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自動操縦状態から離れる

前回は、ヨガ哲学から自身の『認知』の傾向に気づく練習をお伝えしました。

今回は、『認知』の傾向に気づく・心の癖に気づくことにどのような意味があるのかをもう少し掘り下げて触れてみようと思います。

よく耳にする『マインドフルネス』=『意図的に、今この瞬間に価値判断をすることなく注意を向ける』この試みも何故良いとされるのでしょうか。

これまで自律神経反応の話題で、記憶が『認知』に影響し思考や自律神経反応、意図的な運動につながることをお伝えしました。

経験により『思考・意図的な運動』は、ある程度パターン化して成されるようになります。その都度確認しながらではなく、記憶を頼りに段階を簡略化して『自動操縦状態』で行えるようなっていくのですね。
「前のこの場面では、こう捉えてこう反応したよね?だから今回もこれ。」といったように以前はひとつひとつ時間をかけて認識・反応していたものをセットで反応出来るようになっていく。


例として、

○昔、大きな犬に噛まれたので、大きな犬を見ると恐怖を感じてしまう。

○自転車の運転がスイスイ出来るようになる。

など。

少し話が逸れますが、
『子どもの頃は時間経過が長く感じられるのに対し大人になるほど速く感じられること』について。

子どもの頃は毎日新鮮な経験ばかりで刺激が多いので時間を長く感じる。大人になると、以前経験した事柄が多くなる為、出来事が強く意識に残ることが少なくなり、時間経過を短く感じられるそうです。

これも、『思考と運動の自動操縦化』の影響なのかなあと個人的に捉えています。


心の働きも身体運動も経験を重ねることで『自動操縦状態』の割合が大きくなるのですね。

この『自動操縦』は良い反応に繋がるものなら歓迎できるのですが、恐怖・不安・怒りといったネガティブな反応、また失敗経験に繋がったようなパターン化である場合、それは自律神経反応としても、心の状態としても身体機能としても困った状態(心身症・精神疾患)に繋がっていってしまうリスクを伴います。


また真面目でいわゆる『いい人』は特に、『お一人様反省会』を頭の中で繰り返しがちです。

『望まれたこと・求められたこと・期待されたこと・心配されたこと』

それに対し

『出来なかった理由』

を自身の内面に問題を解決するための糸口として探し続けるのです。


でもね、世の中には正論が通らないことがたくさんあります。
自身が明らかに悪くなかったとしても良くない結果につながるような事象は山のようにあります。

また、正論は人それぞれで自身の正論は違った視点から見たら穴のあることかもしれない。

絶対的に正しい事象は意外と世の中少ないのかもしれないし、自身がコントロールできないこと・自身が悪くないかもしれないことの原因を内面に追い詰めてしまって大切な自身を壊してしまうことは防いであげたいですよね。


この予防として、心身の『自動操縦化』を見つめ直してみる試みがあります。
それが『マインドフルネス』という表現であったり、ヨガ哲学を用いた自身の『認知』の傾向を知る練習だったりします。

そして、『マインドフルネス』の手段は、本当に人それぞれだと思うのです。
・お料理
・書道
・茶道
・登山
・呼吸法
・瞑想
・アーサナ
自分に合った『今、ここに集中』を見つけて楽しく無理なく取り組むことは、私たちを心身ともに健康でいさせてくれる手段なのだと思います。

最後になりましたが、このような試みはすべての人に適応性があると思います。

その中でも特に。
私も含めて更年期に突入する世代の方々(男女問わず)は、責任を抱える必要のあることが数としても重さとしても増えてくるお年頃です。
一方で心身はホルモンバランスの影響で揺らぎがちとなってきます。

必要なもの・必要ないものを上手に整理して過ごす手段として取り入れていただければ嬉しい限りです。



じぶんにも まわりにも やわらかく 暮らしましょう。
たたかうことは もう や〜めた。



最後まで読んでいただき有難うございます。

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