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『世界の紙を巡る旅』についてのご紹介

※2021年8月追記
普及版 世界の紙を巡る旅 』(2021年11月刊行予定)プロジェクト始動!
『世界の紙を巡る旅』はおかげさまで完売いたしました。特殊な造本の都合増刷はせず、もっと多くの人に手に取っていただけるような仕様を目指し、普及版の制作をはじめました。

note記事 「『普及版 世界の紙を巡る旅』プロジェクト!」

こちらのフォームから連絡先をお知らせいただいた皆さまには、普及版発売が近づいたタイミングでいち早く発売情報などシェアいたします。

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烽火書房の嶋田です。このたび新刊、浪江由唯『世界の紙を巡る旅』が2021年2月末発売開始となりました。語ろうと思えば、延々と語れてしまう一冊ではありますが、どんな本なのか、ご紹介できればと思います。


旅の目的は、自分で作り出すことができる

観光雑誌に掲載されていた美味しいグルメを食べにいく、有名な景色を見にいく。旅の目的はたくさんあります。けれど何を楽しめばいいのか、誰からもその手がかりが得られなければ、人は突如その目的を失ってしまうことがあります。だから私たちは旅行にいく前に情報収集をして、その設定された目的地に向かい、To Doの達成に没頭してしまいます。

僕が浪江さんと出会ったのは、ツイッターというなんとも現代的な場所でした。「世界の紙を巡る旅」に出ています、という浪江さんのプロフィールを見て、衝撃を受けました。
僕だって出版をやっているので、紙は好きです。印刷も好きです。けれど、紙がどうやってできていて、どんな国でどんな風に存在しているのかを探しに行こうと思ったことはありませんでした。でも、「世界の紙を巡る旅」という言葉を見た瞬間に、その旅のディティールを頭の中で想像してしまい、ワクワクしてきました。
それは紙が好きであるという職業柄の興味からきたものであることはひとつの理由として間違いないと思います。けれど、それ以上に「自分だけのための旅の目的を、自分で決めていくことができる」という気づきの喜びによるものでした。人生は旅のようだという言葉を踏まえて、このことを解釈してみれば「自分自身の人生の目的を、自分で踏み出していくことができる」という喜びでした。まさしくこの本は、そういう本に仕上げるため、著者である浪江さんと、制作に携わってくださったたくさんの方、これから手にとってくださる読者の方との「世界の紙を巡る旅」のつづきです。

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旅の欠片を集めて紡いだ一冊の旅行記

浪江さんは学生のころ、ネパールの手漉き紙・ロクタペーパーを研究していました。この旅では、ロクタペーパーをはじめ、タイのサーペーパー、ベトナムのドーペーパー、メキシコのアマテペーパーなど、世界各地で作られている手漉き紙に触れ、工房で実際に作られているところを見て、作り方を学び、作り手の想いに触れていきます。
同時に活版印刷所や紙雑貨屋などを巡り、紙がどのように活用されていてその国で流通しているのかを見ながら、その国そのお店独自の素敵な紙ものに心を奪われていきます。
そんな中で、人生を変えるような出会いや、風景と出会い、「これから私は何をして紙に何をできるだろうか」と問いながら旅を続けていきます。
紙の本でもあり、旅の本でもあり、暮らしの本でもあり、生き方の本でもある。旅で出会ったたくさんの欠片を集めてまとめた一冊です。

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書籍づくりという「世界の紙を巡る旅」のつづき

この本を通じて、紙を巡る旅のつづきを体験してもらいたいという思いから、造本にも特徴をもたせました。

カバーは浪江さんが訪ねたネパールのロクタペーパーの工房に特注で依頼をし、輸入。植物/水/光/炎という紙づくりの4つの要素を図案化したものを、著者自らシルクスクリーン印刷を施しました。日本の工業用紙を使いオフセット印刷を行った表紙と本文とのコントラストで、手触りとして紙を楽しめるようにしています。
また、本文用紙も、11種類を使用しています。通常、書籍の本文用紙は多くても2〜3種類ほどの紙しか使いません。それはコストや内容とのバランスなどの都合で、ほとんど行われることはありません。けれど紙を巡るこの本では、旅の月日が流れていくのにしたがって紙を変化させていくように作りました。いろんな紙に触れられるようにという思いと、紙ごとの印刷の出方の違いを楽しめるようにという思いを込めました。

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概要/仕様

著者・浪江由唯
編集・嶋田翔伍
デザイン・本間はる華
用紙・中庄
印刷・藤原印刷
製本・ダンクセキ
カバー・Tibetan Handicraft & Paper
発行・烽火書房

定価2,600円(+税)


ご購入方法

お取り扱い書店一覧はこちらです。こちらに記載の書店さんにてご購入いただけます。

また、全国の書店でご注文いただけるほか、インターネットでもご注文いただけます。


kami/ 世界を一周してみつけた紙もの(著者サイト)
Amazon


お取り扱いをご検討いただいている皆様へ

書店さん、雑貨店さん、そのほか、イベント出店や間借り本棚などをされているみなさん、ぜひ『世界の紙を巡る旅』のお取り扱いをご検討いただけると幸いです。

お取り扱い方法は、直取引・取次経由(仲間卸)が可能です。s.shogo0315@gmail.comもしくは嶋田ツイッター(@shimadasho5)までお声がけください。

どうぞよろしくお願いいたします。

烽火書房・嶋田翔伍