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酒もきものも生活に寄り添うもの 2017年5月19日

 自称「読んでほしい女」神垣です。

 構えず、気張らず、もっと気楽に

 きものと広島のお酒を楽しむ

 人が増えたらいいな、


 きものは晴れ着。
 普段着として楽しめるなんて
 思ってもいませんでした。
 12年前までは……。

 仕事仲間だった澤井律子さんが
 突然、初詣にきもの姿でやってきた2005年。

 同年、彼女が立ち上げたきもの好きのコミュニティ
 「ひろしまきもの遊び」に参加するようになってから
 普段着のきものの楽しみ方を知りました。

 ▼「ひろしまきもの遊び」発足の経緯はこちら

 きものを着て一緒に出かけよう! と
 初詣や宮島の雛めぐり、酒蔵の蔵開きへ。
 浴衣を着て、川を遊覧したことも。
 ドレスコードきもので、クリスマスパーティー。

 シルクのよそいきでなくても
 ウールやポリエステルのきものでだって
 気楽にお出かけできる楽しみを知ったら、やめられなくなっていました。
 

 広島できものを楽しむ場や機会を提供し、
 人ときもの、人と人をつないできたのが澤井さんです。

 30代初めにきものに目覚め、
 30代半ばで日本酒に目覚めた彼女。

 きものとお酒をたしなむようになってからの
 急成長ぶりは目覚ましく
 実は、お酒もわたしよりはるかに強いことが発覚。

 自称「飲めない女」時代の彼女を知る身としては
 唖然とするばかりでした。

 しかしながら
 「きもの」と「お酒」は相性が良いらしく
 澤井さんの周りに
 きものもお酒も好きな人たちの輪が広がってゆき

 ついには、
 「きものを着て酒蔵めぐり」をコンセプトにした
 本まで企画。

 それが、本日刊行の
 「きもので酒さんぽ」という形になりました。

 酒蔵のある街並みは、
 きものが似合う街並みでもあります。

 ジーンズとスニーカーの代わりに
 肩のこらない普段着のきものでそぞろ歩けば、
 街の景色も表情も
 また違ったものに見えるはず。

 本書では
 西条、竹原、鞆の浦など、広島県内の酒蔵のある街並みを訪ね、
 お酒が楽しめるお店やきものが似合うお店を紹介。
 街歩きの本として使えるだけでなく
 広島の10の蔵元の酒造りの姿勢や自慢のお酒を取材し、
 紹介しています。

 合わせて、きもので出かけるときの
 着こなしや身のこなしのポイントを
 イラストとともに解説し
 1冊で3度楽しめる欲張りな本になっています。

 きものビギナー、日本酒ビギナーには
 入門書として“使える”1冊に。

 酒蔵取材を神垣が担当したのですが
 いや~、今までで一番、楽しい取材になりました。

 地元でなじみのある蔵元ばかりだったのですが
 改めて一つひとつの蔵の魅力を知ることができ、
 ますます広島のお酒が好きになりました。

 灘などの水の硬度が高い地域の酒が「男酒」と呼ばれるのに対し、
 高度の低い軟水で醸造される広島の酒は「女酒」と呼ばれます。

 好みはありましょうが
 本書を通じて広島のお酒を知るきっかけに
 していただければ、これほどうれしいことはありません。

「きもので酒さんぽ」

 「酒もきものもハレの日だけでなく、生活に寄り添うものであっていい」
  取材した蔵のひとつ、白牡丹酒造の島治正社長の言葉が印象的でした。

(VOL.2860 2017年5月19日 配信 【仕事のメール心得帖】あとがきより)


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