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ベルンシュタインから考える

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ロシアの運動生理学者・ベルンシュタインの考えをまとめています。
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2021年7月の記事一覧

#9 ベルンシュタインから考える③『動作の起源について』その1

#9 ベルンシュタインから考える③『動作の起源について』その1

生命の始まり

今回は、動作を理解するために「生命の始まり」を考えてみたいと思います。

時間的な尺度を考えると、地球上の生命が誕生してからの長い歴史の中で、人類が誕生したのは「つい最近」の出来事です。

※著書には具体的な年月が記されていますが、現在は異なっているとの見解のため、ここでは割愛してます。

このため、人類の動作について議論するには、生命の発生について考えるのが妥当であると考えられま

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#8 ベルンシュタインから考える②『運動制御について』

#8 ベルンシュタインから考える②『運動制御について』

今回は、

運動の組織化はなぜこんなにも複雑なのか?

この問いからスタートします。

ベルンシュタインは、この問いに3つの答えを挙げています。

1. 運動器

人間は極めて細かな動きをします。

特に、人間は他の動物と比べ、肘より先が有利とされます。
具体的には、前腕回内外(肘を固定したまま、手のひらを上下に向ける動作)や対立動作(親指と小指をくっつける動作)が出来るのは人間とサルだけです。

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#7 ベルンシュタインから考える①『巧みさとは何か?』

#7 ベルンシュタインから考える①『巧みさとは何か?』

早速ですが、

運動神経って何でしょうか?

実は、なかなかパッと答えられる人は少ないですよね。

この記事を読まれている方も幼少期に、運動が上手だった!体育は得意だった!、という方がおられると思います。

いわゆる「運動神経」が良いというヤツですね。
子どもの頃の運動が出来る/出来ないは、かなり大きなポイントです!
その出来不出来によって、周囲への発言力や自尊心にも大きく影響します。
そして、異

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