『破滅』 最終章後編 「おわり」まだ途中です。

まだそこに、『僕』は存在していた。そろそろ死んでいてもおかしくはないと、思っていたのだが。僕が僕であることを認識できているということは、生きているということに違いない。ん、本当に僕は生きているのか。存在はしているが生きてはいない。僕はもう死んだ。あの、輝かしい頃の僕はもういない。輝かしい?輝かしかったのかさえわからないが、少なくともいまの状態よりははるかに輝いていた。勉強し、成績がでる快楽。やることは、勉強だけでいい。よかった。生きる意味なんて考えなかった。それが何よりもよかった。今はもうどうしようもない。不安をなくす薬を飲んでいる、その状態に不安を持っている。
僕は会社をやめ、無事に無職になった。600000近くあった貯金も、100000を切った。お金がないということは、働かねばならないとニアリーイコールだ。働きたくないのなら死ねばいい。僕の友達たちは、無事にサラリーマン生活をやっているようだ。尊敬に値する。まだ留年している人もいた。素晴らしい。社会人なんか、なるもんじゃあない。
人間の睡眠時間が大体八時間だとすると、人生の3分の1を寝てるわけだ。しかしサラリーマンになれば、その残りの3分の2の16時間の更に半分が働く時間となる。人間は、働くことにほとんどの時間を費やす。それが正しいのかという議論は置いておくが、そうやって人間は社会性を保ってきた。特に日本人は、我慢して我慢して働いて、お金を稼ぐことに美徳を感じてきた。今もそうだ。
まあそんなことも、どうでもいい。今の僕は、何もかもがどうでもいい。これからのことなんて、考えられないし、考えたくもない。こんな重い空気のなかで、鉛のような身体を起こして、生きる。それさえも、めんどくさい。あ、もう終わり、。北斗七星の脇の死兆星が見える。みんなにはまだ見えていないだろうが、僕には数週間前から見えている。まだ続きを追加するだろう。暇なニヒリストたちに読んでいただけたら幸いだ。

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