見出し画像

#337 地域のことは「好き」でも「熱量」でもなく……

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリア、デザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


今日は「新潟ワーケーションサミット」の話

今日はですね。地域の話をしたいと思います。

昨日「新潟ワーケーションサミット」というイベントが東京・渋谷であったんですよね。

昨日のイベントは新潟県妙高市、上越市、糸魚川市、そして佐渡市で、ワーケーションに限らず、地域づくりに関わっている4名が集まって、「いま、どんな取り組みをしているのか?」とか、「地域の魅力は何か?」とか、そういった話をさせていただきました。

僕は、いままで取り組んできたワーケーションに関する話をしました。いろんなところでお話している内容なので、中には聞いたことがある方もいらっしゃったんじゃないかとは思いますが、「ワーケーションをどのように設計したか」とか、「具体的にどんな取り組みをしてきたか」とか、そういった話です。

地域の魅力まで、お話できなかったかもしれませんが、それでも「ウソ偽りなく話した」感じはしています。

ワーケーションのような新たな取り組みをする中では、ぶっちゃけ、いいことばかりではなかったし、成功したことばかりではありませんでした。さまざまな課題もありましたよ。特に、コロナ禍でしたからね。

そんな中でも「こんなことをしてきましたよ」という話をしました。

懇親会での話「妙高のことが好きですか?」

イベントが終わった後、登壇者と、運営者のみなさんと懇親会をしました。

その時に「竹内さんは、妙高のことを好きですか?」という質問がありました。

実は、僕にとってこの問いは、返答に困る問いです(笑)。地域のことが「好き?」と言われると、「好き」という言葉ではない。表現できないっていう感じがあるんですよ。

その感覚は、「恋愛関係と家族との違い」みたいなものかもしれません。

「恋愛」って、「好き」みたいな言葉を使うと思うんですよ。

ですが「家族」になって、日常を共にしている存在に対して、あまり「好き」という言葉は使わない……というか。

だからといって「好きじゃないか?」と言われたら、「好き」という言葉を使えば、使えなくもないんでしょうけど。

「それならば、言った方がいいですよ」って言うかもしれませんが、たとえば「奥さんのこと好きですか?」「子どものこと好きですか?」って言われたら。「嫌いではないが、好きという言葉ではない」という感覚が、僕の中にはあって。

なので「好き?」って言われた時に、もちろん「好き」なんでしょうけど、その「好き」という言葉を使う自分が、なにか自分にウソをついているような感じがして、あんまり好きじゃないんですよ。

「好き」という感覚よりも……

「じゃあ、何なんだ?」と言われたら、家族の場合「好き」という感覚よりは、多分……まぁ、これも普段は言いませんけど、「好き」という感覚よりは、「愛してる」という感覚だと思うんです。その存在がそこにあり、そこを好んで過ごしていて。

「好き」というのは、なんとなく非日常な感じがして。恋愛関係でいうと「デートをする」みたいな。「ドキドキ感」みたいな。そういうのが「好き」っていう感覚だと思います。

「愛してる」っていう感覚は、どちらかといえば、そういう言葉を直接使いはしないが、日常に「ある」っていう感じ。空気を吸っているような感じ。

その、空気のような存在に対して、「好き?」か「愛してるか?」って言えば、空気の場合「愛してる」……みたいには表現しないかもしれないけど、大切なことは間違いない。

絶対的に「信頼している」という感じ? いろいろあるけど「最終的には帰ってくる場所」というか。言い方を変えると「何があっても逃げないし、逃げられない場所」というか。それって「好き」とは違うんだな。僕の感覚では。

自分が好み、選んでいることを体験してほしい

自分が好んで選び、そこで過ごしている。そして、「これ、いいな」と思っている。その中には「これ、好きだな」みたいな感覚も、若干は含まれると思います。

この「これ、いいな」「好きだな」という感覚を、いっしょに体験してくれたら嬉しいし、「ここ、いいんすよね」って言いたい。

そういった日が、毎日、毎日、あるわけではないし、それが「日常」だと思うんだけど、そういう感覚なんです。

なので、地域のことが「好きか?」と言われたら、「好き」という言葉ではない。でも、「愛してはいる」という感じです。

本当は、地域の取り組みをするんだったら、「僕、妙高のことが大好きなんすよね!」みたいな言葉を使ったほうが、多分、いいとはわかってるし、多分、そっちの方が、周囲の人には伝わるかもしれない。

だけど、自分にウソをついてまで言いたくもない。

それでも、妙高を好んで過ごしているのだから。

実は「熱量」もない。でも……

ほら、よく「熱量がある」みたいな言い方をよくする時がありますが、僕、体温低めなんですよ。「熱量」はそんなにないんですよ。だけど「想い」はあるんですよ。「この地域を何とかしなくちゃな」という想いは人一倍あるんですよ。

だから、「熱量」はないけど「想い」はある。

誰かに、あえて言わない。言わないと伝わらないから言うけど、どちらかといえば「大好きなんですよね」というよりは、そういうテンションは、どちらかといえば閉じ込めて、どちらかといえば静かな感じで、「いま、この地域には、こういうことが必要だと思うんですよね。そのために、いま、こういうことやっています」という感じとか、言い方の方が、個人的には好きです。

というわけで、妙高のことは「好きじゃない。けど、愛してる」「熱量はない。けど、想いはある」……そんな感じで伝わるといいな~と思いました。

今日は、ちょっと真面目な話をしてしまいました(笑)、今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?