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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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記事一覧

ファッショントレンドのしくみと業界構造 その2

二年ぶりくらいの継続記事になります。 この記事一回目は筆者の記事としては超ロングセラーで、寄稿から2年間も様々な読者の方に閲覧いただきました。 前回の記事は欧州のトップトレンド発信から、どのように日本のアパレル&小売業界に落とし込まれてトレンドが伝搬してゆくのか?概要フローを書きました。しかし時代が進み、日本人の生活価値観やライフスタイルの多様化でトレンド発生のメカニズムも大きく変遷してきたのです。 ファッショントレンドの発信源の拡大 ファッション業界の企画担当、バイヤー

EC化率やCVR(購入率)が上がらない“根源理由”を追求してみる【第二回】

第一回では 購買行動とモノを買う際の消費者のマインドに言及して、ECが実店舗に対して負けている部分の概要に触れました。 一言で言ってしまうと、ECは決まったモノ(単品)を買う(お届けする)のには便利だが、生活体験や購買体験、提案力では負けている…という話です。 しかし具体的に何が負けているのか?どうしたらそこを獲得できるのか?について言及してみましょう。 上図の左がスマホのEC画面、右がリアル店舗での視野てす。決定的な違いは、売場に立ったときのそのショップ、ブランドの品揃え

EC化率やCVR(購入率)が上がらない“根源理由”を追求してみる【第一回】

久しぶりの投稿。皆様はお元気でしょうか? 投稿を休んでいた1年半くらいの間、仕事環境に色々変化があって、小売業のEC支援のベタベタのところ(集客~コンバージョンまで)をやってました。 そんな中で改めて感じたのは、小売のEC担当部門の方って、KPIとか新しいクラウドサービスやデジタルツールには目ざとく反応するんだけど、お客の購買マインドとか購買行動にはあまりにも無頓着であるということです。 小売のEC部門の人たちというのは、あまりデジタルに詳しくない経営陣から管理されてるこ

『服を“売る”ならこんな風に』……ファッション市場救済のために。

『ファッション市場』が縮小してる。 これは様々な複合要因があるが、その中の大きなものとして ●服(お洒落)の楽しみ方を今の時代に合わせて啓蒙する人がいない ●従来のアパレル業界人と激安リテイラー、オンラインプレイヤーや通販専業メーカー等の意識ギャップや確執の存在 ●ファッションのロールモデル(憧れを喚起するリーダー)不在 などがあるだろう。 筆者は、文章はさほど上手ではないのだが、 『視覚的なチャートで構造を解き明かす』ことは得意としてる。 なので、図式+解説という

人生を100年に引き延ばして、さらに“効率化”ばかり推進⇒それって“屍”人生を送れってことじゃね?

【ここが変だよ欧米グローバリズム その1】 タイトルに書いた通りなので細かい説明はしませんが(笑) 僕が思うに、今の世の中の 『いびつさランキング』 は以下のような感じです。★★★★★★★★★★★★★★★★ 堂々1位 これだけエコとかSDGs色々言ってるくせに、 見識もなくヒトの寿命を延ばし続けてること。欧米社会の考え方はヒトと自然を敵対させて考えてきたので、人が生きるって自然とか地球を破壊することだよね。その矛盾に正面から向き合ってないよね。 単にメディカル業界の金儲

レコメンドとかパーソナライズって『ダメな奴をどんどんダメにするしくみ』だけど…それで良いの?

ちょっと間が空きましたが、またまた世の本流へのアンチテーゼ投稿!行きます(笑) これまで比較的長かった僕の記事、シンプル投稿にリニューアルして、『気づき』中心に頻度を少しあげるようにします。長くてストーリー性のある記事を読みたい人は過去記事をご覧ください(笑) デジタルマーケで常識のように言われてる、コンテンツやサービスを個人の行動履歴に合わせてパーソナライズしてゆく方法論。 これホントに良いことなのか?って話です。 自分の行動って、リアル空間の行動であろうと、デジタル

プラットフォーマー幻想、その実態は『グローバル・マス80億人』に縛られた“がんじがらめ”ビジネス その1。

我々が今触れてるデジタル空間は『自由な世界』か? そんな問い掛けをちょっとしてみたい。 なぜかと言うと、僕たちは、ここ10年くらい猛烈な洗脳を受けてきたことに、つい 3日くらい前に(笑) 気づいたからだ。 例えば…… 僕たちが普段普通にモノを買うようになったECサイト(On-line Shop)。 これって、どこもかしこも似たり寄ったりのUI(画面、操作、使い勝手)だけど、ホントに使い易くて、楽しい売場(店舗)だろうか? 素面に帰って良く良く眺めてみると…全然イケてない

UX勘違い①…画面全体を情報や機能で埋め尽くす癖……本来UXとは「空間づくり」だ!

