マガジンのカバー画像

仕事力強化Magazine

69
コンサルティング会社代表の筆者が時代の趨勢と潮流を踏まえて、これからの仕事力強化の技を伝授してゆきます。
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

オンラインメディアの生活時間占拠が“旧”消費者にもたらしたモノ。

筆者はインターネットの勃興期からネット業界・デジタル業界が主戦場だったので、ずっと疑問に思ってたことがある。 それはズバリ、ネットの閲覧が(接続回線コストを除けば)タダであるということだ。 TVなどの放送メディアが広告費で成り立たなくなるという傾向は、ネットが普及する前から予想されてきたことだ。それでも、ネット業界の主たるプレイヤーは『無償モデル』を選択した。 そのことがここまでのネットおよびスマートフォンの全世界的な普及に貢献したことは否定はしない。しかし……それは消費社会

『貴方が望むその職種』で、生き残る方法?330名のデータで探ってみた!

弊社シンクエージェントでは職種の“生存率”調査を実施した。 それなりにコストをかけて実査したので、詳細レポートは『課金コンテンツ』とさせていただくが、その結果の一部を紹介しよう。 まずは本サーベイの調査仕様と調査票は以下のような感じ! 選定した職種は、クリエイティブ職種、デジタル職種、時代性の高い職種に絞っている。 以下、今回の結果を集計した専門職30職種の『生存率』の内の一部(14職種)だ。これ、NOTEユーザーには衝撃の結果か?思った通りのイメージか?さてどっちでしょう

GDPデフレーターを吹き飛ばせ!…無自覚なデフレに喝。

日本のGDPデフレーターは2018年12月の 102.73から、2019年3月(四半期単位)に103.37へとやや回復。しかし予断は許さない状況。 デフレ懸念が再燃している。 そもそも今のニッポンは強烈なデフレ国家だ。大分古いデータだが以下のランキングを見てほしい。先進国の物価上昇率が低いのはあたりまえだが、日本は先進国の中でも極端に低い位置にあり、ランキング150位にもはいっていない。 『物価が安い』って良いことのような気もするが、次のようなBad Cycleに陥ってし

本革を知らない人は“フェイクレザー”も評価できない。これ今の経済の象徴?

これ…ゆゆしき問題だと思う。 僕は実はフェイクレザーという素材が大好きだ。 カバン、シューズ…色んなグッズでフェイクレザーグッズを持っている。安くて機能的で多様なテイストがあり、素晴らしいものを開発したなぁ!と感じてる。この商品が普及することには肯定的だ。 なんだけど、実はその『“フェイク”である価値がわからない人が増えてる?』もしくは『増えるんじゃないか?』と感じてる。そうなった時、フェイクレザーは市場からフェイドアウトするんじゃないかって? どういうことか? 『元となる

モノとサービス(コンテンツ)の“個別価格”提示で何が変わる?『NOTEのビジネススキーム』は大正解。

①様々なプラットフォーマーが提供し始めたコンテンツのサブスクリプションサービス(定額課金モデル)。 ➁そしてそれよりずっと前から各種コンテンツ業界で行われていた再販固定価格という売り方。 この二つの販売方法、当たり前のように見えるが、実は消費者のモノやサービスに対する“評価眼(ものさし)育成”を妨げてる……というのが筆者の持論だ。 これ、どういう意味だろうか? 映画業界、ビデオ業界、音楽業界、書籍・出版業界、ゲーム業界。 この全ての業界が確立してきたクリエイティブコンテンツ

キャリア女性:“カバンの中味調査”にご協力を!ゴディバのソフトクリームを洩れなく進呈💛💛

弊社シンクエージェントでは激変する時代、女性のキャリア&ライフスタイル進化を見越して、その象徴たる“カバンの中味”調査を実施します! 普段だと、 マクロミルさんとかの一般ユーザーパネルを使って調査するんだけど、NOTEユーザーの方は、企業内スタッフ・フリーランス・経営者の区別なく、キャリアに貪欲で、時代の先端を走ってる女性が多いと考えてるので、 そんな女性の回答を入手したく、この場を借りてお願いします<(_ _)>。 謝礼は『ゴディバ・ソフトクリーム』チケットです! 上記

ホリエモン寿司職人問題……修練必要?不要?を小売業に準えて考えてみた。

ホリエモンさんの寿司職人炎上問題。 もう3年以上も前の話なんだけど、なぜか記憶に新しい。筆者もこのテーマ、思うところあり過ぎなので、ちょっと書いてみる。 筆者も立場というかこれまでの仕事の発想はホリエモンサイドだ。 修練や地道な努力が美しいとあまり思っていない。 努力は大事だけど、その目的は『如何に短期間に良いアウトプット(製造物)を出せるようになるか?』だと思ってる。 アウトプットを受け取るお客さん側が主役だと思ってるので、必要ならば楽をするための道具は全て使うし、機械化

