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#345 「テレワーカーは2割以上、生産性向上に意欲」データとその理由

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったら、フォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


日本生産性本部「働く人の意識に関する調査」レポートから

今日も、日本生産性本部が2024年2月に出された、「働く人の意識に関する調査」のレポートから、気になった点についてお話をしてみたいと思います。

気になった点を一言で言うと、「テレワークを実施している人のほうが、生産性に対する意識が高い」という点です。

この調査には、いくつかの調査項目があるんですよね。その中に、「職場における生産性向上の取り組み」という項目があります。

その中でも、「従業員規模別・職場での生産性向上の取り組み」など、いくつかの項目があるのですが、この中の1つで「面白いな」と思ったのが、「テレワーク実施別・職場での生産性向上の取り組み」というデータです。

テレワーカーと非テレワーカー、生産性向上に対する取り組みに大きな差

このデータは、テレワークを実施している人と、そうではない人で、「職場における生産性向上への取り組みの実施率に差があるか」という内容ですが、結論から言うと「テレワークしている人、すなわち、テレワーカーのほうが、非テレワーカーよりも生産性向上に対する取り組みに大きな差がある」ということなんです。

ここでいう、「生産性向上の取り組み」には、いくつかの項目が挙げられています。

  • 業務の進め方の効率化

  • 情報共有の推進

  • 業務の改廃

  • コストの削減

  • 商品やサービスの改善

  • 新商品やサービスの導入

これらの観点で、テレワーカーと非テレワーカーを比較しているんですけど、テレワーカーの方が、断然……という言葉を使っていいと思うんですけど、テレワークを実施している人の方が、断然生産性向上への取り組みが高いんですよね。

出典:第14回 働く人の意識に関する調査 | 日本生産性本部

「商品やサービスの改善」以外の項目で20ポイント以上の差があり、「業務の進め方の効率化」に至っては、30.7ポイントの差があります。いずれも、テレワーカーのほうがポイントが高くなっています。

これ、結構大きな差ですよね。

なぜ、テレワークをしている人のほうが生産性向上の取り組みが高いのか?

なぜ、テレワークをしている人の方が、生産性向上の取り組みが高いのか? という理由について考えてみます。

僕の意見では、まず「テレワークができる」ということは、ある程度自立をしているし、人に指示されなくても、自分から仕事をしようとする……つまり「もともと、生産性が高い人である」というのはあるんじゃないかなと思いました。

あとは、「物理的に離れているから、色々改善したり、工夫したりする」ということもあるだろうなと思います。それは、「仕事の進め方」だったり、「情報共有の仕方」だったり、「自分を理解してもらおう」という努力だったり。そういった努力を、結果的に「しなければならない」ということもあるとは思います。

ですから、テレワーカーのほうが生産性向上に対する取り組みのポイントが高いのは……

  1. 「テレワークができる」ということは、もともと、生産性向上への取り組み意識が高い人であること

  2. テレワークという働き方によって生まれる、生産性向上の必然性

大きく分けると、この2つが理由として挙げられるのではないかと思います。

人材育成の観点でみたとき「働く環境をどうするか?」

このように考えてみると、「テレワークだから生産性が高いのか?」と言われると、2つの見方ができます。

1つは、必ずしも「テレワークだから生産性が高い、というわけではない(もともと、生産性が高い人がテレワークをしている)」という視点です。

もう1つは、「テレワークだから、いろんな工夫をする。その結果、生産性が高くなる」という、「テレワークだから生産性が高くなる」とう視点です。

このように考えてみると、「テレワークをすると、生産性が上がるのか?」という観点では――それは、仕事の種類によっても変わってくるとは思いますが――主に、オフィスワークのような、PCさえあれば仕事ができる人に限って言えば、最初から、テレワークができるぐらい生産性が高く、仕事ができる人であれば、「場所が変わっても、生産性は高い」ということが言えるでしょう。

また、「環境が人を育てる」ということもあります。

僕の経験でも、テレワークをしているから「積極的に情報共有しよう」と思ったり、人と離れているところで仕事をしているからこそ、より「自分を理解してもらおう」「結果を出そう」みたいに思うことが多かったです。

もちろん。中には監視の目、周囲の目がないと、だらけてしまう人もいるとは思います。

でも、テレワーカーの方が「生産性向上の取り組みが30.7ポイント高い」ということを鑑みたとき、「今後、どういう人材を育てていきたいか?」という観点で考えてみたとき、「働く環境をどうするか?」ということは、考えてみてもいいんじゃないかな? という気はしますよね。

というわけで、今日は「テレワーカーのほうが、生産性向上の取り組みは高い」という事実ベースの話をしてみました。今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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