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ヤクルト1000の睡眠効果と同じ乳酸菌の整腸剤:ヤクルトBL整腸薬の解説(1)


ヤクルト1000はなぜ睡眠の質が向上するのか

1.機能性表示食品の「機能性」とは何か
ヤクルト1000は消費者庁に届けを出して受理された「機能性表示食品」です。

機能性表示食品とは事業者(この場合ヤクルト)が、臨床試験等によるエビデンスから科学的根拠を基にして、健康の維持や増進に役立つ「機能性」を販売前に消費者庁に届け出たもの、とされています。

ヤクルト1000の機能性とは容器に表示してある、この2つです。

ストレス緩和と睡眠の質向上


この中から口コミでも評判の高い「睡眠の質」について解説します。

2.ヤクルト1000が睡眠の質を向上させる科学的根拠
ヤクルト1000が睡眠の質を向上させる科学的根拠として、次のような試験を行いました。

・進級試験前の医学生を「シロタ株群」と「プラセボ群」の2つのグループに分ける。なお、プラセボ群にはシロタ株が入っていない、風味が同じなものを飲用する。

・飲用期間は進級試験の8週前から、試験終了後の3週後まで計11週間

・測定方法は「深い眠り」には睡眠中の脳波測定を、「起床時眠気」にはアンケート調査を実施。


睡眠試験の結果は次のグラフのようになりました。

眠りの深さ


起床時の眠気


グラフ赤のシロタ株群は、黒のプラセボ群に比べていずれの試験においても有意に良好であることが一目でわかります。

試験当時はヤクルト1000の「販売前」なので、当然ながら「ヤクルト1000はよく眠れる」といった口コミが広がる前であり、被験者に先入観はありません。しかも「脳波測定」なので被験者の主観ではなく、研究者による客観的なデータ測定です。

3.ヤクルト1000はなぜ睡眠の質が向上するのか
脳波測定など客観的データにより、ヤクルト1000の睡眠の質向上は証明されましたが、ヤクルト1000の「何が」睡眠の質を向上させたのか。ヤクルト1000の研究開発者の一人は次のように返答しました。

100ml1000億個という「高菌数高密度のシロタ株」が交感神経に作用したのではないか

開発者もはっきりとしたことはわからないそうです。

ストレスは睡眠の質を低下させる。今回の睡眠のテストは元々はストレス反応の一つとして実施されました。

ストレスは脳を刺激して視床下部から下垂体へ、下垂体から副腎皮質へ信号が送られて「コルチゾール」を分泌します。分泌したコルチゾールは心拍や血圧を上昇させ、交感神経を優位にしてストレスに対応した身体を作ります。

コルチゾール濃度の試験を見てもシロタ株群はプラセボ群に比べて有意に低下しているので、シロタ株を飲むことで交感神経が抑制されてそれが睡眠の質につながるのではないか、というのが担当者の見解です。

コルチゾール濃度のテスト結果


一方で、通常のヤクルトは65ml200億個のシロタ株です。これを5本飲めば計算上は1000億個になりますが、ではヤクルト1000と同じ睡眠効果が得られるか、といえばそうはならないそうです。重要なのは、

100ml1000億個の「高菌数高密度」のシロタ株


高菌数高密度のシロタ株、という条件が合わさって初めて「睡眠の質向上」が実現します。


4.ヤクルト1000の欠点
ヤクルト1000は従来の整腸作用に加えて、ストレス緩和と睡眠の質向上が加わった「夢のような乳酸菌飲料」ですが、欠点ともいえる懸念点もあります。

ヤクルト1000の糖質は100ml14.1gで、コーラの糖質100ml 11.3gを超えるほど糖質が多い


これはWHO(世界保健機関)が定める糖質の1日摂取量25gの半分以上になります。

乳酸菌をおいしく飲むためには大量の糖分が必要です。ヤクルト1000の糖質を変えることはできないので、ヤクルト1000を摂取して睡眠の質を上げたいのであれば、他の糖質を下げる必要があります。

お菓子やジュース、アイスなどの間食を控えて糖質を抑えること


両方を選べないとしたらどちらを選ぶのか。人生とは選択肢の連続です。

ヤクルトBL整腸薬の成分他詳細情報



成分
成人1日服用量(3包)中、

・ビフィズス菌150mg:主に大腸で働いて乳酸や酢酸を産生し、整腸作用を現します。
・カゼイ菌(乳酸菌)150mg:主に小腸で働いて乳酸を産生し、整腸作用を現します。
・添加物として乳糖水和物、など

用法用量
次の量を1日3回、食後に服用してください。
※本剤は錠剤ではなく「散剤」となります。

・15歳以上1回1包
・5歳以上15歳未満1回1/2包
・3ヶ月以上5歳未満1回1/3包

効能効果
・整腸(便通を整える)、腹部膨満感、軟便、便秘

相談すること
・本剤は添加物として乳糖水和物を含有しているので、牛乳アレルギーのある人はご相談ください。

その他ご不明な点は、薬剤師や登録販売者にご相談ください。

ヤクルトBL整腸薬の特徴

ヤクルトBL整腸薬は乳酸菌としてヤクルトの「シロタ株」を150mg、ビフィズス菌としてミルミルの「BY株」を150mg配合しています。

菌数は1日3包で210億個。内訳はシロタ株は60億個、BY株は150億個です。上記解説ではシロタ株1000億個、400億個と扱ってきましたが、60億個は配合上の上限なのかもしれません。

ヤクルト1000の糖質は100ml14.1gとおいしく飲むために多くなっていますが、他のヤクルト製品も同様に糖質は多く含まれています。

その点、ヤクルトBL整腸薬は添加物に少々の糖質を含有していますが、気になるほどではありません。

毎日の糖質を気にせずに乳酸菌シロタ株を摂取するなら、ヤクルトBL整腸薬がお勧めできます。乳酸菌は2日以内で排出されてしまうので、毎日の継続的な摂取が欠かせません。

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