。」
「にゃんと。」

「で、短い間にお弁当の陣地とりでしょ、」
「あ、ござ敷きね、ゴリゴリ痛いところや風を避けて探すの結構時間かかったんだよね。」
「それで、急いでお弁当をなんとなくたいらげたらね、」

「せっかく買ったお菓子、食べる時間なくなっちゃったんだよね。」

「でも、家に帰ったらたくさん食べれるって、その時は思ったの。」
「にゃるほどに。」
「で、家に帰ってお弁当箱をリュックから出して、お菓子が日光で熱くなっていて、ゼリーとかなまぬるくて、やっぱり、ああいうのは、現地で食べるから美味しいんだなってね、ははは。」


「あ、そう言えば、昨日買っておいたキャットゼリーがあったんだ!とってくるね!!」

すぐにモード変化するのでした。

「あれ、このキャットフード、カード入りだよ、どれどれ。なんとなくだけどね、パッケージ、似てるぅ!!!」


棚ぼた的お世辞なら



飼い主さんはふとそんな自由な俳句が浮かびました。猫のミーコは、全然似てない!!と思ったのでした。
でも、それでも似てるって言われた時、ちょっぴり嬉しかったのでした。
「そ、そんニャことニャいって。」

それからいつもの散歩コースを歩いていた時、迷い猫のポスターをみかけました。


ミーコはキャットゼリーのカードに似てると思いました。

それからミーコはお誕生日を迎えたのでした。
「はい、バースデーカード」
「ミャ?」


ミーコは全く似てないって内心心底思ったけれど、なんとなく嬉しかったのでした。
[END]

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