ファッション店舗の『売場作り』を変えよう! その2

商業施設のフロアレイアウト日本のファッション市場とそれを担うはずの店舗が縮小して苦戦している理由は数多くあるが、 まずは商業施設(ショッピングモール)側の事情とテナント店舗側の目論見の食い違いがある。以下の大型郊外型SCのフロアマップを見て欲しい。 この中で 知っているブランドやショップ名称はたくさんあると思うけど、この広大なショッピングモール内で、何か単一のファッションアイテムを捜そうと思ったとき、貴方は探せるだろうか? 例えば今年のトレンドで言うと、“偏光レンズ”のお洒

“モテ”とファッションとの距離 その1

モテ系ファッションと正統派ファッション(そんなものが在れば…だけど)の間には大きな距離がある。 さらに、女性の場合は、異性モテファッション以上に結構意識されるのが、同性モテ(うけ?)ファッションだ。 一方で男性の場合は、かなり昔からモテ意識よりも『自己主張とこだわり』がファッション要素として強かった。なので男性のお洒落とかテイスト追求型はことごとく女性受けしなかった(笑)。女性から見ると、変な恰好の突飛な人!アクの強い人!自分をわかってない人。……にしか見えないのだ。 まあ

思考実験のススメ その1

弊社の社内でこんな話をした。 ●顧客、見込客、ターゲット生活者のオンライン行動データとか、アンケート調査データを分析するだけだと、今(現行)の消費者の心理や行動はわかるけど、未来の行動やこれから欲しくなるもの(Wants)はわからない。 ●世の中のデータ志向=データ依存(?!)が行き過ぎたため、 分析で言えることだけしか言わない人が増えた。 ⇒市場の今後や生活者の今後への想像力=クリエイティブな企画力が失われた。 ならばどうすれば良いか? データは無い状態でも、自分の頭

顧客&行動分析はニーズとポテンシャルを知る目的で実施。『今の行動に合わせてしまう施策』は打つべきじゃない。

分析のやり過ぎに注意しましょう! これが、デジタルマーケッターの方に、僕が言いたいコトだ。 デジタルマーケッターが陥りがちな落とし穴として、 ①アクセスログやCRM分析をやり過ぎて、お客様は『その行動しかしない!』と思い込んでしまったり、 ➁この広告、ページ、サービスを『踏んだ』人にこれを見せれば、買上率が2ポイント上がるとか、 『セコイ事』(笑)ばかり考えるようになってしまうケースだ。 セコイよそれ、セコイ!そんなことを半年もやり続ければもう買上率なんて上がらなく

『パーソナライズし過ぎ』って「提案の放棄」!状況はヤバイことに…。

これ結構笑い話じゃない。 『パーソナライズ』ってオンラインビジネスの世界では、とっても良い事でそれによって顧客の買上数や買上頻度が上がる!と言われてるけどホントは嘘だ。パーソナライズの種類と精度にもよるけどね。 パーソナライズのメカニズムってその人の過去の行動履歴にレコメンドエリアの表示(商品やコンテンツ)を合わせちゃうってこと。 ECサイトとかを運営してる人ならわかるだろうけど、一番単純なのがカート放棄対策で、カートに入れて買わなかった商品を片っ端からDMPで広告に出しち

今の時代、法律と議会と議員制度が役割を終えたのでは?

資本主義  ⇒制度疲労、 イデオロギー⇒制度疲労、 法律と議会 ⇒制度疲労、 プロの政治家⇒制度疲労。 そんな感じなんじゃないか?と思う。 技術の開発速度、インターネットによる伝達速度、社会構造の変化速度、AIによる自動判定と自動オペレーション化の速度。全てが高速化してる。 それらを鑑みると、まず年間予算を建てるという発想、それからどっかの議会や会議室で議論して決める そのやり方自体が時代遅れだ。 法律を決めるのに2年、それを施行するまでに2年……4年経ったら社会がもう変

常識と非常識のすきまにある意味。

最初に言っちゃうとまあ、ある命題が『常識的』であるか『非常識』であるかって、実は話題の中味にはあまり関係がないんじゃないかと思う。 受け取る側の反応によってこの二つの違いは決まると感じるのだ。 コミュニケーションの温度感によって同じ命題が、 常識になったり非常識になったりする。なんでだろ? 人の持っている情報スコープって非常に狭くて、かつ自分ローカルなので、何かを伝えたときに大きくは四つの受け取り方が起こると考えてる。 一つ目の反応 『わかった、わかる。』…頭を振る感じ