見出し画像

#9 ベルンシュタインから考える③『動作の起源について』その1

生命の始まり

今回は、動作を理解するために「生命の始まり」を考えてみたいと思います。

時間的な尺度を考えると、地球上の生命が誕生してからの長い歴史の中で、人類が誕生したのは「つい最近」の出来事です。

※著書には具体的な年月が記されていますが、現在は異なっているとの見解のため、ここでは割愛してます。


このため、人類の動作について議論するには、生命の発生について考えるのが妥当であると考えられます。

では、どの様に生命は進化してきたのでしょうか。

なんだか、「ダーウィンが来た!」みたいになってきましたね。笑





生命の誕生

生命は偶然が重なり合って誕生したとされます。

どれぐらい偶然かというと、よく切ったトランプがすべて同じ順序で100回並ぶのと等しいぐらいの奇跡的な確率だそうです!

これも「時間」と「空間」、そして「必要な分子」が豊富に存在していたため、と考えられています。

途方もない時間が掛かったと思いますが、奇跡が重なり合うことで、我々の祖先が生まれたと考えると感慨深いものがありますね!





細胞の専門化

偶発的に誕生した生命は、徐々に細胞の専門化をしていくことになります。

体表にある細胞は受容性身体要素感覚器)へ、身体内部にある細胞は収縮性身体要素原始的な運動)へ分けられていきました。

さらに、体表の細胞は周りの刺激に対し、化学物質を分泌する様になります。

そして、遂には、外的な刺激によって、筋細胞が興奮するようになったのです。

つまり、それまで自然発生的な動きしかできなかったのに対し、周囲の刺激に反応することが出来るようになったのです!



さらに進化は続きます。

分泌物質により直接興奮するのではなく、電気的振動により、非常に早く興奮を伝える生物が現れていきます。

※脳からの指令や感覚器からの感覚刺激は、「電気信号」で伝えられます。


このように電気刺激を伝えるように変化した生物は、伝達速度が非常に速いため、生存競争が非常に有利であったと考えられます。

そして、生き残っていった生物の全身に神経のネットワークが張り巡らされるようになっていったのです。






受容器の進化

また受容器も進化を遂げていきます。

聴覚や嗅覚、視覚などが発達することで、①格段に広い範囲まで知覚が及ぶようになったのです。

さらに、広い範囲を知覚出来ることにより、②一連の動作を計画立てる時間が生まれていきました!

これらにより、(原始的な)記憶が発達し、待ち伏せをするなど戦略を立てることが出来たと考えられます。

つまり、感覚が脳を創る、ということが起こっていったのです!



どうしても脳から手足などの末梢に指令がいっていると考えがちですが、逆に感覚から脳へアプローチするという概念は非常に面白いですね。


次回は、動作の起源の続きを見ていきたいと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?