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2020年4月11日 今に始まったことじゃない

もぐら会のミジンコマスター、S氏主催のリモートラジオ体操に参加している。たかがラジオ体操、されどラジオ体操。真剣に第2までやりきると体はすっかり温まっている。狭い室内が少し蒸し暑く感じられ、自然と窓を開けて換気をしたくなる。新鮮な空気を取り込んでいる間に自然と部屋を掃除しようと思うし、コーヒーを入れて朝ごはんを作って食べて、そのままなんとなくスムーズに仕事に入れる気がする。

今日はそんなやる気がみなぎった勢いでもぐら会オンラインパン焼き会の準備を万全にし、久々にパンを焼く気満々でいたのだが、なんと直前にパン焼き会の日程が今日ではなく明日だったことに気がつく。自分で設定したのに、ついに曜日感覚が失われつつある。しかし準備はすっかり進めてしまっていたし、せっかくなので予行演習でもやろうと思い、2種類のフォカッチャを焼く。さらに途中で一度インスタライブで手捏ねを中継し、発酵待ちの時間にはえんどう豆の皮を剥くだけのTwitterライブをやった。

インターネットの時代とはいえ、肉体同士を接近させるオフラインのコミュニケーションは、未だしぶとく私達の人間関係のベースとして存在していた。ところがそれが突如として失われ、今や私達は施錠された家の中に引きこもることを余儀なくされている。自分の一挙一動で誰かが笑顔になったり、空気がピンと張り詰めたり。オフラインコミュニケーションの課程で必ず生じる微妙な空気の変容というのは、その場で発せられる言葉以上に膨大な情報を含んでいて、私達は少なからずそういったところから、やはり言葉にならないけれどもたしかな生の手応えを感じてきた。けれどもいくら顔が見え、声が聞こえたとしても、オンラインのコミュニケーションは未だそれらを全く伝搬できない。だからこそもぐら会はオフラインサロンとして顔を突き合わせることを重視してきたし、オフラインで集まることが出来ないからとお休みにもした。

ところが残念なことにこのコロナによる非常事態は、どうも今月、来月くらいでは終息しそうにない様相を呈している。Nスペのコロナ特集に出演した対策チームの西浦教授は「元の暮らしに戻るまで1年以上はかかる」と語っていた。元の暮らしというのはおそらく3密が堂々と許容される状況だろうから、大人数が集まるイベントもしばらくの間やれそうにない。もしかすると、非常事態がいつの間にか日常になっているかもしれない。

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