底は尽きるのではなく「突く」のです
よくある漢字の間違いというのは、「その漢字を使いたい気持ちはよーく分かる」という変換ミスが多いですね。
たとえば以下のタイトル。
もうすぐ底を尽く？～エコカー補助金
この記事では本文でも次のように書かれています。
駆け込み需要で5,837億円の予算が期限を待たずに底を尽くと言われている。
そうです、「底を尽く」ではなく、「底を突く」が正しい漢字ですね。
名古屋市のホームページでも以下の通りに書かれています。
基金が底を尽くほどの財政悪化はこれまでの議会と市当局の施策の失敗にあることは明白である。
なかなかに厳しい内容の記事ですので、「底を尽く」と書きたく気持ちは分かります。
他にも以下のような例があります。いずれも切羽詰まった感が良く出ています。
そのような中で、資金が底を尽くまで頑張るというのは、事業家としてある種立派な心意気であると思いますが、結果として最後まで支援をしてくれた取引先や金融機関、付いて来てくれた従業員に対してより大きな迷惑をかけることになってしまいます。
毎月赤字でやばい。貯金も底を尽きそうな家計を立て直したい！30代主婦相談
いずれの間違いも、おそらくは「燃料が尽きる」や「食料が尽きる」といった、欠乏感に引きずられて、「底を尽く」と書いてしまったのだと思います。
しかし、正しくは「底を突く」で、要するに貯めてあった燃料や食料がなくなり底が見えている状態ですね。
底を「突く」という状況から、株価などが底値に達した状態も「底を突いた」と表現しますね。
気持ちが分かるだけに、見逃してしまいがちなミスだと思います。
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