スマホUXデザイナーの悪い癖。 画面が狭いゆえにその画面上に余白(間)が作れない。 全てを情報と機能で埋め尽くそうとしてしまう。 目を覚まそう。真っ白で何もない壁に絵がかかってる。 だからこそ、その絵が映えるのだ。 つまりは こういうことだ。 スマホは、『AV家電のリモコン』と一緒。 まず最初に達成したい機能(操作ゴール)があって、 それに必要なボタンが操作面積を埋め尽くしてる。 この二つのデバイスの共通点……どっちも「目的が有って“仕方なく”使っている。」ということ。

今年の気温推移とファッション消費雑感。

衣料市場の低迷が続いている。原因は色々複合的だけど、昨今の天候不順、長期的な高温化傾向は大きな要因。これはファッション業界には悩みの種だ。 以下、直近4カ月の今年と昨年の気温比較をグラフ化してみた。 見ての通り、昨年は7月末をピークとして半端ない酷暑だったが そこを頂点として気温上昇も降下も急カーブ(登りも下りも急坂)。 これに対して今年は、はっきりしない夏。 7月がそもそも異常な低温。 8月以降は気温変化が非常に小さく、超なだらかな下降曲線だ。 このなだらかな変化とい

社会を引っ張るのは“仕事術”“スキル”じゃなくて『視覚的ビジョン』じゃね?

今、大量に発刊される啓発本のタイトルとかを見ると 『効率的・生産性の高い働き方とは』 『仕事ができる人になるには』 『お金を儲けるには』というテーマばかりだ。 …さてさて、これちょっと考えると疑念が湧いてくる。 なぜかと言えばどれも(所詮) 『相対的なものであって誰かが上がれば誰かが落ちる発想』 に感じるからだ。 本当のところ、世の中に “仕事ができる人・できない人”という絶対的なものさしあるんだっけ? 効率的って“何に対して”効率的なんだっけ? お金って“幾ら儲けた

今世の中で、超『価格ギャップ市場』が形成されてる。

筆者は小売業のコンサルタントであると同時にヘビーなお買い物マニアだと以前にも書いた。そんな僕が最近Amazonで買物をしていて感じる強い傾向をレポートしよう。 それは世の中が強烈な『価格ギャップ市場』になってきた!!ということだ。どういうことかというと、同じ品種、同じカテゴリーに属する商品、はたまた一つの同じブランドの中であってさえも、極端な価格差のある商品群が形成されて、かつ激安の商品も、激高の商品も「両方売れてる」!という奇妙な現象だ。これ、消費を楽しんでる人間からする

2019年上半期(筆者)記事ランキング発表。

筆者は、今年に入ってから猛烈な勢い(平均するとDaily)でNOTE記事(主にビジネスジャンル)を公開してきたのだけど、お陰様でフォロワー数が1000人を突破しました。 記事数も170を超えているので、その中でどんな記事が皆に見られているのか?どんなテーマに関心があるのか? 皆様のMarketingにも役立つと思うので以下、公開しちゃいます。 以下が50位までのランキングになります。 ※赤字は、ここ二週間の閲覧伸び率の高い記事。 ダントツは、Twitterでも拡散されて広ま

サービス開発合宿@山梨“五番地”にて。

12日(金)~13日(土)で弊社(株式会社シンクエージェント)の合宿を実施。その簡易報告をしまーす。 まずは合宿場所はこんなところ! 見事なほどの山梨、富士の麓の何もない田舎町です。 駅まで歩けない……コンビニもない!川と田んぼと山! しかし、ここまで何もないとSessionに集中できますね(笑) 車で走れば食べ物屋さんはあるけど、まあ20~30分以上。この日は薄曇りだったので残念ながら近くに見えるはずの富士山は見えずじまいでした。 合宿のタイムスケジュールはこんな感

投資マネーは収益を求めて“人の居ない社会”への投資へと向かう。その1

怪談のような話だけど…これが現実なのかもしれない。 これまで国際金融資本とグローバリスト連中は“儲けるため”に消費者や企業や国を操作して、テロ、恐慌、イデオロギー、消費、法人需要、産業資源、人の寿命……など、あらゆる人的環境(=実体経済)を利用してきた。 しかしそれですらもはや、実体経済と金融経済(投資経済)の乖離は止められなくなった。 なので彼らの投資対象は今後『人の居ない世界』へと向かう。 ヒトの代わりに彼らに“儲け”をもたらすのはAIと自動取引だ。 極端な例を出してみ