不穏と花見2

前の記事で、認知症の祖母が訪問リハビリの人(外の人間)が来ると不穏になるエピソードについて書いた。

書いてから何日か経ってぼんやり考えてみて、かわいがってくれていた身内に疑われた、濡れ衣を着せられたことが自分はショックで、悲しかったんだなと気付いた。正体が分かると少し安心したりする。

きょうは、おじいさんを花見に連れてったことを書きます。

昼ごはんを食べ終えて天気もいいし、おじいさんを車いすにのせて近所の公園に連れていった。
うちは坂の上にあって、公園は坂の下にある。
車いすは、坂を下るとき後ろ向きで降りないといけない。車いすで屋外を移動するのは、慣れないと少し難しい。ましてやバックは特に。

最初、おぼつかない運転だった。お母さんがおじいさんに「不安?」と聞いた。
「うん」とおじいさんは言った。
大抵のことは「うん」で返す。
わたしは、「不安?」「不安じゃない?」と聞いた。
そしたら、「…それを確かめてどうするんだよ…」と言われた。たしかに。すいません。

無事、公園に着いた。
写真でも撮ろうか、と言ったらおじいさんは「いいねえ」とめずらしくリアクションをした。
桜の木の下でおじいさんを撮った。そのあとツーショットを撮ろうとしたら、目を瞑ってしまった。
寒い?と聞いたら「寒い」と言った。
暖かい日だったけど、ダウンを着てくればよかった。

しばらくしても目を瞑りがちなので、滞在時間5分くらいで帰ることにした。
そういえば、去年の冬におじいさんとお母さんと姪っ子とこの公園に散歩に来たことがあったな。
おじいさんは、その時杖をついて付き添い歩行程度だった。
散歩に出る前におばあさんも誘ったけど「あとで行く」と言われて、どうせ来ないだろうね〜とお母さんと言っていたら後で一人で歩いてきて合流して、ベンチでおじいさんとツーショットを撮ったことを思い出した。

あの写真、けっこう良い表情してるのに、おじいさんだけマスクを取らせ忘れたから、じみにけっこう後悔しているかも。
そんなこと思い出しつつ帰宅。

おじいさんが話さないのは、言葉が出てこないってのもあるけど、話す意欲自体がなくなっている要素がつよそうだな〜と感じました。おわり。

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