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本の処方箋

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記事一覧

#48 オンライン研修ハンドブック|中村 文子

オンライン研修をすることになったらこれまで、インストラクショナル・デザイン(ID)の書籍を紹介してきましたが、今回はオンライン研修に特化したIDの書籍です。 コロナにより、従来対面で行われていた研修の意義が見直され、移行可能なものはオンラインへという流れがあります。 そこでオンラインの特性を踏まえた研修設計の重要性が増してきました。 最も印象的だったのはカメラのオン・オフ問題。 参加者の集中力確保という点から、参加者は必要時以外ではカメラオフ、講師もワークの時間などではカメ

#47 伝わるデザインの基本|高橋 佑磨

スライドを作る前にスライドなど資料作成のためのデザインの手引です。 類書もいくつかあたりましたが、本書が最も網羅性が高いと思います。 さすが3版まで改訂されているだけあります。 フォント、色、文字の多き、余白、文字や段落の間隔。 これらを意識できれば、極端に読みにくい資料にはならないでしょう。 資料作成をするすべての人にオススメの1冊です。

#46 教材設計マニュアル|鈴木 克明

教材をつくることになったら前回の本がすばらしかったので、著書を漁ったところ見つけたのがこちら。 研修会全体の設計をした後は、教材の設計が待っています。 本書では、教材の設計方法について、IDの理論に基づいて解説されています。 はじめからよい教材はつくれません。 教材じたいの形成的評価を通して、バージョンアップを重ねることが、よい教材、ひいてはよい研修会につながることが確認できました。 20年前に書かれた本であり、書影は古めかしいですが、中身はこの先も古びることはないのでは

#45 研修設計マニュアル|鈴木 克明

研修に携わることになったら教育工学者としてご高名な鈴木克明先生の著書です。副題は『人材育成のためのインストラクショナルデザイン』。研修設計の文脈からインストラクショナルデザイン(ID)のエッセンスについて解説されています。 本書では、研修は目標達成のために最もコストのかかる手段であり、最後の手段と位置づけられています。だからこそ成果につながる研修を提供するためには、綿密なデザイン(計画)が求められます。リソースの割きかたとしては、準備8割、実施2割といったところでしょうか。

#44 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本|伊藤 大輔

プロジェクトをマネジメントすることになったらプロジェクトマネジメントという概念に出会ってから、関連本を漁ってみたところ、一番しっくりきたのがこちら。本書で学んだポイント3つあげてみます。 ステークホルダーステークホルダーとは、そのプロジェクトを実行することで影響をうける利害関係者のことです。プロジェクトの計画段階で、ステークホルダーが誰なのかをまず確認します。これを怠るとどこかの段階でプロジェクトが頓挫するリスクが高まります。まずは根回しですね。 バッファプロジェクトのス

#31 駆け出しマネジャーの成長論 増補版|中原 淳

マネジメント業務をすることになったら人材開発・組織開発が専門の中原淳先生の著書です。 マネジメントの本質は、他者によって物事が成し遂げられる状態をつくること。 マネジャーの役割と課題についてかなり整理されました。 マネジャーの7つの挑戦課題として以下が提示されています。 部下育成 目標咀嚼 政治交渉 人材活用 意思決定 マインド維持 プレマネバランス 政治交渉ではボスマネジメントについて言及があり、ボスの人となりを踏まえた上でいかに考え方を共有していくかという

#28 歴史思考|深井 龍之介

悩みから抜け出せないときに株式会社COTEN代表の深井さん初の著書です。 COTEN RADIOで話しているようなライトな語り口で読みやすく書かれています。 私としてはアン・サリヴァンの章が印象的でした。 自分の価値について考えること自体に、あまり価値はないのかもしれません。 Podcastでは取りこぼしていたので後で聴きます。 同社のミッションにある「メタ認知を高めるきっかけ」をくれる本だと思います。

【大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと】井手敏郎

哀しみを一人で抱え込んでいる人に対話形式で進んでいき、グリーフサロンに参加しているような気持ちで読むことができます。病院に行くほどではないけれど、日常生活のなかで身の置き所がない感覚をもっている方には、自分の心や身体と丁寧に向き合えるような居場所や仲間が必要です。 割れた陶磁器を修復する『金継ぎ』のように、傷を愛でてその人の一部にしていくサポートが、グリーフケアなのだと学びました。

#13 積読こそが完全な読書術である|永田 希

積みすぎて後ろめたさに打ちひしがれたときに本が溢れかえり情報の濁流となっている現代は、圧倒的な積読環境です。 濁流にのまれないように、本をどう読むか、どう読まないかについて、様々な読書論を紹介しながら積読のすすめが展開されます。 そもそも完全な読書なんてありえない、読書は積読の一部である、書物は読書の時間を閉じ込めたひとつの投資である…… そんな語りがちょっと肩の力を抜いてくれます。 最後に『バーナード嬢曰く。』より神林しおりの名言を載せておきます。

【心の出家 変わらぬ日常をもっとラクに生きたいあなたへ】草薙龍瞬

行き詰まったときの処方箋いつも何かが足りない。イラッとする。思いどおりにならない。人のことが羨ましい・・・これはすべて「心の荷物」であり、その正体に気づいて、降ろすだけで生きるのがラクになる。わざわざ悩んで苦しんでいるだけで、すべて妄想なのかもしれない。自分の心と向き合い、じわじわと人生観をひっくり返されるような一冊です。

本を処方する

誰かに紹介された本に、助けられた経験はあるでしょうか。 今回は「本を処方する」をテーマに5冊を紹介します。 1. 心と体がラクになる読書セラピー(寺田真理子)著者自身の壮絶な経験をもとに、本を「読む薬」としてすすめ、「読書療法」を紹介しています。読書には多くの効能があり、問題解決の援助、行動変容、読解力・語彙力・発信力・集中力の向上、苦痛やストレスの軽減、なんと死亡率低下にもつながるそうです。イギリスではプライマリ・ケア医と司書が連携して、本を処方するサービスもあるのだと